2004年12月31日
【店舗数:---】【そば食:330】
岡山県某所
肉南蛮
自宅で年越し蕎麦を打つようになって早何年になるだろう。1年に1度しかうたないので、上達するどころかどんどん腕が落ちていっている、奇妙な蕎麦打ちだ。
回数を重ねることで、「新たなる発見」とか「技術向上」があればいいのだけど、そんなものよりも「慣れからくる大胆さ」が目立ってきてしまった。当初は、まだ緊張感をもって丁寧に打っていたからマシなものができていたが、最近はもう、ぐずぐず。作る量を増やすなんてのは愚の骨頂なんだけど、どうしても楽をしようとして一度にたくさん打ってしまう。
今年も、銚子の古川製粉から蕎麦粉を仕入れてきた。今年は蕎麦大不作の年だったこともあり、商品ラインナップから「特上蕎麦粉」が消えていた。変わりに、「茨城産石臼挽き」が一番最上級の商品として陳列されていた。この蕎麦粉は国産100%だが、それよりもややランクが落ちる蕎麦粉は全部外国産の混ぜ物有り。やはり、こういうところからも厳しい状況が伺い知れる。
今回は、ちょうどいい分量で蕎麦粉が買えず、茨城県産の蕎麦粉1kgと、田舎蕎麦粉を1kgの調達となった。2kgも蕎麦粉仕入れて、一体何始めようというのよ。我ながら買いすぎだと思う。でも、今年は「田舎蕎麦を打ってみたい!」という気がしてたんですよ、ええ。蕎麦粉発注する際に思いついただけだけど。
蕎麦打ちの状況をいちいち写真で解説するのはおかでん家の恥なので、今年は大幅に割愛。
一気に飛んで、生地の練りが全て終わったところ。今回は、蕎麦粉がふんだんにあることから3種類の生地を作ってみた。
左から茨城県産の二八蕎麦、田舎蕎麦、生粉打ち蕎麦。
調子に乗って、割粉ゼロの生粉打ちに挑戦してしまった。
二八の生地を伸ばす。まあまあ、角だしもできた。
生粉打ち。
ギャー。全然堅くて、広がらない。渾身の力でぐいぐい押してみたが、どうにもならない。水分が足りなかったか。
押したり引いたり、脅したりしているうちにゆっくりと生地が伸ばされてはきたものの・・・なんだか、リアス式海岸だらけになってしまった。
戦意喪失状態。
これでどうやって蕎麦という形に仕上げろと?
「蕎麦」を作ると思わないで、すいとんを作ると思うことに決めた。
柔軟な発想は重要だよキミイ。
んー。
うまく生地が切れず、こんな感じになってしまった。打ち手の戦意喪失はともかくとして、包丁の切れ味まで戦意喪失か。何が悪かったんだろう?
田舎蕎麦の切り味。
右側に行くに連れ時系列が後になるのだが、だんだんやる気がなくなってきて太くなっているのがよく分かる。落ち着け、とりあえず落ち着け。
こちらは二八。
ちゃんと切れてるっぽく見えるが、ラーメンのごとくぐちゃぐちゃーっと積み上げられているのは、「麺がちゃんと裁断されずにくっついているんじゃないか」と麺をほぐしながらチェックした余韻だ。
豚肉を使った肉南蛮を作ってみた。
ラーメン二郎みたく豪快に盛りたいが、この丼だと無理。
味は、もうね、全て蕎麦粉さまさまですよ、って感じ。麺としての味はイマイチ。出直してこい、という感じ。
我ながら感心するヒドイできだったので、皆様には酒肴とお酒をぐいぐいと勧めて酔っぱらわせる作戦に出た。
ほら、せっかくですからカラスミ食べちゃってですね、手作り大吟醸「天領蔵出し」をぐいっと飲って頂いて。
お蕎麦?いや、そんな物酒肴の一つっすよアハハ。
とりあえず作った以上は食べないと。二八の次は田舎で同じ蕎麦を頂く事にする。
できあがり。あれっ、見た目が全く変わらなかった。
味は、やや田舎の方が風味があるといった感じだが、「ずずずっ」と豪快にすすりあげられるほど麺が長くないため、あんまり味と香りは分からなかった。
こんなトホホな気持ちでおかでん家の年の瀬は更けていったのであった。
この翌日、おかでんは風邪を引いて一日寝込んでしまった。蕎麦で受けた精神的ダメージに違いない。
体調復活後、気を取り直してすいとん・・・ではないが、生粉打ち蕎麦を。
想像した以上に短い。モヤシ並の太さと長さだ。箸で食べるにも難儀だし、つゆにつけてしまったら、つゆからどうやって引き上げれば良いのやら。スプーンで食べてもいいかもしれない、と考えてしまったくらいの長さ。結果的には、フォークで突き刺しつつ食べるというのがいいのかもしれない。ショートパスタ感覚で。
あっ、そうだいいことを思いついたぞ。次はパスタマシーンを導入して、延ばしはマシン任せにしてみようかしらん。
・・・いい加減懲りろ。
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