a la 麓屋

2005年03月25日
【店舗数:186】【そば食:341】
東京都港区芝

ざる

仕事の関係で田町に来ていたのだが、ちょうどお昼時ということでピットインする場所を探していた。この界隈は、慶應大学が近くにあるということで飲食店が多い。ただ、おかでんの場合どうしても「ラーメン二郎三田本店」に足を運んでしまう事が多いため、それほどこの地のうまいもの屋さんを知らない。

お目あてだったラーメン二郎は、絶望的なまでの大行列だったため諦めてUターン。特にあてもないまま田町駅に向かって歩いていたら、商店街の曲がり角に「そば」とかかれた暖簾がかかっていることに気が付いた。

a la 麓屋

・・・あれ?こんなところにお蕎麦屋さん、あったっけ。

今まで全然気づかなかった。商店街に繰り広げられる情報量の多さに埋没していたのだろうか。角地にあるのに、今日まで発見できなかったのか、不思議だ。

でも、それもそのはず、店の名前が蕎麦屋っぽくない。「a la 麓屋」だって?「あられや」?・・・ひさしのところにひらがなが書かれていた。「あ・ら・ふもとや」と読むらしい。確かに、「麓」は「れ」とはよまないな。そのひさしには、「信州開田蕎麦」とも書かれていた。ふーん?

立ち食い蕎麦ランキング1位!?

遠巻きに店の様子を伺っていたのだが、何やら入り口に怪しい黒板が掲示されていたので近寄って見てみた。
「インターネット立ち食いそばランキング1位」
なんだ、これは。そもそも、立ち食いそばのランクなんて誰がいつつけてるんだ。路麺党の人たちか?
でも、怪しいながらも、ランキング1位ということはとてもいいことだ。少なくとも、対立候補がいて、それよりは評価が高かったということだろう。間違っても「最悪の蕎麦屋」でない事だけは確かだ。

と思うことにした。どれだけその「ランキング」にエントリーしてるのかしらないが。

ランキングはまああまり信用しないとしても、その下に「本格石臼挽きそば」と書かれていたのには気になった。結構この蕎麦屋、本当に本当なのかもしれない。

お品書き

このお店はメニューが一風変わっていた。普通の立ち食いにありがちなメニューとは微妙に一線を画している。

「冷たいお蕎麦」の欄を見てみると、

ざる(コシのある石臼挽き蕎麦) 390円
サラリ(わかめ、生姜、水菜) 470円
どん兵衛(揚げ玉、温泉卵、わかめ) 490円
天ざる(ちくわ、かき揚げ、いか) 490/520円
トロロ元気(トロロ&から汁&生卵、青のり) 520円
コテリ(自家製チャーシュー、味卵、揚げ玉、わかめ) 570円
鴨せいろ(仏産鴨肉、焼きネギ、特性つゆ、水菜) 720円

なんてラインナップになっている。ネーミングが若い感性だ。気むずかしい顔をしたご主人が営む蕎麦屋じゃ、絶対にできない名前だろう。「どん兵衛」ってアンタ、日清食品の登録商標じゃないんか。大丈夫か。

温かいお蕎麦も、同じ構成になっているのだがここにはさらに変なメニューが。

蕎麦のペペロンチーノ(ニンニク、唐辛子、オリーブオイル、大葉)

ついにイタリアーンな世界になってしまった。でも、実は結構おいしそうだ。気になる。後で調べてみたら、青山に「麓屋」という信州蕎麦+フレンチのお店があるらしい。おそらく、その青山麓屋の立ち食い蕎麦部門として立ち上げたのが、この「a la 麓屋」なのだろう。だから、創作そば料理もラインナップに入っている、ということか。

ざる

外の壁がガラスということもあって店内は明るい。せいぜい10人が並んで食べられるかどうか、というくらい狭いお店だが、明るさも相まってあまり閉塞感はない。これだったら、女性でも比較的入店しやすいだろう。どこがおしゃれというわけではないのだが、おしゃれな印象を受ける。

カウンタでざるを頼んで2分ほど待ったところで、お蕎麦が提供された。ゆでおきはしないでその都度ゆでているらしく、ちょっとだけ時間がかかる。出てきたお蕎麦は、翁系のお店で使われているかのようなざるに盛られていた。立ち食い蕎麦屋にあるまじき見栄えの良さだ。こういうざるを出す立ち食い蕎麦屋初めて見た。これだけで、なんだかおいしそうに見えてしまう。実は、このお店に入店を決意したのも、外からガラス越しにこのざるが見えたからだった。器に拘るお店が旨い蕎麦を出すとは限らないが、そういう細かいところにコダワリがある蕎麦屋というのはえてして旨い蕎麦を出すというのは経験上本当の事だ。これは期待できそうだ、インターネットランキング1位の実力、みせてもらおうじゃないですか。

ずるずる。

うは。なんか変な食感。この歯触り、この表面の感じ、一体なんだろう?今までで体験したことのない感触だ。なんか、つるつるしている。しっとりと、つるつるしている。どこかでこの感じ、知ってるんだけどなんだっけ。

しばらく、蕎麦の味もそっちのけで食感当てクイズとして自分の脳みその中にある記憶と戯れていたが、ようやく気が付いた。あっ、キシリトールガムだ!

とほほ・・・蕎麦で、似ている食感がキシリトールかよ。でも、何となく似ているのは事実だ。どうやったらこんな食感になるのだか、不思議。

肝心の風味は、「石臼挽き蕎麦!」と強調する割には物足りなかった。でも、ふと考えるとこの蕎麦って390円なのだった。コストが抑制されている中で、この味わいであれば十分だろう。ついつい、「石臼挽き」というキーワードと立ち食い蕎麦屋らしからぬざるが出てきたのでハードルを高く設定してしまったが、コストパフォーマンスを考えれば上できだと思う。

やはり次は、ペペロンチーノを食べなければ。このお店は、蕎麦の王道を狙うのもいいが、敢えて創作系料理に手を出すのも楽しそうだ。今後の新作に期待したい。

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