夢そば せっぴこ庵

2005年08月19日
【店舗数:200】【そば食:359】
広島県広島市西区己斐本町

牛とじ丼ぶり・ざるそばセット

西広島にある蕎麦屋「はっぴ」を訪れてみた。この日は、お昼に家族で近所のお好み焼き屋に行ったばかりだというのに、食後単独行動で蕎麦屋行きだ。昔は、母親から「いい加減にしなさいよ、調子に乗って食べるなんてやめなさい」と釘をさされていたものだが、さすがに最近はそういう言葉も言われなくなってきた。

おかでん母は至って良識人であり、おかでんがやっている「むちゃしてナンボ」な趣味嗜好には一切相容れない人種である。このサイトの記事なんて読んだこともなく、普段何をやらかしているのかなんて全く知らない。息子としても、こんな近況を教えるのは不憫なので、「蕎麦屋を3時間の間に3軒行脚しました」「そのついでに、昼間っからお酒4合飲んじゃいました」なんて事は報告しないようにしている。

おかでん母は、何か事あるたびに「いい加減にしなさいよ」という言葉と、「調子にのりなさんなよ」という言葉を使っておかでんを諫める。口癖、と言って良い。口癖とはいえ、この言葉は非常に的を射ていて、まさにおかでんの人生は「調子に乗って」「手加減知らず」なところがある。さすがマイマザー。ちなみに、良識人の両親にこの息子あり、なおかでんの兄貴(へべれけ紀行参照)には、この二言は全く使われない。なるほど、「口癖」は広く一般的な人に対して使われているのかと思ったが、おかでん個人限定で使われていた言葉だったのだな。

だから、この日「お好み焼きを食べたのに、その後蕎麦屋に行く」なんて息子が口走ろうものなら、母親は「んまー」と驚き、若干憤慨し、そして「いい加減に・・・」という定型句が続く事が予想された。しかし、思ったよりも反応は薄く、「あんまり食べ過ぎなさんなよ」という軽いたしなめだけでその場はうまく話がまとまった。これはちょっと意外。

考えるに、2日前は「ますゐ詣で2005夏」を開催し、前日は「あしゃぎ」で蕎麦を食べた後に広大病院のランチバイキングで山盛りの料理を食べる、という母親からすれば「前科」をやらかしている。立て続けのイベントで、母親も若干の耐性ができてきたのかもしれない。

そんな事を考えつつ、鼻腔にまだオタフクソースの香りを漂わせつつ、「はっぴ」に向かった。お店の前はバス停になっていて、部活に向かうのであろう広島学院の生徒どもに店先は占拠されていた。ええい邪魔だのけいのけい、とネズミ色の制服をかきわけて前に進むと・・・あら?中休み?いっけね、はっぴって中休みやってたんだっけ。

お店は無情にも閉店していて、お昼の部は14時で終わり、という表示が掲げられていた。イテテテ。終わりかぁ。

オカーサン、お店は閉まってました。オカーサンが「まだあまりおなかが空いていないから」とお好み焼き屋に出かける時間を遅らせたのが、こんな結果に結びついちゃったですよ。母親は偉大なり、息子の「お昼を連食」という調子に乗った行為を阻止しちゃいましたか。偶然の一致だけど。

さあ途方に暮れた。どうしたもんかな、と。まあ、さすがの僕も肉玉そばダブルでお好み焼きを食べている以上、比較的満腹だ。これ以上胃袋にモノを収めなければならない理由などない。おとなしく退却した方が正解だ。・・・とはいっても、何だか空虚なんですよね、「蕎麦食べるぞ!」と頭を切り換えた後に現実を突きつけられたので、「うわ、蕎麦食べられない。蕎麦喰いてぇ!」という気持ちが高ぶっちゃって。

広電西広島駅

んと、待てよ。そういえば、昨日市内電車に乗ったとき、「あれっ、こんなところに蕎麦屋が!」と驚いたんだっけ。

ふと思い出して、広電西広島駅に向かってみた。ここは、JR西広島駅のロータリーを挟んで向かい側にある、スーパーひろでん(今は名前が変わったはず。何だっけ)の1階部分だ。宮島方面に向かう郊外線や、広島駅、宇品(広島港)に向かう路面電車が発着する。数年前に大幅にホームを改修し、新しくなったのだが、その一角にいつの間にか蕎麦屋ができていたのだ。広電(広島電鉄=広島の路面電車外車)のホーム脇に蕎麦屋があったって、誰が食べるんだぁ?と思ったりなんかもしつつ、非常に強烈なインパクトを僕の中に残していた。よし、美味かろうはずがないけど、今日はここで「はっぴ」の分を取り返そう。

取り返す、って一体なんだろう。自分でもよくわかっていないが。

夢そば

ほら。

「夢そば」と書かれた看板が、ホーム脇の一角に貼り付けてある。

広島といえば完璧なうどん文化圏であり、「そば」を前面に出した駅併設のお店なんて見たことも聞いたこともない。なかなか思い切ったことをやるもんだ。まあ、もちろん店内では「うどんとそばのどちらか」を選択できるようになっているわけだが、それでも「そば」を名乗るというのはびっくりだ。

・・・ええと?

「とじ丼と夢そば」って書かれているぞ。ここでは、「丼」にメインの座を譲っているのね。あくまでも丼に従属する形で蕎麦が。

食品サンプル

店先にはテーブルが出され、サンプルが陳列されていた。なるほど、「とじ丼」というのは玉子とじされている丼料理の事を指しているのね。親子丼、かつ丼など。要するに、「中華丼とか麻婆丼は出さないよ」という暗黙の宣言なのだろうか。そうじゃないと、わざわざ「とじ丼」と幅を狭めるような宣言はしないと思うのだが。

ま、それはともかく、「夢そば」って一体何だね。

メニューを見ると、このお店の場合は何でも蕎麦には「夢」が付くらしい。ざるそばだと「夢ざる」になるし、「海老かき揚げ夢そば」なんてメニューもある。要するに、「THE」みたいな定冠詞に相当するものであり、あまり深い意味はないようだ。

蕎麦かと思ったら実はうどんでした。寝ぼけてましたすんません、という意味での「夢」ではなさそうだ。ちょっとだけ期待してしまった自分が悔しい。

メニュー

「夢そば」というのが店名かと思ったが、どうやらお店の名前そのものは「せっぴこ庵」というらしい。どういう意味だか、不明。きっと、寝言だろう。夢そば、だけに。うわ、いい加減な事書いてるなあ。

のトップには、「名物 もち夢そば」が記されていた。要するに、かけそばに焼き餅が入ってる「力そば」というわけだ。

名物って誰が決めたんだろう。

観光地に行くと、「元祖」「本家」「宗家」と名乗る類似したお店をよく見かけるが、それに匹敵する不思議なものが「名物」だ。開店したばかりのお店なのに、「名物」があったりする。僕ぁてっきり、名物ってモノは5年10年と時間を重ねていく従って形成されるモンだとばかり思っていたよ。

せめて、よく小売店で見かける、「今、売れてます!」というPOPの方がうそっぽさがなくていい。

蕎麦

ここはあえてその名物「もち夢そば」を注文するのもCOOLだと思ったが、真夏の盛りに温かい蕎麦を食べる気にもなれなかったので、「牛とじ丼ぶりざるそばセット(800円)」をセレクトしてみた。ご飯モノは明らかに余計なのだが、お店が「とじ丼と夢そば」のお店を称する以上は両方とも食べてやろうじゃないか、という気になってしまった。

店内は、吉野家のようにノコギリの刃状のカウンター席になっていた。立ち食い蕎麦屋ではなく、ちゃんと椅子もある。居抜きで吉野家が入居できそうな作りだ。

待つことしばし、さあ夢そばがやってきましたよと。

夢そば

一口すすってみる。

おおおおおう。こ、これは。

辛汁もいただいてみる。

うはー。

牛とじ丼ぶり

少し遅れて出てきた牛とじ丼ぶりとお吸い物。

まずはお吸い物を・・・あっ。

牛とじ丼ぶりをもぐもぐ。うん、やっぱりご飯と半熟玉子の組み合わせはおいしいやね。できたてだしね。

うん、ごちそうさまでした。

最後、締めでそば湯をいただいてみたが・・・ひゃー。