出雲そば いいづか(01)

2007年02月09日
【店舗数:224】【そば食:398】
広島県広島市西区天満町

天ぷら、割り子そば、ビール、日本酒(小)

天満町の電車通り

正直に告白すると、先日、「せいいち」で割り子そばを食べてからというものは、何だか割り子そばが気になって仕方がなかった。

いや、「正直に告白」しなくても良い、どうでもいいカミングアウトなんだが。ちょっともったいぶってみたかった。許せ。

本場出雲まで遠征して、出雲の割り子そばを食べ歩くというのは大変に魅力的な選択肢であったが、さすがにそこまでの財力と体力と時間が有り余っているお大尽様ではない。せめて、現在滞在中の広島の地で出雲ちっくな蕎麦を探すことにした。

そういえば、よく使う市内電車の車窓から、手打出雲そばという看板を掲げたお店があったっけ。ちょうど良い、これ幸いとそこに行ってみることにした。

電車通り、といえば聞こえは良いが、大通りからは外れたところを走っている一帯。その線路脇に目指すお店「いいづか」はある。

いいづか外観

一言で言うと、地味。

最近になるまで、お店の存在すら気づかなかった。もともと蕎麦屋というのは地味な存在だが、それにしても地味すぎやしませんか、という感じだ。

あと、なぜかこのお店、店の入口前に堂々と路駐しやがる車が往々にしているので、ますます店の存在がわかりにくくなっている。おい、一車線しかない道路だぞ。店頭に路駐はやめれ。

ビクター犬

目立つといえば、なぜか店頭にたくさん並ぶビクター犬。

「何で僕ここにいるんだろう?」

と、自らも大変不思議に思っているらしく、首をひねっている。

店内は、蕎麦屋というよりも居酒屋・・・というか、洋風定食屋というか。

本日は『きつね』います 680円

店内をきょろきょろ見渡すと、「本日は『きつね』います 680円」なんだそうな。

きつねさんは居る時と居ない時があるのだな。

でも、出雲蕎麦を食べに来てきつねさんを頂戴するというのもちょっと違う感じがするので、微妙に視線をずらし見なかったことにする。

絵入りのメニュー

ここは「手打出雲そば」と銘打っているお店だけど、うどんも提供しているようだ。さすがに広島の地で、蕎麦一本で勝負をかけるのは勇気がいったか。

「定食はいずれもそば又はうどんがついています」だって。

絵入りのメニューが、力作でほほえましい。ご飯が付くあたり、これもまた東京界隈ではあまり見かけない組み合わせ。

実に天丼がついていたり、色ごはんだったり。こういう定食の場合は割り子ではないのだな。

夜のめにゅう

さて、困ってしまったのはお酒及び酒肴のメニューが存在しないことだ。くまなく店内をきょろきょろしまくっていたら、「夜のめにゅう」と書かれたお品書きをようやく発見した。夜・・・夜限定ですか?

店員さんに「これ、昼でもやってるんですか?」と聞いたところ、「ええ、大抵のものはできます」だって。良かった、晴れて注文させて頂くことにする。

「天ぷらってどんなものが入ってるんですか?」

「海老とか・・・量、多いですよ?」

「量が多い!素晴らしい。では、それをぜひおねがいします。あ、あとビール」

蕎麦屋の天ぷらで、量が多いぞという犯行予告をされたのは初めて。何だかわくわくしてくる。お値段は650円、取り立てて高い値段ではない。蕎麦屋の天ぷら、中には1,000円もしやがるすごい価格帯のものも珍しくないが、ここは良心的。

七味

料理を待つ間に気づいた。卓上に置いてある七味とおぼしき容器。えらく細長い。

これにびっしりと七味が入っているのだろうか?相当に激辛にできそうだ。

鶏肉

ビールの突き出しとして、鶏肉を煮付けたやつが出てきた。これが、歯触り、味付けともに最高。これだけでもうお酒のアテは十分です、というできだった。

天ぷら

で、犯行予告通りやってきた殺人鬼・・・じゃなかった、天ぷら。

650円という値段には似つかわしくない、盛り上がり方。三次元的な盛りつけが、なんともわくわくさせられる。種類も豊富に入っているし、海老さんもいらっしゃるし、このお店でぜひ注文すべき一品といえるのかもしれない。

お酒

ただし、ビール一本で切り上げるつもりだったのに、この天ぷらの量の前にあえなくビールは消費しつくしてしまった。

「しまったぁ、予定が狂ったぁ」

と言いつつ、お酒を注文。

もろみ

すると、今度はお酒用の突き出しが出てきたからこりゃもう一本取られた状態。もろみ、ですね。

このお店は、永遠にお酒を飲み続けろと要求しているのではないか?やばい。このままだと愉快に酔っぱらってしまう。

早く割り子に逃げよう。

割り子

割り子、3枚から先自由に枚数をコントロールできるらしいのだが、デフォルトの3枚でお願いした。

で、こんな感じ。

黒っぽく、やや平たい麺が「わしわしと食べるぞぅ」という食欲を喚起させ、胃液の分泌を促進させる。見目美しい、お上品な蕎麦も結構だが、こういう蕎麦もいいねえ。

割り子そばのおいしい食べ方解説

店内にはこんな紹介もあった。割り子そばは、いわゆるぶっかけ蕎麦。まちがっても、蕎麦徳利に蕎麦をつけてすすりあげてはいけない。

そういうのを紹介してある漫画。

先ほどのメニュー紹介といい、自前で書いたんだとすると相当絵心がある店主だ。

割子そばに薬味を乗せて

というわけで、「おいしい召し上がり方」に従っておいしく頂きました。ずるずる。うん、もみじおろしの辛味も相まって、にっこりとおいしいお蕎麦でした。やっぱり3枚は物足りないな、5枚くらい注文して、「食べたーッ」とおなかをさするような、そういう豪快な食べ方がこの割り子そばには向いているのかもしれない、と思った。

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