村山荘

2008年05月17日
【店舗数:227】【そば食:401】
新潟県十日町市清津峡

ざるそば、山菜天ぷら

清津峡

新緑の季節、ということで「日本三大渓谷」の一つとうたわれている、新潟県は清津峡に行ってきた。関越道石内丸山ICから、津南方面に抜ける峠から脇にそれたところにある。

日本三大渓谷という割には、あまり知名度が高くないような気がする。それよりも、関東だったら山梨の西沢渓谷や昇仙峡、群馬の吾妻渓谷などが知られていると思うが、それはおかでんの個人的知識の範囲内の事ですかそうですか。少なくともおかでんはロードマップを暇に任せて読んでいた時に発見した。

この清津峡だが、面白いことに入場料を払う入口の先がトンネル。そのあと、1km以上もひたすらトンネルの中を歩く事になる。ところどころトンネルに横穴があいていて、そこに行くと絶壁の渓谷を眺めることができる仕組み。茨城県の袋田の滝も、滝にアプローチするためにトンネルをくぐっていかなければならないが、それと一緒。

もともとはこの清津峡、渓谷沿いに道があったらしい。しかし、崩落しただかなんだかで今は使えなくなり、そのかわりに長大なトンネルを掘るという一大プロジェクトが実施された。

独特の形状をした岩が特徴的で、とても奇麗な渓谷だ。時期もちょうど良く、新緑が目にしみる。とても快適であった。・・・が、トンネル歩きが長すぎる上、渓谷を見るのもトンネルの中からなので、「自然を満喫」した気分にはなれないのが惜しい。

村山荘

朝都心を出発して、滝を見ると時はもう昼過ぎ。お昼ご飯を食べなくちゃ。

清津峡は谷の奥まったところにある上、周囲は田舎だ。自ずと選択の余地は非常に少なく、清津峡入口にある清津峡温泉の数軒ということになる。こんな場合、どこかのお店だけがずば抜けて美味い、ということはないだろうから、山菜の言葉に惹かれて村山荘を選択。先ほど、露店で山菜が売られていたのを見かけたので、きっとこの辺は山菜が名産なのだろう。

お品書きいろいろ

もちろん、この地で「蕎麦専門店」なんて商売上あり得ないわけであり、このお店はいろいろ取り扱っていた。蕎麦・うどんが中心ではあるが、カレーだとか焼肉定食だとか。

そもそも、このお店は飲食業専門店ではない。夜は宿だ。昼間は一階が飲食店となり営業をしている。

ざるそばと山菜の天ぷらをオーダー。山菜の天ぷらは公式メニューには載っておらず、張り紙に書かれているだけだった。春の季節限定なんだろう。

ざるそばと山菜天ぷら

ざるそばと山菜天ぷら。

注文は別個だったが、天ぷら定食と同じ扱いとなり、きんぴらごぼうの小鉢がついてきた。

蕎麦の拡大

蕎麦の拡大。

もちろん専門店ではないので、手打ちではない。機械打ちのものを業者から仕入れている、ごく普通の蕎麦だ。

味については当然、至って普通。量はそこそこあるので、これで単品650円なら文句ございません、と思った。何せここは山奥とはいえ、観光地だ。しかも、店舗数は限られており、寡占状態といえる。観光地物価で値段がつり上がっていてもおかしくはないのだが、それがないので素敵。

山菜天ぷら

蕎麦よりもこっちが楽しみだったという山菜天ぷら。

非常に量が多い。山菜山盛り。本来の天ざる定食だったら、海老や各種野菜が付くのだが、その値段に相当する分だけ山菜の量を増やしちゃえということだろうか。一人で食べるにはちょっと多い。二人でシェアしてちょうど良いくらいだ。でも山菜は季節限定。腹いっぱい食べられることはとてもありがたいことだ。喜んでこの量を頂戴しようではないか。

・・・えーと、で、この山菜、なんでしたっけ。

名前をお店の人に聞いたのだが、忘れてしまった。もともと木や草花の名前を全く覚えられない性分だが、季節限定かつ都会ではほとんどお目見えしない山菜となるとますます覚えられない。情けないことに、いまだにわらびとぜんまいとこごみの区別がつかぬ。スーパーで売られている山菜って、既に切って水煮したパックものだもんなあ。原型を留めた状態でそのご尊顔を拝する機会って、なかなかない。

何はともあれ、一口。うん、おいしい。とてもおいしい。揚げ方が上手なので、ぱりぱり感がありつつ風味が損なわれていない。山菜独特の苦みと渋みがたまらない大人の味。子供なら絶対に嫌がる味だろうな。この苦みにあうのはビールでも清酒でもないな、蕎麦だ。蕎麦を手繰りつつ、山菜天ぷらをいただく。ご飯食べつつおかずを食べる、というのと同じ感覚。絶妙なコラボレーションだ(マリアージュ、とか格好つけた言葉は敢えて使わないぞ)。これが蕎麦ではなくてうどんだったらきっとあまり合わなかったと思う。

山菜でおなかいっぱい。「やあ、新緑の季節に来て良かったねえ」といいながら、清津峡を後にしたのだった。

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