草笛 遊子亭

2009年03月28日
【店舗数:232】【そば食:412】
長野県小諸市古城

くるみそば

草笛 遊子亭

高峰温泉に一泊することになり、小諸に向かった。

高峰温泉はチェックイン時間が13時と大変に早く、ゆっくりしたい向きには大層ありがたい。

広告

ただ、標高2,000mの山の上にある高峰温泉。しかも、途中からは雪上車による送り迎えだ。なるだけ早くチェックインしようと思えば、山の麓の小諸をそれなりに早く発たないといけない。のんびりとランチ営業やっているお店の開店を待っていられないのだった。

どうせのんびりするんだったら、山上の別世界でのんびりした方が良いにきまっている。

そうなると、小諸でお昼ご飯を食べるとなると選択肢がある程度絞られてくるのだった。本当は、「一膳めし」を食べさせてくれるお店に行こうと思っていたのだが、開店が11:30だったのでアウト。そこでクローズアップされたのが、蕎麦店「草笛」だった。

草笛は朝から営業しているのが素晴らしい。懐古園、という小諸を代表する観光スポットの脇に位置しているので、完全に観光客を意識した営業時間となっている。本店は朝9時から営業していて、一体手打ち蕎麦を何時から打っているのか感心させられる。その代わり、夕方5時には閉店なのでなんとも早い。夕食目当てのお客さんは全く相手にしていない、ということだ。立地条件としても、観光客にほぼ限定した営業時間にせざるを得ないのだろう。

そんな草笛には、8年前、2001年に訪問したことがある。その時以来の訪問だ。とはいえ、同じ店に行くのはちょっと面白くないので、すぐ近くにある支店に行くことにした。

前回訪問したのは「本店」だったが、この草笛は長野県内に6店舗を持つ。そのうち3店が、徒歩1分程度の距離に密集しており、懐古園を訪れる観光客の食欲をわしづかみにして離さないのだった。

よくもこんな一等地に次々と出店できたな、と感心する。もともとは地元の大地主だったのだろうか。

今回は、「草笛遊子亭」というお店に行ってみることにした。

「草笛懐古園三兄弟」は、それぞれ懐古園用の市営駐車場に面している。だから、何の気無しに市営駐車場に車を駐車してみたら・・・ありゃ、500円の駐車料金がかかるのか。作戦大失敗。便利は良いのだが、蕎麦だけ食べに訪れた身からすると結構痛い出費だ。

オフィシャルサイトを見ると、本店の前にお店の駐車場があるようだ。今回はそこを使えば良かった。

草笛店内

11時15分に入店したら、店内にはお客が一人もいなかった。3月下旬とはいえ、まだ冬の名残が強い小諸。懐古園に桜が咲くのは4月中旬だし、まだ観光客が押し寄せるには時期的に早かったようだ。

なお、この「遊子亭」は、営業時間が10時~16時と本店より短い。

本店でさばききれないピーク時のお客さんをこちらで引き受けるという意味合いがあるようだ。

お品書き

お品書きが壁に貼ってあるので、それを物色する。

「あたたかいそば」としては、

天ぷらそば、山菜そば、山かけそば、きのこそば、かけそば。

「つめたいそば」としては、

ざるそば、中盛りざるそば、山菜ざる、トロロそば、クルミそば、やさい天ざる、藤村そば、そば定食。

メニュー数は過不足なく、といったところだ。

季節柄、ああふきのとうとかたらの芽といった春の山菜を食べたいねぇと思ったが、まだ小諸では時期尚早だろう。山菜系に手を出すのはやめておいた。

藤村そばとは、天ぷら、トロロ、クルミ、山菜が入ったぶっかけそばのことのようだ。草笛オールスター勢そろい、いわゆる「全のせ」。お値段1,100円。

面白いのが、みそおでんやところてんがあること。讃岐だと、うどん店におでんが置いてある光景を見かけるが、蕎麦店でおでんが置いてあるのはなかなか無いと思う。

野沢菜

注文と入れ替わりに、野沢菜が机に届けられた。

このあたり、「ああ長野の蕎麦店に来たな」と実感する光景だ。なんだかわくわくしてくる。長野って何でこんなに気前が良いのだろう。お茶請けに野沢菜。

ちなみに野沢菜はメニューの中にも500円で取り扱われている。「もっと食べたい」人用ということか。でも漬物をもっと食べるシチュエーションってのがよくわからない。酒肴、ということだな、きっと。

8年前のおかでんだったら、「じゃあとりあえずお酒を」なんて頼んでいたはずだが、今となってはすっかり大人しくなってしまった。車を運転しているから、という事情もあるが、車を運転していなくても恐らくアルコールの注文はしないだろう。うわ、お前つまらん。帰れ帰れ。

ちなみにこのお店、酒のメニューに「ワンカップ」だとか「缶ビール」が見受けられる。非常にざっくばらんな感じだ。観光地であるここで、お昼からお酒を頼む人っていったらいい歳したオッチャンだけなのかもしれない。あまりにも飾り気なさ過ぎて、渋すぎる。

でも、その「オッチャン」でさえ昼酒を飲るというのに、おかでんときたら何やってるのもう。

野沢菜って、新しくてシャキシャキしたやつもいいけど、熟成させた古漬けもいいよね、なんて言いつつ話を華麗にスルー。

くるみそば

おかでんが頼んだのは「クルミそば」、880円。お品書きの値段部分が書き換えられた形跡があるので、最近値上げしたのだろう。まさか値下がり、ということはあるまい。

クルミそば自体はあまり興味がないのだが、やはり上田・小諸あたりで蕎麦を食べるとなると外せないだろう。久々に食べてみようと思った。

・・・と思って、過去のこのコーナーの記録を調べてみたが、おかでん自身がくるみそばを頼んで食べた事はないことが判明。ありゃ、初遭遇でしたか。それは失礼しました。あまりにも油断して食べちまったい。

そばつゆと、薬味と、くるみ。知らないでこのくるみを見ると、チョコアイスか?と思ってしまう外観だ。ええと、そばつゆは徳利から注げ、というスタイルではないので、このつゆ量とこのくるみ量でベストバランスだとお店は判断したというわけだな。結構くるみ比率が高い。

蕎麦が桶に入ってくる

そして届けられました、蕎麦本体。これらがドッキングしてクルミそばの完成となる。

桶に入って出てくるボリューム感が、東信地区の蕎麦の醍醐味(だいごみ)。「蕎麦ではおなかいっぱいにならない、なんて言わせねぇぞ」という気迫が感じられて大層よろしいです。このコーナーでは、上田の「刀屋」だけがすごいかのように書いているが、実際はどの店も最低「大盛り」クラスの量がある。でも、これで並盛り。

お品書きには「中盛り」が存在し、ざるそば630円に対して800円。中盛りだと、桶すりきりいっぱい分くらいの量になる。そして、このお店では「大盛り」が存在しないが、長野市街にあるお店だと大盛りがあり、頼むと桶に山盛りになって出てくるらしい。すごい。

でも、多分味に飽きるんだよな・・・。それ食って本当に幸せかどうか、よーく考えた方がいい。蕎麦はすぐに飽きるぞ。シンプルだし繊細な味だから、あっという間に味覚が麻痺する。その大盛りに対するガッツと資金は、くるみもちなど別のサイドメニューに投資したほうが良いと思う。

そういえばこのお店、つめたいそばのベーシックメニューである「ざるそば」は刻み海苔が乗っていたはずだ。しかし、クルミそばには乗っていないのだな。クルミと合わないと判断したのだろう。

まずは、クルミだけを頂いてみる。ざらざらした食感の中に、ほのかな甘み。素朴な味がしておいしい。「素朴な味」という表現は登場頻度が高い言葉な割には何を言っているのかさっぱり分からないという、グルメ界の中でも有数な言葉の一つだ。でも、ついついそういう形容しちゃった。

おまけとして、意味不明な表現としては、「どこか懐かしい味がする」というのも要チェック。しかも、平成生まれの芸能人なんかが使っているので、おいお前の食のルーツは何だ、と問いただしたくなる。

さっそくクルミをつゆに溶いてみる。なかなか溶けず、相当ぐるぐるとかき混ぜてしまった。玉子だったら泡だってしまったくらいだ。納豆だったら、糸を引きすぎて手が疲れるくらいだ。

途中で、どうやらこれは「ごまだれ」のように完全に混ざるものではなさそうだ、という真理に気付き、適当なところでやめにした。無理に溶かす必要はないだろう。

蕎麦を手繰ってみる。

うん、美味い。順当に美味いですな、という感じ。このレベルの蕎麦が、どっと押し寄せるであろう団体旅行客にも振る舞われているのだから、とても良いことです。それにしても、どこまでを人力でやって、どこまでを機械でやっているのだろうか?100%人力とは思えない、お店のキャパシティなのだが・・・。また、来客数は季節変動と曜日変動がとても大きいはずであり、職人さんを大量に抱え込むわけにはいくまい。厨房の舞台裏がちょっと気になった。

かけそば

こちら、連れが注文していたかけそば。

シンプルに、葱だけ。でも、ボリュームはさすが草笛。みっちりと蕎麦が詰まっている。汁をすって麺が膨らんでこうなったわけじゃないですよ奥さん、最初からこれだけ蕎麦が入っているってことです。

かけそばを試食させてもらったが、おいしいですな。特に冬なので、暖を取るということもご馳走の一つの要素になる。この日のおかでん感覚でいえば、冷たいそばよりも温かいそばを食べた方がおいしく感じたと思う。冷たいそば一辺倒であるおかでんがそう言うくらいだから、このかけそばはよろしゅうございました、ということです。

そういえば、温かいそばでクルミかけそばって無いな・・・ともう一度メニューを見直した。このかけそばにクルミをどぼんと入れてみたらどうなったんだろう。気になる。ただ、時既に遅し、全てのクルミは辛汁の中に投入済み。実験する機会は無かった。
食後、蕎麦湯を頂いたが、あんまりクルミ入り辛汁には合わないかも、と思った。ただ、店員さんが「まだお客さんあんまり来ていないから、蕎麦湯が薄くてごめんなさいね」と言っていたので、そのせいもあるかもしれない。

ソーシャルリンク

広告