手打ちそば はっぴ(07)

2009年11月13日
【店舗数:—】【そば食:437】
広島県広島市西区己斐本町

焼きみそ、ざる、賀茂泉山吹色の酒

はっぴ

広島でアンタ何やってるの、と言われそうだが、いろいろ暗躍しております。というわけで、出雲に突然現れたと思ったら、その後しばらくして今度は広島でうろちょろ。詳しくは聞いてくれるな、じきに消えるから。

というわけで、はっぴに行ってみた。

盆暮れの帰省時には、やれ墓参だ、初詣だ、と逆に広島から遠ざかってしまうので、こういうイレギュラー広島滞在時こそ、「行きたいところ」に行っておかないと。通常の帰省だと、「お好み焼き食べて、ますゐ行って、おしまい」が精いっぱい。最近じゃ、ますゐすら行けてないありさまなので、ましてやはっぴなどの広島蕎麦など食べるチャンスなどないのだった。

ひさびさにはっぴの前に立つ。交通の要衝である「己斐」バス停の前でありながら、相変わらず店の存在をうっかり見過ごしそうな、外観。店もそれを気にしてか、今までは無かった「鴨南そば」というオレンジ色ののぼりを掲げていた。これで随分と目立つようになったが、「こだわり系」の蕎麦店でのぼりを掲げているお店って案外少ないので、何か奇妙ではある。

賀茂泉山吹色の酒

つい先日、「そば吉庚午店」で蕎麦を食べたばかりなので、「ランチメニューがない蕎麦店」というのが逆に新鮮に見える。おお、新鮮といえば、カウンター席でおっちゃんが昼酒をやっているぞ。そば吉じゃ、昼酒をやるおかでんにおびえる店員、という構図だったが、ここでは何でもありらしい。禁酒法時代のアメリカ人が見たら卒倒しそうな光景だ。では私も。

ええと、過去6回来ているけど、何を飲んだっけな。覚えていないので、「賀茂泉山吹色の酒」を頼んでみた。550円。頼んだあと、そういやこれ、以前飲んだぞと思い出した。「えーと」と選択に困るくらい、酒の品そろえが豊富なのがこのお店の特徴。

この賀茂泉、その名前の通り山吹色?になっているわけだが、3年程度熟成させた「古酒」。結構パンチの効いた味なので、昼にいきなりこれを飲ると口と胃と脳がびっくりしてしまう。なんて背徳的なひとときなんだ。

このお店、お酒も良いが酒器も良い。ガラスが涼しげだが、徳利のガラスが非常に薄くて繊細で、なんだか愛おしくなってしまうのだった。グラスの方は若干厚手なので、いっそのこと徳利ごとラッパ飲みしたくなる。ただ、それは人としてどうかと思うので、やらないが。

焼きみそ

焼きみそを注文。330円と廉価なのがうれしい。

みそを箸でこそげ落としつつ、舐めつつ、濃厚な清酒を飲むというのは、まあなんともオッサン臭い食べ物というか、血圧あがりそうな食べ物であるよ。

ざる

さすがに本格的に飲る気力がなかったので、お酒は一杯で切り上げてそばを。

ざる、740円。1枚半にすると1,000円だけど、ここは大人しく1枚。

なお、「おかわり」という制度もあって、それを頼めば+530円。

微妙な価格設定が、原価を考慮した末に適正価格を決めました感があって好感。とはいえ、原価なんて言い出したら、蕎麦の収穫量や手配先によって値段が乱高下するので、「時価」になってしまう。時価の蕎麦なんて、怖くて食えない。飲食店の人がえいやっと価格を決めるその決断力、なにげに凄いと思う。高いと、客足が遠ざかるし、安いと、当然儲からない。

そばは腰が強い、エッジが立ったもの。若干固めのため、喉越しは良いが蕎麦の香りが立ちにくく勿体ない気がするが、昔からこんな感じだったっけ?

もう少しゆるめに蕎麦を打った方が、すすって良し、噛んで良しになるのではないか、と思ったが、それはあくまでも「おかでん2009」の判断。初訪問の頃と比べて、味の受け取り方が違うので、店が変わったのか、自分が変わったのかまではわからない。

つゆは醤油の味が強い。醤油と、鰹のきりりとした感じ。えぐみはなく良いが、昔からこんな味だったかな。案外覚えていないものだ。

ただ一つ、確実に以前と違うものに気がついた。「ざる」が変更になっている、ということだ。以前は、凹型のざるだったのだが、今回のものは並木藪のような「凸型」になっていた。ざるって洗っているうちに痛んだり毛羽だったりして、交換頻度が高いのだろうか。

凸型になったことで、なんだか蕎麦の量がケチられているように見えてしまうのが、古参兵としては惜しい。量を見る限り、昔と比べて減ったという感じには見えないのだが、印象が悪い器だ。ご主人だってそうとられかねないことくらい分かっているはずなのに、なぜこのタイプの器を採用したのだろう。きっと、従来の凹型では不満があったということなんだろう。何があったのか、興味深い。でも案外、「奥さんがお盆を運ぶ際、ざるがコロコロ揺れてお盆から転がり落ちた」なんていう話がきっかけかもしれん。