手打ちそば 天徳

2011年05月14日
【店舗数:271】【そば食:472】
埼玉県三郷市栄

ふんわり玉子小鍋、せいろそば

天徳

夕食として埼玉県三郷界隈の蕎麦店を2軒ハシゴしてみることにした。

一軒目は八潮市にある「大椙(おおすぎ)」というお店だったが、なぜかお店は営業しておらず。店をたたんだのか、それとも臨時休業なのか、まさか「節電のため真っ暗で営業しております」なのか。

広告

諦めて二軒目に行く。二軒目は「天徳」という。

東京外環自動車道の真下を走り、信号が非常に少ない国道298号線沿いなので車での来店は楽ちん。でも、お店の周囲のあまりの人気のなさにびびった。田んぼが広がっており、カエルがげこげこ鳴いているぞ。そんな場所。

蕎麦屋はもともと隠遁生活でもしとるんか、というへんぴなところに親和性が高いが、まさかこんなところでもそんな蕎麦屋があるとは。なにも「山奥にある蕎麦屋」がマニアックなのではない。「首都圏で、周囲は田んぼの蕎麦屋」も十分マニアックだ。

天徳

殆ど予備知識なく訪れたのだが、看板を見ると「石臼挽き十割蕎麦」を扱っているお店なんだな。知らなかった。というか三郷までやって来ているんだから、事前にそれくらい調べておけよな。

石臼挽きのお店は、大抵店に入ってすぐのところか、店内の目立つところに石臼様が鎮座しているものだ。どうだうちは石臼使ってますよ、というPR。しかしこのお店の場合、見えるところには石臼が無かった。湿気が多い厨房近くには石臼を置くことはないだろうから、ひょっとしたら「石臼挽きされた粉を業者から仕入れている」のかもしれない。

さらに言うと、蕎麦打ちをする場所も店先の目立つところには無かった。まあ、このへんぴなところじゃ、ガラス張りで店の外に見せつけるように蕎麦を打っても、見てくれる人はいないので、あまり意味はないのだが。

ひょっとしたら、蕎麦粉同様「手打ち蕎麦」を業者から納入してもらっているとかなんとか。

妄想その辺でやめとけ。すいません、全部おかでんの勝手なおふざけです。実際にはお店の奥に打ち場も石臼もあります。

店内

個室っぽい場所もある

店内の様子。

土間の席と、小あがりのところに掘りごたつ式の席。ちょっと土間の席は殺風景な感じはする。

あと、厨房脇に四人用の個室のようなところがあった。

店内はおかでんの他あと一組だけだったが、おかでんは店のおかみさんに「こちらにどうぞ」と個室のような部屋に通された。なんかこれから尋問されるんだろうか、と若干不安になる。ボディチェックされて、ポケットから未精算の本とかガムとか出てきたらどうしよう。泣いて頼んでも警察沙汰だな、昨今の情勢だと。

なおこのお店、お昼時はこの店内が満席になるほど繁盛しているらしい。今のこの空きっぷりを見ると信じられない。というより、この立地条件の悪さで満席だなんて、このお店は一体どんな魔力を持っているというのか。

ふんわり玉子小鍋

お品書きは「なんでもやってます」系の小器用なものだと思っていた。ご飯ものから定食からつまみまで。おっとそばうどんもやってます、みたいな。
でも、あれっ、と思うくらい潔く品数を絞っているお店だった。もちろん、「せいろそば」「かけそば」以上二品のみです、みたいな素っ気なさではないけど。

ご飯ものは天丼と、天丼とせいろのセットのみ。つまみ類も6種類。そういえばここは車じゃなくちゃアプローチは事実上無理なお店だっけ。酒とつまみを充実させても、ドライバーは当然アルコールがNG。頼む人があまりいないのかもしれない。

おかでんはせいろを当然頼むつもりだが、それだけだと何かちょっと寂しい。もう一品くらい、簡単なものがあれば頼んでみたい。・・・天ぷら盛り合わせ2,100円?いや、高すぎる。一番安いつまみは「ごぼうの天ぷら」で680円。これも割高感がある。

さて、どうしたものかと思っていたら、これだけ写真付きで紹介されている一品発見。「ふんわり玉子小鍋」、だって。他の料理は写真なしで文字だけで紹介されているので、これが「当店お勧め」なのか、期間限定メニューなのか、何か意味があるようだ。お値段が480円と大変に手頃なので、これを頼んでみることにする。

写真を見ると、なんだかカリフラワーを土鍋に押し込みました、といった感じだけどこれは一体なんだ。メレンゲみたいなものか。

ふんわり玉子小鍋

ふんわり玉子小鍋アップ

しばらくしてその「ふんわり玉子小鍋」がやってきた。

一人用の土鍋をカパと開けると、中にはみっちりと黄色いものが。パンケーキのようなものにも見えるし、茶わん蒸しのようにも見える。

れんげで救ってみたら、あらら、非常にさっくりとすくえる。外見通りにふわふわした中身。

食べてみたら、なるほどメレンゲ茶わん蒸し、とでも言える味。しかし、ホイップした玉子とだし汁をあわせて、それを加熱したものだ。味は茶わん蒸しなのだが、ふんわり感があるので似て非なる風情に仕上がっているのが面白い。食感が茶わん蒸しではない。これは面白いし、おいしい。しかもできたてでアツアツなのがいい。ふーふーいいながら食べることになるのだが、これはぜひアツいうちに食べておきたいものだ。

食材原価を考えると480円というのは妥当だとは思うが、満足感という点ではこれは600円くらいの価値があると思った。

なお、この料理はシンプルにメレンゲ茶わん蒸し。その他の具は一切入っていない。それでこの満足感なのだから素敵。

せいろ

せいろアップ

せいろ750円。

量はやや少ない。物足りない方は「汁なしおかわり500円」を頼むことになる。もしくは先ほどのふんわり玉子小鍋で小腹を満たすか。

堅めの麺で、素っ気ない感じの蕎麦。冬に食べると寒々しく感じるかもしれない。こういう堅い蕎麦は、酒を飲んで頭の周りの輪郭がぼんやりと感じられてきたときに食べると美味いんだよなあ。でも、この立地で酒を飲むなんてのは到底無理なので、ちょっと店の場所と蕎麦とがマッチしていない感じ。いや、これは酒飲みおかでんの個人的見解だけどね。

つゆは甘ったるくなく、すっきりとした辛口。蕎麦とよく合うと思う。面白いのは薬味で、わさびが付いていない。大根おろしと葱。その葱だが、細い長ネギを刻んでいるようだが、青い部分も使っているのが独特。普通、関東界隈の蕎麦屋では青い部分は使わないと思うが。

そば湯

蕎麦湯は蕎麦粉を溶いてわざわざ作ったもので、とろとろ。つゆと混ぜて頂く際、なかなかつゆと蕎麦湯とがまざらないくらい濃厚だった。おいしかった。

玉子料理でふんわり、蕎麦でしゃっきり、蕎麦湯でとろとろ。メリハリが利いたお食事だったと思う。

広告

ソーシャルリンク