2011年05月29日
【店舗数:279】【そば食:480】
茨城県守谷市板戸井
せいろそば

鬼怒川竹やぶ、という店名を聞くと、日光の方にあるお店だと思うに違いない。しかし、実際には茨城県守谷市にあり、栃木県ですらない。これでさらに竹林など全くなく、杉林の中にお店があったりしたらもう何が何だかわからない。
竹やぶとは、柏にある有名店で、何店舗か支店がある。その支店は「竹やぶ○○店」という名前になっていることから、ここ、「鬼怒川竹やぶ」は支店扱いではないらしい。のれん分けを許された別店舗ということだろう。
おかでんが「竹やぶ」と聞いて想像するのは、「量が少ない店」。実際に食べたことはないのだが、散々今まで「量が少ない」と聞かされてきたので、そういうものなんだろう。さてこのお店の場合はどうなんだろう。早速のれんをくぐってみよう。
・・・といかないんだな、これが。事前に場所は調べてあったので迷うことはなかったが、いざお店に通じる路地へと入る段階になって結構たじろいだ。道がやたら狭いのだ。お店を示す目印は電柱に巻き付けてある看板だけ。それがあっても、「本当にこの道であってるの?」と心配になる、そんな道。右へ左へと細かくうねり、なおかつ車の両脇に迫る民家。なんでこんなところに店を作ったんだ?
ものすごく不安になりつつ、店を見落とさないように徐行しながら走っていると、道のどん詰まりにお店を発見した。のれんがかかっているからわかったが、のれんが無いと気づかなないであろう、そんなお店。
これまでも「すごいシチュエーションのお店」というのはいくつも訪れているが、ここも相当レベルが高い。もっとも、「色気があまりにもなさすぎる」という意味で、だが。
色気の話ついでにぶちまけると、このお店は駐車場らしきものがない。お店の前に一応あることはあるのだが、実質2台か3台停めたらもういっぱい。停め方が雑だと2台がいいところだ。結果的に、車は川沿いに路駐、というか川駐しなければならなくなる。これはどうかと思った。ひょっとして「川駐」スペースもこのお店の駐車場なのだろうか。この時は雨が降っていて完全に地面がぬかるんでおり、よくわからなかった。

客席は4人掛けのテーブルが4つ。つまり一度に4組しかお客さんが入れない。こじんまりしているが、ゆったりしている。4組しか入店できないとなると、週末は入店待ちの行列ができるんじゃあるまいか・・・と心配になるが、立地条件故か、そういうことはないようだ。ほら、実際週末のお昼におかでんは来店しているけど、客ゼロだし。
ちなみにこの後すぐに中年の男女が来店していた。お酒とビールを頼み、さらに葉わさび、そばがき、生ゆば、天ぷらを一度に注文。豪快な頼みっぷりだ。うらやましい。でも二人そろってお酒飲んでるけど、帰りはどうするんだい。貴方たち車でしょ?・・・きっと、酔いがさめるまで相当このお店でくつろいでいったに違いない。きっとそうだ。
このお店、客席は全席リバービュー。ちょっと植込みが邪魔したりしているけど、川の緩やかな流れを肴に楽しむことができる。これが鬼怒川、なんだろう。では「竹やぶ」は?・・・ああ、そういえば玄関に竹が数本生えていたな。

お品書き。シンプルでわかりやすい。
お酒の欄を見ると、「冷酒四合」なんて項目がある。四合瓶なんて一体誰が空けるというのだろう。四合のお酒は三種類用意されていることから、そこそこ人気商品なのかもしれない。そういえばこのお店、車でないと訪れづらい場所の割には焼き味噌とか焼き海苔とか、酒肴もそれなりにそろえているな。案外酒を飲む店として定着しているのかもしれない。もちろんドライバーは酒抜きで。
ちなみに一番高いお酒は「鄙願(ひがん)」で7,000円。ひゃー。
お品書きを眺めていると、「汁なしそば 630円」というのが気になった。最近「汁なし担担麺」なんてのがよくあるので、蕎麦でも何やら「汁なし」があるのかもしれない。なんだろう。
お店の人に「汁なしそばってなんですか?」と聞いてみた。すると、「おかわりの蕎麦のことです」と言われて納得するやらちょっと残念に感じるやら。なるほど、そばつゆはまだ余っているので蕎麦だけほしい、という人がこの「汁なしそば」を選ぶわけか。

せいろ750円。
薬味が青ねぎを使っているのがパッと見てすぐ気付く特徴。そして量が結構ある。わさびは別に盛られているのがちょっと面白い。
蕎麦の量は・・・うん、少ないですね。実際食べてみて思ったけど、この1.5倍は少なくともほしい、と思った。バーコード禿よろしく、蕎麦を箸で手繰るとすぐに下のすのこが透けて見えるのは残念。あ、そうか、そういう人のために「汁なしそば」を追加でどうぞー、というわけか。ううむ、まあ、いいや。おかわりするほどではない。

蕎麦は口にした瞬間に香りがぱーんと立つ素晴らしいもの。
何が素晴らしいって、つゆにつけて蕎麦を手繰っても香りが消えてしまわないこと。普通、つゆの香りで蕎麦が圧倒されてしまいがちだが、ここのは蕎麦が勝った。いいねえ。
つゆは醤油が立った味ですっきりしている。だから蕎麦の香りを邪魔しないのかもしれない。
十割蕎麦だということだが、そのせいか若干ぼそぼそした食感。

蕎麦湯はとろとろの濃厚なものだった。大きな湯桶に入って出てきたので、単なるゆで湯が出てくるのだと思っていたが、いざ猪口に注いでみてびっくり。おおう、これは蕎麦粉をわざわざ溶いて作ったものだな。
蕎麦湯をたっぷり頂いて、満足してお店を後にした。
機会があれば、限定20食という「田舎そば」も食べてみたいものだ。
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