2011年12月31日
【店舗数:---】【そば食:501】
岡山県某所
かけそば
おかでんにとっては年に一度の大勝負、歳末の蕎麦打ちが今年もやってきた。
大勝負だからといって、特に気負いはない。というか、全く進化がないので、気負うどころじゃないのだった。年末になると「ああ、蕎麦粉発注しとかないとねえ」と重い腰を上げて、面倒臭そうに古川製粉のサイトで蕎麦粉を選ぶのだった。
昨年の教訓としては「田舎蕎麦粉で打つ」「本かえしつゆを使う」の二つがあったのだが、今年はそのどっちも守っちゃいない。すっかり忘れていた。だから、一昨年まで使ってきた「特上蕎麦粉」を今年もまた採用してしまったし、本かえしに到っては発注すらしていない。
こうやって過去を顧みることをしないからこそ、全く腕が上達しないのだった。ごくごく当たり前の話だ。
いずれ、蕎麦を打つことが面倒になってしまい、「年越し蕎麦はそばがきオンリー!」って宣言し始めるかもしれん。いや、でもそばがきを作るのも結構体力使うぞ-。じゃあいいや、いっそのこと蕎麦を蕎麦屋から仕入れてくれば・・・
待て待て待て、せっかく「おかでん家の年中行事」に組み込まれた蕎麦打ちを「面倒臭い」という理由だけで放棄するのは良くない。腰や手を傷めない限りは続けなさいよ、もう。
蕎麦打ちだけじゃない。つゆについても全部お任せされているので、母親はタッチしてくれない。昨年は「本かえし」があったのですぱっと味が決まったが、今年は一から味をこしらえないといけないので大変。
西日本らしくうすくち醤油を使ってみたが、ついついこいくち醤油の色の濃さを基準にしてしまったため、醤油投入しすぎに。えっらく塩辛いつゆができあがってしまった。いかんいかんと水で薄め、砂糖とみりんとで中和しようとしたけど、なかなかうまくいかない。助けを求めた母親が、
「塩辛いのだけは一度なってしまったらどうしようもない」
と絶望的なコメントをする。まじすか。いっそのこと味の素を投入して塩気をごまかそうかと思ったが、何せつゆは既に鍋いっぱいになっている。少々の味の素じゃ効果が出なさそうだ。
その後何度か調整し、なんとなくそれっぽいものはできた。
600グラムくらいの蕎麦玉を二つこしらえた。
この「くらい」というアバウトさが相変わらずだ。ちゃんと計量して作ったのは一番最初の時、すなわち2000年の頃だけじゃあるまいか。ということで、年々着実に腕が落ちていくのであった。
そんないい加減な蕎麦なため、一つ目は水が足りなく、途中で何度も水を足したのでゆるい蕎麦玉になってしまった。いわゆる「ずる玉」だ。二つ目は今度は多めの水で水廻しを初めて見たら、べたべたになってしまったので粉を途中で足した。これは「切らず玉」。蕎麦を切るまでもない駄目蕎麦、という意味だ。なんと、二玉打って二つとも蕎麦打ちで代表的な駄目蕎麦パターンを踏襲してしまった。
こうなってくると何のために蕎麦打ってるのか訳がわからなくなってくる。失敗作の蕎麦を家族に振る舞って、日頃の恨みを晴らさんとしているかのようだ。でも本人は至って真面目においしい蕎麦を打とうとしているんだけどねぇ。
本当は600グラムみたいな玉ではなく、もと小さな玉で確実に打つのが良いのは自分自身分かっている。でも、仕入れた蕎麦粉は500グラムの袋が2袋。蕎麦粉単体で合計1キロのものを打たないと、粉を余らせてしまう。それはそれでもったいないので(なにせ次回使うとなると1年先の話になるから)、ついつい500グラム+割粉100グラム~150グラム程度で一つの蕎麦玉を作ってしまうのだった。
二玉こしらえたところで、おやつを食べる。たるんどるな、自分。
蕎麦をのばして、畳んで、切る。
ずる玉にした方はぐいぐいと生地が伸びるのだが、机にひっついてしまい、引っ張ると破れてしまった。ああ。水分多すぎだ、打ち粉を机に蒔いているけど、ひっつき防止効果はあまりなかった。
この日の夕食。
かに、天ぷら、なます。
これを肴にお酒を飲んでもらい、最後に年越し蕎麦を振る舞うという算段。
今年はかけそばにした。
しかし、肝心の蕎麦の写真が撮影されていない。写真撮ってばかりいるおかでんにしては非常に珍しいことだ。それくらい、今年の蕎麦打ちは失敗作だったわけであり、みんなに振る舞った時には脱力してしまったのだろう。もし自信作で蕎麦に愛着があれば、写真撮影なんて絶対に忘れなかったはずだ。
家族は「うん、おいしいよ」と言ってくれたが、それは蕎麦を打っている段階で「今年の蕎麦は失敗作だ!ごめんなさい!」と何度も宣言し、蕎麦に対するハードルを低くしたおかげと言える。実際においしかったかどうかは非常に疑わしい。
ちょっとグダグダすぎたな、今年は。おふざけもこの当たりで止めにしておかないと。
来年に向けての目標としては、
- 次回こそ田舎そばで打つ。
- 本かえしを購入し、それでつゆを作る。
- 蕎麦打ち教室に何度かかよって勉強する。
の3つを掲げておこう。特に三番目の蕎麦打ち教室はぜひ受講しておきたい。ここ数年あまりに作り方がおざなり過ぎるから、基本をもう一度習っておきたいところだ。
と、次回目標を掲げておきながら、年末になるところっと忘れるのがおかでん。さて、2012年の年越し蕎麦はどうなることやら。
おかでんの姪っ子が3歳になっているので、蕎麦を一人前に食べる事になるだろう。その際、「おじさんの作った蕎麦、おいしくない!」と子供ならではの率直なコメントが発せられたら立ち直れんかもしれん。そうならないように、あらかじめ手を打っておかないと。
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