江戸前手打蕎麦 蕎香(37)

2012年10月13日
【店舗数:—】【そば食:521】
東京都板橋区前野町

季節野菜天ぷら、若鳥梅しそ揚げ、もりそばと青紫蘇切り、サッポロ黒ラベル、菊正宗

午前中、赤羽で用事があったので、お昼ご飯をどうしようかと思案。そうだ、ここからバスに乗って「蕎香」に行くのはどうだろうか、と思いついた。おかでんの蕎麦の故郷、蕎香。ちょっと最近、頻度高い訪問になっているが、今日もまたお世話になることにする。

以前のこのお店は、9月も下旬になれば「新そば」の張り紙がしてあったものだ。で、この季節に限って十割蕎麦がお品書きに載っていたっけな。さて今年はどうだろう。もう10月も中旬。そろそろ「新そば」が公衆の面前に現れてもよさそうなものだが。

暖簾をくぐって店の中に入って「ほう!」と感心する。新そばの張り紙、出ていないぞ。
これは、二つの考え方がある。

(1)本当に新蕎麦がまだ入荷していない。「当店は茨城の契約農家の蕎麦粉のみを使っています」などというお店の場合、当然新蕎麦が入荷するのは遅くなる。
(2)新蕎麦なんてまやかしです、と強気。いつでも美味い蕎麦を提供しているから、敢えて新蕎麦だなんてお客さんに謳う必要を感じていない。

さてこのお店の場合、どっちなんだろう。

こうもじらされると、ここ最近「新蕎麦、新蕎麦」と連呼しているおかでんは恥ずかしくなってきた。そんな「表面的なこと」でしか蕎麦を捉えていないんですね、おかでんさんは・・・と蕎麦屋から思われそうでいやだ。

季節野菜天ぷら

気を取り直して、注文をする。

おかでんが入店した13時半頃はお客さんがゼロだったので心配になったが、途中で次々とお客さんが来店。結果的にはどのテーブルも埋まってしまうという盛況ぶりだった。中には七五三帰りの三世代家族もいて、なんとも微笑ましかった。でも、チビがつゆをぶちまけてせっかくの羽織袴を汚してしまうのではないか、と若干ハラハラもした。

一品目の注文は「季節野菜天ぷら」350円。

頼んでみて気がついた。これ、先日も注文したぞ。まいったな、注文がかぶってしまった。「限定!」という言葉にはあまり動じないおかでんではあるが、「季節の!」という売り文句にはからきし弱い。

舞茸と、種子島蜜芋の天ぷら。蜜芋、というだけあり、甘みがとても強い。辛めのつゆに浸して食べると甘辛バランスがよくなりとてもおいしい。

酒盗

このお店に訪れると、料理単価が安いことを良い事についつい注文しすぎてしまう。というわけで、今回は意識的に抑止策に出ることにした。幸い、ちょうど良い料理があったのでこれ幸いと注文。

出てきたのは酒盗。200円と非常に廉価だ。量も200円ならではの少量だが、こんなものを大量に食べると一気に血圧と尿酸値が跳ね上がる。200円で少量を提供するこのお店の英断には拍手を送りたい。やーいいいぞいいぞ。

お酒を既に菊正宗に切り替えているので、ちょっとご陽気だぞ、おかでん。

菊正宗、前回までは升に注いで飲んでいたが、今回はガラスの徳利とお猪口だった。これはこれで涼やかで良いですな。

若鳥梅しそ和え

たまには壁のメニューではない、卓上にあるレギュラーメニューを注文してみることにする。若鳥梅しそ和え。400円。揚げ物ではなく、別のものにすれば良かったのだが、たまたまその時の気分とマッチしなかった。揚げ物とはいえ、梅と紫蘇が入っているのならばさっぱりしそうなので、この料理を注文。

揚げたてが供されるのがうれしいね、天ぷらの専門店なんかに行ってお食事をしたら相当お高くついてしまうのが天ぷらの惜しいところなのだが、このお店で揚げたての天ぷらを食べていたら、そんなのどうでも良くなってくる。僕らには蕎香があるじゃないか、と。

以前、日本一と名声高い銀座の天ぷら屋で食事をしたことがあるが、お会計は確か1万2千円だったかな。お酒は殆ど飲まないでこの値段。高いよなあ、天ぷらって。

合い盛り

合い盛りアップ

さて今回はこのあたりで切り上げ。蕎麦食べて帰ろう。うん、今日は酒盗のおかげもあって、一品料理をゴテゴテ並べることもなくスマートに蕎麦までたどり着いたぞ。

すいません、もりそばを・・・

あれ。1人前量を確保できない?そりゃ困ったな、そんな事もあるんだ珍しい。さっき6人組でやってきた七五三帰りの家族が想定外の存在だったのかもしれない。ええと、どうしよう。

すると、女将さんから「御膳そばか変わりそばのどちらかと一緒にならお出しすることができますが」と提案が。なんと、つまり「合い盛り」ができる、というわけだ。それは素晴らしい。今回のような緊急事態にのみ食べられる裏メニュー的存在。

むしろ大歓迎で、この話に飛び乗った。せっかくなので、変わり蕎麦(この日は青紫蘇切り)と普通のもりそばの合い盛りにしてもらった。

で、出てきたのは写真のとおり。

おー、これは30回以上このお店を訪れているけど、初めて見る光景だ。というか、一度たりとも変わり蕎麦を食べた事がないので、今回はちょうど良い機会だった。

青紫蘇切りって、もっと緑がかった麺になっているのかと思ったが、案外白い。よく見ると、星が散っているように青じそが練り込まれているのが分かる。さっぱりしていて、これはこれでおいしい。でも、もりそばを押しのけてこれだけ注文する、というほどではない気がする。今回みたいな合い盛りで名脇役を務めてくれれば一番うれしい。

もう一方のもりそばだが、蕎麦の風味はちゃんとある。ひょっとして、既に新蕎麦に切り替わった?と思ったが、多分違うと思う。新蕎麦のインパクトはこんなものじゃないはず。あんまり自信ないけど。

営業終了の告知

お会計を済ませてお店を後にする。

入口のところに、「おそば売り切れ」の看板が出ていた。この看板、初めて見た。

繁盛しているようで何よりだ。