無識庵 越後屋

2012年12月24日
【店舗数:333】【そば食:560】
東京都北区王子本町

葉わさび、揚げ納豆、牡蠣のかえし焼き、せいろ、丸眞正宗純米、浦霞辛口

道光庵は営業していなかった

この日は上野の東京都美術館でメトロポリタン美術館展を見た。そこから徒歩で、三河島(JR常磐線)の駅近くにある「道光庵」に行き、さらに徒歩で王子(JR京浜東北線)にある無識庵越後屋に行き、シメに赤羽まで歩き通すという計画を立てていた。歩きづめだが、蕎麦屋ハシゴを口実に散歩ができるというのはとても楽しいものだ。

そんなわけで、三河島の「道光庵」までナビを頼りに歩く。住宅街の中で、車一台通れないような狭い路地裏を通りながら現地に到着。

・・・あれ?店が見つからない。ここがゴール地点だ、とナビは言っているのに。

しばらく「ナビが目的地だ」と言い張る場所の付近を探し回ったら、ああ、あった!「道光庵」の看板を発見。あいたたた、看板も店内も灯りがともっていないぞ。今日は臨時休業でもしたのだろうか?

現場事務所兼休憩所

入口を見てみると、何か張り紙がしてある。ええと?どっかの倉庫を解体・新築工事するための現場事務所兼休憩所、だって?・・・ということは、お店はもう営業していない、ということだな。廃業しちゃったのか、移転してしまったのか。

いずれにせよ、もうここに「道光庵」というお店の存在は無いことが判明。あいたたた、せっかく上野から随分歩いてここまでたどり着いたというのに。がっかりだ。

越後屋

越後屋看板

西日暮里まで歩いて、そこから京浜東北線に乗る。もう、道光庵から徒歩で次の店に向かう気力が無くなってもうた。電車使って楽させてもらいますよ。てへぺろ。

そんなわけで、王子駅から歩くこと10分弱、本当なら二軒目として訪れる予定だった「越後屋」に到着。

途中、すごい行列ができているお店があったので何事かと思ったら、ケンタッキーフライドチキンだった。そうか、今日はクリスマスイブだからな。それに比べてイブの日に蕎麦を食べるおかでんというのはちょっと渋いな。渋すぎる。でも、親父臭い、とか言わせないぞ。今日はイブということで華麗に蕎麦を手繰ってやるぜ。「華麗」ではなく「加齢臭」だったら悲しいけど。

食品サンプル1

食品サンプル2

このお店はメニューがちょっと奇抜だ。

「王子のもぐら」を筆頭に、「王子の○○」と名前がつく蕎麦が何種類もある。

「たぬき」、「きつね」、「王子さま」、「子猫」、「雪化粧」。

ちなみに「もぐら」は辛味大根のおろしそばで1,000円。「たぬき」は天かすが載っている蕎麦かと思いきや、こんにゃく、ごぼうの甘辛煮が乗った蕎麦であり、一般常識からはかけ離れた内容だ。お値段1,050円。となると当然「きつね」もお揚げさんが載っているわけではなく、生ゆば、焼きねぎ、とろろだって。面白いなあ。

丸眞正宗純米

風変わりメニューがあるくらいだから、品そろえは豊富。お品書きには料理名がびっしり書かれている。ちょっと本日の作戦を立てたいので、まずは丸眞正宗純米(560円)を頼んで時間稼ぎをする。丸眞正宗は赤羽の地酒。つまりこのお店のご近所のお酒というわけで、ぜひ頼んでおきたいところ。

何だか変わった酒器が出てきた。最近、こういう「口の部分がオープンになっている」のが流行りなのかね。つい先日もどっかのお店でこの手の器を見たぞ。

お通しとして、なますが出てきた。

葉わさび

葉わさび320円。

葉わさびの下には大根おろしがある。

いかにも酒の肴、といった風情。これ、ご飯のお供にはならないな。うん、おいしい。

揚げ納豆

揚げ納豆、というのが珍しかったし、値段が手頃だったので頼んでみた。420円。

出てきたのは写真のとおり。一体どうやって納豆を揚げるのか、興味深かったのだが、なるほど見た目では納豆とはわからない。

試しに一つをつまんでみる。・・・あれ、これは単なる舞茸だ。納豆とは無関係だな。・・・では次に緑色のものを。んー、これはピーマンだ。納豆じゃないぞ。

「本当に納豆は入っているのか疑惑」が浮上したが、次に食べたのは当たりだった。大葉で納豆をくるんで揚げたものだった。それが2つに、海苔で納豆を巻いたものが1つ。うん、これで420円なら納得だ。

牡蠣のかえし焼き

もうこの辺でお酒を切り上げても良かったのだが、充実している牡蠣メニューがやたらと気になってきた。そうだよな、冬だもの、牡蠣がおいしい季節になって参りました。せっかくだから食べてみることにしよう。牡蠣はもともと大好きだ。

そこで選んだのが「牡蠣のかえし焼き」。蕎麦屋ならではの「かえし」を絡めた牡蠣料理になるのだろう。「神田まつや」の焼鳥を思い出す。あのような濃厚な旨さが楽しめそうだ。730円。

出てきた牡蠣は小ぶりで、多分広島県産ではない。その牡蠣が9個と豪勢。

牡蠣の磯臭い旨味がかえしとマッチするかどうか、ちょっと心配。で、いざ食べてみたのだが、うーん、どうもあまりかみ合っていない気がする。これだったら「焼鳥」の方がおいしいと思う。

せいろ

せいろアップ

店内はほぼテーブルが埋まるくらいで、そこそこ繁盛している。お客さんは全員がお酒を飲んでいて、居酒屋状態になっていた。花番さんは一名しかいないので、てんてこまい。ひっきりなしにどこかから追加オーダーのお声掛かりがあるので、あっち行ったりこっち行ったりしていた。

一方、厨房内の職人さんは元気いっぱい。「っしたー」「いらっしゃいますぇ-」と威勢の良いかけ声を出していた。こういうところも居酒屋風ではある。

店内では、焼酎の一升瓶を傍らに据えて本格的に飲んでいる中年夫婦がいたりして、面白い光景だった。飲み残したヤツはどうするのかと思ったら、ラベルに自分の名前をマジックで書き込んでいた。ボトルキープか!そんなのもできるんだ、このお店。でも焼酎一升って飲みきるまで何度この店に通うことになるんだろう?

さて、そろそろ最後の蕎麦を食べましょうか。本当は、せっかくだから冬季限定メニューである「王子の雪化粧(みぞれあんかけ、ゆば天)」1,400円を頼もうと思っていたのだが、牡蠣を頼んだ上にお酒追加で浦霞を飲んじゃったので予算オーバー。大人しく普通の「せいろ」700円を注文した。

蕎麦は食感よし。でも、香りも味も弱く、ちょっと惜しい感じがした。

蕎麦湯はゆで釜からすくい上げた、シンプルなものだったが美味かった。つゆが良かったのかもしれない。

お会計、3,290円。結構かかっちゃったな。でも、食べた量が量だけに納得の金額ではある。

近くに別の「越後屋」があった

王子から赤羽駅まで歩いていく。その途中、「越後屋」という蕎麦屋をもう一軒発見。紛らわしいな、これ。ちなみに店内にお客さんは一人もいなかった。頑張れ、もう一方の越後屋。