川しま

2013年10月04日
【店舗数:355】【そば食:590】
東京都台東区下谷

山ごぼう味噌漬け、せいろ

川しま

この日、国立科学博物館で「深海展」を見てきた。巨大なダイオウイカの実物大サンプルを見て、「ああ、イカが食べたくなった。」・・・とは思わなかったけど、なんだか腹が減ったのは事実。この深海展、とにかく人が多かった。展示が終わる直前の時期だった上に、閉館時間が延長される金曜日夜ということもあったのだろう、人また人。チケット買うのに20分の行列、そこから入場するまで20分の行列とういありさま。博物館で行列って、日本人はメチャ勉強熱心か。

人ごみのせいでおちおち展示は見られず。人の後頭部ばっかりを観察するという、展示の主旨とは大いに異なる結果に終わってしまったのは禿げ上がるほど残念だ。でも仕方がない。そんなわけで、建物から脱出した後は、上野駅方面には向かわずに人気が少ない鶯谷方面へと歩いて行った。

このあたりで蕎麦屋、あるかな?

スマホで調べてみたら、「川しま」という店が入谷にあるということが分かった。ならばそこに行ってみることにしよう。

スマホのナビに導かれるまま、足を踏み入れた事がない土地の中をぐいぐいと進む。食べ歩きの醍醐味(だいごみ)は、こうやって知らない街を歩くということだ。新しい発見がいたるところにある。

さて、到着した「川しま」は、外観は一見さんを拒絶するかのような作り。ちょっと入りにくい雰囲気がある。でも、構うもんか、入ってしまえ。

山ごぼう味噌漬け

客席はさほど多くなく、四人掛けのテーブル席が4つあるだけ、かな?既にそれぞれのテーブルには杯を酌み交わしているおっちゃんたちが陣取っていた。でも、一つだけテーブル席があいていたので、無事そこに座る事ができた。

この、「酒を飲んでいるけど凜とした空気感は失われていない」というのがいかにも蕎麦屋。居酒屋とは明らかに違う。ああ、そういえばこういう世界に僕はずっと10年以上、身を置いてきたんだな、と思う。2013年バージョンのおかでんは断酒してしまったため、お酒なんて飲むわけにはいかないんだけど。

お酒を敬遠した結果、この手の本格的な蕎麦屋にも足を向けにくくなっていた。なんだかこっぱずかしいというか、居心地が悪くなりそうだったから。で、今回この「川しま」の訪問は久方ぶりの本格蕎麦との再会になる。

さて、何を頼もう?

ついついこれまでの癖で、一升瓶が保存されている冷蔵庫の中身をのぞき見たりする。違う違う、もうそれは不要なアクション。えーと、じゃあどうすればいい?ジンジャーエールがメニューにあるけど(320円)、頼む?・・・いやぁ、さすがにジンジャーエールはちょっと。

「どういう立ち振る舞いをすればいいのか」で悩む。メニューで悩むというより、自分の「座標軸」の置きように困った。

蕎麦だけ食べてさくっと帰る、というのが妥当なんだろうが、それはなんだか寂しい。このお店には滅多に来られないはずであり、せっかくだから何かもう一品くらいは、頼みたい。かといって、お酒を飲まないのに何か頼むって、何がいいんだ?すいません、ちょっとわからないです。想像がつかない。

玉子焼きとか無難な線だが、でもお酒飲まずに、ひたすら玉子焼きをむぐむぐと食べるの?うーん、冴えないなぁ。それに740円を払う気には、なれない。「酒の肴」という位置づけだったら、740円くらい大した事ないと感じるのに。

しばらく悩んだ結果、「山ごぼう味噌漬け」370円を選んでみた。500円以下でないと手を出しにくいという心理が働いたからだ。そうなると、この一品しか選択肢がなかった。消去法で決定。

早速食べてみた。

うん、おいしい。ごぼうって最近再評価著しい食材だよな。ごぼうを揚げた料理なんて、今じゃすっかり居酒屋の定番人気メニューの一角を担ってるし。でもこれ、やっぱり酒の肴だよ明らかに。そのまま暇にまかせてポリポリかじるものじゃない。ほら、段々と塩辛くなってきたぞ・・・。ああ、ダメだこりゃ。辛い辛い。単体で食べ続けてりゃ、塩っからくて仕方がない。

お茶を一口、そしてごぼう。うーん、いまいちしっくりこないな。

せいろ

せいろ840円。「あらびき中太挽き」を標榜する田舎そばとどっちにしようか悩んだが、標準的なせいろを選んでみた。

器は面白い。おぼんのような楕円形の平べったい器で、そこにすのこが敷いてある。これ、水切りがあんまり良くなく、ちょっと麺が水っぽくなったのが欠点ではある。

たべてみる。ズルズルッと音を立てるのが何だか恥ずかしい。最初はちょっと控えめに。

せいろアップ

おおおう、蕎麦の香りが口腔、そして鼻腔へ抜けていくよ。これぞ、蕎麦!って感じ。新蕎麦なのかな?結構豊かに香る。これを感じ取った瞬間、おかでんは「ようやくこの世界に戻ってきたぞ!」と思った。うるっとくる二歩手前くらいの気持ちになった。

やっぱり蕎麦って、おかでんにとっては思い入れが強い食べ物だ。蕎麦食べて半泣きになるってどういうことよ。お子様だな。でも、それだけ感動したってことだ。

蕎麦かぁ。今年の秋は蕎麦屋巡りはちょっとできそうにないけど、今後一生の間、蕎麦のように細く長く付き合って行ければいいと思う。




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