江戸そば ほそ川

2013年10月12日
【店舗数:357】【そば食:592】
東京都墨田区亀沢

穴子天せいろ

ごま油の臭いがする路地

江戸東京博物館で開催中の「明治のこころ モースが見た庶民のくらし」展を見るため、両国にやってきた。ちょうどお昼時ということもあったし、この界隈でお昼ご飯を食べることにしよう。当然ぱっとひらめくのは「ちゃんこ」なのだが、お昼から営業している店などあまりないだろうし、あったとしても一人客にちゃんこを提供する店というのはさらに少ないだろう。そういうのを探すのも面倒だな、と思っていたら、ああ、そういえば両国と言えば蕎麦の名店「ほそ川」があるじゃないか、と気がついた。

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ほそ川。蕎麦屋だけどミシュラン1つ星を取った名誉あるお店。ここのご主人はミシュラン以前から有名な方で、著作もある。かくいうおかでんも、この人の本を持っている。その名もずばり「うまい蕎麦(日経プレミアシリーズ) という。ひねりがなさ過ぎてむしろすごい。一度訪れてみようと思いつつ、なかなか両国方面に用事がなかったので縁が無かったのだが、ようやく今回実現。

お店を目指して歩いて見る。江戸東京博物館のすぐ東側のあたりにお店がある。慣れない土地なので、適当に歩いてはみたもののお店は発見できなかった。しかし、どこからともなく蕎麦屋の臭いがしてくる。あ、このあたりだな・・・いや、臭いが消えた。通り過ぎたな。ということは、今はお店の裏側にいるようだ。隣の道路に回り込んでみよう。

「蕎麦屋の臭い」というのはごま油の臭い。天ぷらを揚げる事が多い蕎麦屋の場合、ごま油の香りがぷん、と店の周辺に漂っていることが多い。この臭いを頼りに辿っていけば、目立たない地味なお店であっても発見が容易になる。

犬みたいだな、おかでん。

ほそ川

というわけでたどり着きました、ほそ川。表通りから中に入った通りにあり、「ひっそりと」という雰囲気がぴったり。大きな暖簾ではあるけど。もともと、このお店は埼玉県の吉川市にあったのだが、築地に近い方が良い穴子が手に入る、ってことで現在の両国に移転したという経緯がある。

そんなわけで、ここのご主人は穴子には相当こだわりがあるようだ。前述の著書「うまい蕎麦」にも、穴子を仕入れる話についての記述がある。なお、この人、海苔とか板わさといった類は、職人の手がかからないものだという理由でお店では提供していないというから面白い。職人として、右から左へスルーさせるだけ、という料理には納得がいかなかったらしい。面白いこだわりだ。

大きなテーブル

店内はお客さんが結構いた。ほぼ満席。一人客も何人かいる。年齢層は高め。というか、一般的な蕎麦屋と一緒の年齢層なのかな、これは。

穴子天せいろ

せいろを無難に頼もうかと思っていた。1,050円。結構高い。蕎麦はその他一般的な食べ物に対して、満足感の割に割高というのが定番。せいろ一枚700円~900円程度というのが、現在の「ちゃんとした蕎麦を出すお店」の相場観だと思う。それを考えれば、夏目漱石一人をお供えしなければならない1,050円という値付けは結構お高いといえる。

でもこれくらいならまだいい、穴子天せいろになると、お値段一気に倍以上になって2,500円。うわー、お昼に食べる値段じゃないな、これは。

蕎麦屋で天ぷら系の蕎麦を頼むと相当高い、というのは今更驚くことではない。でも、今回穴子付きのせいろで2,500円というのは少々びびった。たじろいだ。穴子って、廉価に食べられる食材だとばかり思っていたからだ。こんな値付けをするってことは、相当自信のある穴子を築地から仕入れているんだろうな。

本にも穴子のことが取り上げられていたこともあるし、せっかくなので「穴子天せいろ」を頼んじゃうことにした。周囲のお客さんの大半が穴子天を食べているようだし。えーい2,500円さようなら。

しばらくして、蕎麦だけが先にやってきた。天ぷらは時間差でくるようだ。この時間差は意図的なのかたまたまなのかはよくわからない。

出てきた蕎麦はとても美味い。あー、これは蕎麦の香り、歯ごたえ、麺の長さがどれもいいバランス。もうちょっと柔らかい方が個人的には好みだが、それを差し引いても素敵な蕎麦だ。つゆも、まるくまとまっていて蕎麦との相性がとても良い。さすが長年好評価を得ているお店だけはある。

穴子天

蕎麦から遅れること数分、穴子天がやってきた。

天つゆは蕎麦と一緒に届けられているが、塩でも食べられるように、小皿に塩が盛ってあった。

穴子天は、ふっくらとしていて大きい。まあ、穴子は大きいまま丸ごと提供されることも多い食材なので、大きさでは特に驚くことはないし、丸一匹使っているから珍しいというわけではない。

食べてみる。うん、確かにおいしい。でも、1,500円相当の料理である、ということは最後まで納得感はなかった。もっと気軽に食べられるお値段だと良いのだけど。

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