自作手打ち蕎麦(16)

2013年12月31日
【店舗数:—】【そば食:600】
岡山県某所

鶏南蛮

2013年も、年越し蕎麦を家族全員におみまいする。

この行事が大晦日のおかでん家の定番行事となって早10年以上。すっかり定着し、溶け込んでしまっている。

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最初の頃は、「俺の打った蕎麦をイヤでも食え。まずいとか言ったらゆるさねぇ」とすごんでいたけど、今じゃすっかり落ち着いた。そんな肩の力を入れなくても、大晦日といえばおかでんの蕎麦が当たり前になったからだ。

肩の力が抜けたのは、そういう家族内の人間関係だけではない。

蕎麦打ちについても、すっかり気負いがなくなってしまった。良い意味でも、悪い意味でも。

昨年、一昨年と、秋口になると「築地そばアカデミー」がやっている蕎麦打ち教室に入り、なまった腕を蘇らせていたものだ。しかし、今年はそれをやらなかった。アカデミーが方針転換し、従来型の大人数の初心者向け教室を廃止したからだ。その代わり、少人数・高額謝礼の中級クラスだけとなった。1万円を超える謝礼を払って参加する気にはなれなかったので、パスした。

そんなわけで、結局一年間全く蕎麦うちをしないまま、年末を迎えた。

蕎麦粉

今年も、千葉の古川製粉所で蕎麦粉を仕入れた。他に探せばもっと良い蕎麦粉が手に入るかもしれないが、ひとまずここの蕎麦粉に全く不満はなく、かれこれ10年以上使っている。

どうせかけそばにするのだし、高い最上級の蕎麦粉を使うのはやめた。こういうところで意地を張っても意味はない、と思っているのが2013年のおかでん。年によっては、「腕の悪さを蕎麦粉でごまかす」とか、「せっかく俺様が蕎麦を打つのだから、最高の蕎麦を食べてもらいたい」といった考えで良い蕎麦粉を買ってきたが、今年はノーマルだ。とはいっても、もちろん今年の新蕎麦だし、国産品だ。

蕎麦打ち中

今年はギャラリーが多い。4歳になる姪が、興味津々で覗き込んでいる。

「おじちゃん、何作るのー」
「蕎麦を作るんだよ」
「そば?」

姪は、そばという言葉にはいまいちピンとこないようだ。「うどん」のことは「ちゅるちゅる」と呼んでいて馴染み深いようだが、蕎麦はあまり食べつけていないらしい。ましてや、まだ粉の段階のものが、麺になるなんて4歳の子供には理解できないらしい。

「ここから入ったらダメだからな?」

と綿棒をテーブルの左1/3のところに置き、境界線を作っておいた。

また、今年生まれたばかりの生後6カ月の姪(次女)も参戦。ちょっとでも一人にしておくとすぐに大きな声を上げて「構ってくれ!」と要求するお年頃。パパの膝の上に乗り、おかでんの不思議な行動をしげしげと眺めていた。蕎麦打ちを見ている間はずっとお行儀よく、おとなしかった。

生地を伸ばす

「なんか手際がいいな今年は」

兄貴が褒める。確かに、今回は蕎麦粉1kgに割粉500gの合計1.5kgを2回に分けて打ったが、なんとも手際が良かった。そもそもこれまではこの量を3回に分けていたのだが、それを強引に2回にしたということが大きい。でも、それ以外に、大胆に加水して水回しの時間が短縮できたこと、伸ばしの段階で角出しにこだわらず、ぐいぐい生地を伸ばしていったこと、切る際にも細麺にこだわらずガンガン乱切り状態で切っていったことがある。

要するに、適当。でも、その適当さがむしろ今回は奏功している気がする。これまでは、無駄にあれこれこだわろうとしすぎてたんだ。技術も知識もないのに。

雑な麺

切った蕎麦は明らかに太いんだが、まあいいや。

姪っこたちがわーわーいってるので、そっちに気をとられて集中できなかった。

今年は初めて、切ったあとの麺をほぐすというひと手間ができた。このひと手間がこれまではできなかったので、ゆでると麺がブツ切れになるという事になっていた。しかし、今回は容器に収める前に麺をほぐしたので、麺が長くつながったままゆでることができた。何を今更、という初歩的なことだけど、これができたのは今回が初めてのことだ。

昆布

さて、つゆを作ろう。

大晦日の年越し蕎麦、ということでお祭り気分でいい食材を使う。

利尻昆布を鍋に張った水につけて、沸騰直前までゆでる。

厚削り節を煮出す

昆布を取り出し、厚削り節を投入。20分煮出す。削り節は、もちろん本枯節を使おう、せっかくなんだから。

本がえしを垂らす

削り節を取り出したところで、本返しを投入。本返しは自分で作ってもいいのだけど、塩梅がよくわからないので市販品を使った。古川製粉で蕎麦粉と一緒に購入したものだ。

これを、納得するまで鍋にどばどばと入れる。味をみて、手ごろと思えばそこでストップだ。以上、ここまですべての量は目分量だ。

鴨肉・・・ではなく鶏肉。

今日の蕎麦は、鶏南蛮で提供することに決めた。

毎年、今年は何にしようかと考えるのだが、にしん蕎麦は以前不評を買ったこともあり、手堅く鴨南蛮にするのがよいという結論に落ち着きつつある。

しかし今年は、スーパーで鴨つくね肉を入手することができず、その代替として鍋食材コーナーにあった鶏肉に白羽の矢が立った。特にブランド鳥でもなんでもないけど、構わないだろう。

ダシが出ますようにと願ってつくね

暖めたつゆに鶏肉、鶏団子、長葱を入れたものを作った。鶏から出てくるダシに期待。

つゆが余ったら、翌日のお雑煮に流用するつもりだったが、こんな具を入れてしまったら流用は無理だな。これは蕎麦用として使い切らないと。

振りざる

振りざるに蕎麦を入れる

「蕎麦のざるはあっちにあるわよ」

母親からそういわれても、全く理解ができなかった。何を言ってるのだ、今日はざるそばではないのは百も承知だろうに。そもそも家にざるそば用のざるなんてないはずだ。

何のことだろう、と思いながら指示されたところを覗いてみてようやく納得した。

あ、そうだ、昨年「振りざる」を買ったんだった。

言われなければ、完全に忘れるところだった。蕎麦食べ終わっても気づかないくらい、完全に忘れてた。これも高い買い物だったんだから、ちゃんと使わなくちゃ。

鶏南蛮

おかでん家の年越し蕎麦2013。鶏南蛮。

家族からの評判は上場。手抜きというか、肩の力抜けまくりで作ったにしては良くできた部類だと思う。

これまでは、家族に振舞う前に言い訳をしたり「今年のできはあんまりよくないよ?」と釘をさしたりと慌しかったが、今年は大丈夫。何も言わなかったけど、それでもお褒めの言葉が出た。とりあえず良い2013年の締めくくりとなったんじゃないだろうか。

つゆの味もよし、蕎麦の味も悪くなかった。思ったよりも太くなかったし。

いずれ姪が小学生中学年くらいになったら、おかでん家の蕎麦打ちは姪に譲る形になるかもしれない。そうなればおかでんは楽隠居だな。それはそれで良いと思う。

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