2014年03月30日
【店舗数:371】【そば食:610】
東京千代田区丸の内
茄子とシメジの肉味噌そば
雨の中上野公園でお花見をした。
風も吹いてきて、さすがに屋外で長居は無理、ということで屋内に逃げ込んだ先が東京駅の地下。
気の利いたコーヒー豆が売られているお店があるといいけど、どうかな?とあてもなく新丸ビルあたりを散策。
すると、視線の片隅になんだか漢字の羅列が見え、ん?と気になって振り向いた。
「酢重正之 楽」。
なんだこれ。
居酒屋っぽいけど、「酢」という漢字があるということは最近時々見かけるビネガーバーだろうか。
いろんな酢がならんでいて、今日の体調や気分で選んで、はちみつなんかとブレンドして飲むというお店。
へえ、こんなところに、こんな和のテイストであるんだ、と感心する。普通、この手の店はこしゃれた内装で、洋風だ。
・・・いや、待て待て、違うぞ。ここは蕎麦屋だ。
ええ?すごい名前の蕎麦屋があったものだな。初耳だ。
興味を持ったので立ち止まり、店頭のお品書きを見てみる。
「田舎太打ちそば」とかかれており、がぜん興味が湧いてきた。最近のおかでんは、太打ちが好きだからだ。
もりそば、野菜そば、肉そば・・・とメニューはいくつもあるが、いずれも大きめの丼にごっそり蕎麦を持って提供するスタイル。
港屋インスパイア系?
ならばますます自分の趣向に合う。ちょうどお昼ご飯をまだ食べていなかったこともあり、ここの暖簾をくぐることにした。
コの字型のカウンター席のお店。テーブル席はない。
メニューを見ると、夜はお酒も出すお店になるようだ。
冷たいお茶のポットがカウンター上に置いてあり、飲んでみたら蕎麦茶だった。しみじみうまい。
蕎麦は温かいものと冷たいものが選べる。
温かいもの、イコールかけそばというわけではなく、つけ汁の温度の違いのようだ。
ランチタイムは大盛り無料、というので、どれくらいのがっつり具合なのかの確認のため大盛りを頼んでみた。
「茄子とシメジの肉味噌そば」。
レギュラーメニューとは別に期間限定メニューとしてあったので、頼んでみた。
茄子もシメジも今この季節のものではないけど、うまければ問題はない。
名前のとおり、甘辛い肉味噌になすとしめじ、さらに刻み海苔とネギをたくさん乗っけて完成。大盛りだけあって、かなりの量だ。
つゆはラー油が浮いていることはなく、そのあたりから港屋とは違うことが伺える。そういえば、カウンター上に天かすは置いてあったものの、生玉子は無かったな。
肉味噌の味が濃いため、蕎麦の味はわかりにくい。
でも、この手の蕎麦はお上品な食べ方と味を追求するものではない。ガンガン食べる、食べまくるというものだ。モグモグさせられる太い麺、それだけで満足度は高い。
蕎麦そのものはともかくとして、つゆが案外おいしいのは「あれっ?」と思った。もっとチープな、ペラい味を想像していたのだが、どうしてどうして、しっかりした味わいだ。絶品とは言わないが、予想をはるかに上回る満足度。案外やるぞ、このお店。最後、ポットで渡される蕎麦湯を注いでぐいぐい飲んでもうまさはそのまま。
蕎麦湯を足すとがぜんおいしくなくなるつゆ、ってのがあるけど、ここのはそういうことはない。もともと味が良いのだと思う。
連れが頼んでいた「おろしそば」。
大根おろし、刻み海苔、白胡麻。これで750円。女性ならこれでも少しもてあますかもしれない量。
量が多い蕎麦なので、もう少しトッピングがあった方が最後まで飽きずに食べられると思うけど、そうするとかさが増すので小食の人は大変だ。
満腹になってお店を後にする。
東京駅の改札からさほど遠くないし、地下でつながっているので濡れないし、ちょっと蕎麦で腹を満たしたいな、と思ったときにピットインしたいお店だ。
今後もまた利用することがありそうだ。次は野菜そばを食べたいものだ。
後になって知ったのだが、この「酢重正之」は長野にある醤油・味噌蔵だった。いろいろ飲食店をプロデュースしていて、その一環としてこの蕎麦屋も営んでいるらしい。
道理でつゆがおいしいわけだ。蔵元直営だったら、つゆの味が悪いというわけには絶対いかないし。
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