ソバキチ

2014年04月09日
【店舗数:363】【そば食:613】
東京都千代田区丸の内

煮込み(玉子入り)、ハッピーアワー、夜鳴き蕎麦

新丸ビル

東京駅と地下で直結されている「新丸ビル」。丸の内側では、「丸ビル」と並んでランドマーク的存在だ。行幸通りをはさんでこの二つのビルがそびえているので、あたかも神社の狛犬のようだ。

これらのビルができたときは、やたらとマスコミが騒いだし、実際お客さんも多数訪れた。でも今は随分落ち着いていて、通常運転になっている。

このビルは場所柄、ファストファッションやB級グルメの店がテナントに入るようなことはない。建物が高級感あるのにならって、お店もひと癖あるラグジュアリーな店が多い。

新丸ビル7階は不思議な作り

そんなビルの7階に、「ソバキチ」というお店があるというのをたまたま知った。

最近東京駅をよく利用するので、この界隈で手頃に蕎麦が食べられないか、と調べたからだ。

新丸ビルの蕎麦屋、となればなんだか敷居を高くしてそうなお店だろうと思ったが、案外そうではないようだ。凛とした蕎麦屋ではなく、もっとざっくばらんとした蕎麦も食べられる居酒屋風、といったお店のようだ。

名物は「夜鳴き蕎麦」で、とろみのついた温かい肉蕎麦らしい。

これで値段が高かったら全く興味は湧かなかったが、1,000円以下で蕎麦が食べられるならまあいいかな、と思って行ってみることにした。

新丸ビルは6階までは利用したことがあるが、7階は初めて。8階以上はオフィスエリアになるので、7階は一般客が入れる最上階となる。

エスカレーターの位置の関係で、7階はちょっとだけ行きづらい場所になっている。それでこのフロアに足を踏み入れたことはなかったのだが、いざ立ち入ってみてちょっとびっくりした。その他のフロアと雰囲気ががらりと変わるからだ。

意欲的な飲食店が並ぶ。どのお店も、ありきたり感がないインテリア。飯がうまいかどうかまでは知らないが、どこもワクワクさせてくれる。

何よりも特徴的なのが、店と廊下の境界線が(ほとんど)ない、という作りだ。客席が廊下と思われるエリアにも堂々と出ており、どこまでが共用部分でどこまでがお店の専有部分なのかが曖昧。それがむしろ斬新で、「どのお店に入ろうか」と吟味している立場なのに、既にお店の中に入ってしまっているというドキドキ感を感じさせてくれる。

ソバキチ外観
ソバキチ外観2

そんな中に「ソバキチ」はあった。

コの字型のカウンター席と、それを取り囲むようにテーブル席。ここも、廊下だかなんだかわからない微妙なエリアに席が広がっている。

カウンター席は、ドリンクを作るエリアを取り囲んでいる。中には店員さん1名がてんてこまいでドリンクを作っていて、それを眺めながら優雅に食事をするスタイル。

19時前にはお店は満席。

19時20分には待ち行列が少しだけできるような繁盛っぷりだった。

客層は男性が多いものの、女性も多い。年齢層もまちまち。カップルでデートに使っている例もあるようで、それだけ幅広く受け入れられるお店。

ハッピーアワー

店頭にあるメニューを確認してみたが、大好物である山菜の天ぷらは扱っていなかった。昔扱っていたのは「食べログ」に掲載されている写真で見たことがあるので知っていたが、今シーズンはやっていないっぽい。

さてどうしたものかな、と思案していたら、店員さんから

「もう時間的にギリギリなんですけど、今でしたらハッピーアワーができますよ」

と別メニューを渡された。

そのメニューには、19時までの時間限定で、串天4本セットとお好きなドリンク付きで750円、と書かれていた。ほう?そうなんだ。

これがどれだけお得なのか、詳しい吟味まではしなかったけどたぶんお得なんだろう。何かドリンクを頼もうと思っていたことだし、おすすめに従うことにした。

こういう時、悩むんだよな。酒を飲まないんだけど、かといってソフトドリンクが欲しいわけでもないとき。飲み屋系のお店で、「水ください」ってのはありなんだろうかなしなんだろうか。

煮込みアップ

別企画で「東京五大煮込み食べ歩き」をやっている立場なので、メニューに「煮込み」と書かれていて放置できなかった。玉子入りと無しを選択できるので、玉子入り470円を頼んだ。

煮詰まって辛い、モツがグミグミしたやつが出てくると思ったのだが違った。牛乳が入っているのだろうか、まろやかで、塩加減はちょうどいい煮込みが出てきた。うん、これはおいしいぞ!?

後からやってきた隣のお客さんは、店員さんに「ここは煮込みがおいしいって聞いてきたので。煮込みください」と頼んでいた。どうやら評判の品らしい。

串天と夜鳴き蕎麦


串天と夜鳴き蕎麦がやってきた。

「串天」とは、串に刺された天ぷらのことだ。串カツの天ぷらバージョン。わざわざ串に刺す必然性というのはさほどないが、飲酒中につまみやすいスタイルだ。

串天

1本単位で注文ができるようなので、好きな料理を欲しいだけ頼むことができる。「天ぷら盛り合わせ」ではできない芸当だ。「天ぷら盛り合わせ」だと、海老をアイツに先に食われた、とかそういう憎しみが生まれかねない。

夜鳴きそば

夜鳴き蕎麦。

牛肉とねぎの青い部分が具として入っている。あと、ねぎの白い部分は薬味として別皿で提供されており、食べる直前にどんぶりに入れる。

これが結構気に入った。とろみがついていて、なかなか冷めないつゆ。そしてそのつゆが予想以上においしい。酸味すら感じるくらいの、きりりとしたつゆで、これは本格的な蕎麦屋のつゆだ。

肉が入っているような蕎麦だし、居酒屋のシメ的位置づけだし、たぶん立ち食い蕎麦を思い出させるつゆなんだろうと思っていたから、かなりびっくりした。

かつおの香りがむわんとして、甘くて、醤油っからい、大げさな味・・・。おかでんがイメージする、そんな「立ち食い蕎麦のつゆ」とはまるっきり違う、端麗なつゆ。

とろみがあるために、麺につゆがまとわりつく。だから、つゆがくどかったら相当いやな思いをするのだろうが、これならぐいぐいれんげですくって飲みたい。実際、何度もつゆを口に運んだ。

夜鳴きそばの蕎麦アップ

交通の便が良い場所の割には、ちょっと秘密めいた場所のお店。でも開放感があって入りにくさ、堅苦しさはまったくない。

良いお店を見つけたものだ。今後も機会を見つけて利用したいものだ。もちろん次回も、煮込みは頼む。

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