永田町 黒澤

2014年08月30日
【店舗数:373】【そば食:625】
東京都千代田区永田町

せいろ

黒澤外観

溜池山王の日枝神社にお参りにいったついでに、首相官邸の方まで散歩してみることにした。このあたりは機動隊やお巡りさんがものものしく街角に立ちふさがっている場所。彼らの仕事を邪魔する気はないが、頑張ってる様を見るのもいいかな、と思ったからだ。

日枝神社の丘を下りたところに、なにやら唐突に古民家風の建物があった。議員会館の裏手だ、明らかに違和感がある。それを見た瞬間、「あ、これが『黒澤』なのか」と気がついた。

黒澤。その名のとおり、日本映画の巨匠・黒澤明をイメージして作られたお店だ。店内の装いは、黒澤映画を支えた大道具スタッフなどが係わっており、黒澤映画が実際に目の前に現れたかのようにしてあるという。

それだけなら僕はさほど興味をもたない。残念ながら、黒澤映画はあまり観ていないし、そんなテーマパーク的な場所で蕎麦を食べたいとは思わないからだ。

しかし、このお店で特筆すべきことは、翁達磨の主人、高橋邦弘氏のお弟子さんがやっていること、そして大晦日は実際にこのお店で高橋氏が蕎麦打ちをするということだ。

高橋氏自らがここで「年越し蕎麦」を打つくらいなのだから、このお店はイロモノ系のお店ではないのだろう。きっちりした、翁・達磨系の蕎麦が食べられるに違いない。

お品書き

場所柄、決してお安くはないお店なんだと思う。夜は二階のお座敷で黒豚などのしゃぶしゃぶを食すのがいいらしい。

しかし、蕎麦屋であるということで、お昼に蕎麦を食べる程度では尻の毛をひん剥かれるくらい高額ということはない。蕎麦って、お高く留まった趣味の料理の一つではあるけど、実はそんなに敷居が高くない食べ物だと思う。

高級な蕎麦屋だといっても、種物をつけなければ2,000円はしないだろう。普通なら、高くて1,000円だ。で、お酒を飲んだり一品頼む義務はないわけで、蕎麦だけ食べて帰っても全く違和感がない。

このお店だって、そう。せいろを食べるなら、税別700円。一枚じゃ物足りない、という人なら二枚頼むこともでき、それなら1,200円。倍の値段をとらないところがとても良心的で好感が持てる。すぐ近くにはものものしい警備があるような、日本の中心地。もっと高くてもおかしくないのに。

店内の様子

土曜日の16時近くにお店に入ったら、僕たち以外にはお客さんがいなかった。土曜日は通し営業をしているのでありがたい。

こういう時間帯に、昼酒をいただきつつ、政治談議をやると場所柄大変テンションが上がりそうだ。お客さんが他にもいっぱいいたら迷惑だけど、少ないわけだし。

お店に入ると、店員さんに「お蕎麦ですか?」と聞かれる。蕎麦なら1階、しゃぶしゃぶなどの料理をしっかり食べるつもりなら2階、というすみわけができているらしい。

せいろ

せいろは、かなり美味しいものだった。エッジがしっかりしていて、四角い麺であるということが唇、口腔、喉全てではっきりとわかる。そして固すぎず柔らかすぎない麺のこしは絶妙。つゆは、口に含むと「あ、まさに翁だ」とわかる味。深く、かつ丸みのある味わいは弱点が見当たらない。

こんな蕎麦が700円+税で食べられるというのは相当ありがたいことだ。しかも都心で。

・・・でも、都心すぎちゃって、逆に訪れにくいお店ではある。溜池山王とか国会議事堂前が最寄り駅になるのだが、ここに仕事場がある人じゃないとなかなか訪れない場所だ。

南瓜のシフォンケーキ

デザートも扱っていた。これは南瓜のシフォンケーキ。300円程度だったと記憶している。300円なのでそれ相応の小ささではあるけど、ちょっと食べたい向きにはちょうどいい。

蕎麦屋でシフォンケーキ?とはじめは思ったけど、くどくない甘さで、蕎麦の余韻を殺さないとても上品な甘味だった。

なんか満足しちゃって、肝心の「首相官邸を護衛するお巡りさんや機動隊の人たち」を見に行くのを忘れ、そのまま国会議事堂前の駅から帰宅した。

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