加賀

2014年12月03日
【店舗数:376】【そば食:630】
東京都渋谷区本町

かき揚げそば

初台に「加賀」という立ち食い蕎麦屋がある-

その名前を知ったのは、「蕎麦食い人種」の連載が始まった当初の頃だ。しかし、「新宿の西の果て」にある初台を訪れる機会は特になく、そのまま放置されていた。「雰囲気が良く、酒肴がうまい蕎麦屋」ならともかく、立ち食い蕎麦をわざわざ食べに行くという行動原理は、僕は持っていなかったからだ。

そのお店の性質上、初台駅界隈に用事があって、なおかつちょっと時間がない人がさささっと食べていく蕎麦なのだろう。まあ、東京界隈ならよく街角にある、そんなお店だ。しかし、このお店の知名度が高いのは、立ち食い蕎麦屋なのに揚げたての天ぷらを出し、しかもその天ぷらが大きいからだ。

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今となっては、立ち食い蕎麦屋のレベルアップが著しく、揚げたての天ぷらとか見た目カッチョイイ大きなかき揚げを出すお店は珍しくない。しかし少なくとも20世紀の頃では、あまりそういうお店はなかった。その時点にぐっと知名度を高めたお店、と言える。

今更、わざわざ初台まで立ち食い蕎麦を味わいに行くこたぁないのだが、ちょうどこの日はお昼時に初台に用事があったので、立ち寄ってみることにした。

加賀外観

初台といえば、オペラシティという巨大な建物があることで知られている。NTT東日本の本社が入っているビルでもある。そんなオペラシティのお隣に、さりげなくのれんを下げているのが「加賀」。見た目、なんの変哲もない。ぎゅうぎゅうにお客さんが入っても10人がやっとの狭い店内は、昼時ということもあって通勤電車の様相を呈していた。

客の殆どがかき揚げそばを頼んでいた。そのため、揚げ場ではひたすらかき揚げが作られている状態であり、「かき揚げ渋滞」になっていた。客はじっとかき揚げが揚がるのを待ち、麺を茹でる担当の店員さんも待機している。このお店では、揚げ油さんのご機嫌次第で運営されている。

麺は、茹で麺をお湯で温め直すだけであり、これは一般的な立ち食い蕎麦屋と一緒。かき揚げに相当時間がかかるんだから、生麺を使ってクオリティ上げてもいいんじゃないか?と思うが、生麺の方が原価が高いのだろうか。いや、それ以前に生麺を茹でるためには小さなテボでは無理だ。ラーメンみたいにぐりぐり箸でほぐすと、蕎麦ならすぐにブチブチ切れてしまう。大きな茹で釜に買い換えないといけないから、やっぱり茹で麺の方がお店にとっては良いのだろう。

かき揚げそば

そろそろかき揚げが出来るかな、というタイミングで蕎麦が温められ、丼に入れられる。そこに揚がったばかりのかき揚げが載り、その隙間からつゆが注がれる。「つゆを注いだ後にかき揚げをオン」ではないのだな。

「とんがらし」という水道橋のお店では、揚げたての天ぷらを蕎麦にオンしたら「じゅうう」と油がはぜる音がする。揚げたてフレッシュな証拠!いいねえ!と思ったものだが、このお店では全くその音がしない。どうやら、「とんがらし」では単に油切りがしっかりしていなかっただけ説浮上。パフォーマンスとしてはすばらしいけど、したたる油をそのまま蕎麦に入れてしまうのは体に良くないかもしれん。

そんなわけで、かき揚げそば440円。

揚げたてのかき揚げは嬉しいのだが、蕎麦としては普通。冷めてしまうと凡庸なものになってしまうので、これは急いで食べないと。

隣では、マレーシアの人?っぽい女性が、日本人に連れられてお昼ご飯を食べに来ていた。NTTの関係で日本に仕事でやってきたっぽい。日本人に説明されつつ、かけそばを食べていたのだが、果たして美味しいと思ってくれただろうか。かけそばって、外国の人からみたら「貧乏臭く」感じないだろうか?折角だからかき揚げそば食べりゃいいのに、と思ったが、これはこれで油の塊のように見えて、マレーシア人?には向かないのかもしれない。

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