十割蕎麦 道菴

2015年01月23日
【店舗数:379】【そば食:634】
東京都港区新橋

エゾ鹿せいろ

新橋に昼時に用事があったので訪れた。「サラリーマンの町」として紹介されることが多い土地柄だけど、じゃあそれ以外の場所はサラリーマンはいないのか?と不思議になる。でも、この駅周辺には居酒屋など「おっさんが愛する店」が数多く存在し、マスコミ的には「よっぱらったおっさんにインタビューするには最適な場所」なのは間違いない。

そんな場所でランチを食べようとすると、選択肢が多すぎて困る。多分本気で探検し、食べ歩きをするとなると大変なことになる。だから、やらない。多分僕の性格なら、「新橋ランチ食べ歩き10選」とかやりはじめて、面倒なことになるから。

「蕎麦でも喰おう、蕎麦でも」

と、アンテナを伸ばそうとする自分を戒めて本日のランチは蕎麦に決定。調べて見ると、エゾシカの蕎麦を出すお店があるということがわかった。それは面白い、ジビエ蕎麦か。鴨やイノシシまでなら想像ができるが、エゾシカというのは見たことも聞いたこともない。

建物の二階にお店

道菴、というのがお店の名前だ。新橋駅から浜松町方面に向けてしばらく歩いたところにある。建物の二階にあるため、やや場所がわかりにくい。

道菴入り口

そんなわけで、階段の入り口部分にはいくつも張り紙や看板が出ている。

こういうとき、「十割蕎麦」という殺し文句はとても有効だ。十割の蕎麦が必ずしも美味しいとは思わないが、少なくとも店のやる気は感じられる。これなら、お店の様子がうかがえない二階という立地条件であっても、足を踏み入れたくなる。

お品書き

ランチのお品書きはシンプル。冷たい蕎麦と温かい蕎麦がそれぞれ5種類ずつ。でも、青森産の合鴨、天然ホワイト海老、エゾシカ、国産長芋・・・とそれぞれこだわっていることがわかる。こだわっているが故に、ランチにしてはお値段がかなりイイカンジになってしまうのだが、それはもう仕方がない。

道菴店内

開店直後ということもあって、店内のお客さんはいなかった。

壁のあちこちに、「食べ終わったら長居はしないで欲しい」みたいなことが書かれた張り紙が貼ってある。客席数が少ないお店だし、ランチともなれば非常に限られた時間内に大量のお客さんが集中する。食べ終わってから談笑されては困る、というのはよくわかる。

えぞ鹿せいろ

エゾ鹿せいろを頼む。ランチ時は、大ぶりな卵焼きがサービスされるので嬉しい。

つゆが美味しい

蕎麦はちょっと変わった香りがする。あまり経験がない香りだが、なんだろう?十割だけど、ボソボソ感はなく歯ごたえ良くおいしい。

そして何より秀逸なのがエゾジカが入ったつゆだ。つゆを飲み干そうか、と思ったくらいのいい塩梅だったし、ネギや水菜といった青菜がふんだんに入っているのがさわやかで良かった。

これがえぞ鹿

エゾジカ自体は、「物珍しさ」という要素を除くとそんなに旨いものではない。鴨や豚の方がはるかにいい味だ。しかし、脂っ気がない赤身肉なので、無駄に蕎麦の味を妨害せず、むしろうまい蕎麦を楽しむにはこういう肉の方が相性がいい気がする。

値段を考えるとそう頻繁に食べられるものではないけど、満足感のある食事だった。にっこり。

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