手打ち蕎麦切り 匠

2015年02月25日
【店舗数:387】【そば食:644】
東京都千代田区神田須田町

合い盛り

匠

秋葉原は一昔前、食事不毛の地として不動の地位を確立していたと思う。あれだけ電気街として栄えていたのに、あまりに電気に夢中になってしまったあまりに食事そっちのけになっていた感がある。これは冗談でもなんでもなく、本当にそうだったんだと思う。それくらい、食べるお店がなかった。

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しかし今や秋葉原はマニアの街から観光地へとかわり、人々の食欲をも満たす場所でないといけなくなった。そのせいで食事には困ることはもうない。いびつな街がまたひとつ減り、画一的・没個性化していくのはとても残念だ・・・と思ったが、そこら中にメイド喫茶の客引きのお姉さまたちがウロウロしている。まだまだ秋葉原は特異な存在であり続けるのだろう。

さて、この日秋葉原で食事でも、と思ったのだが、敢えて電気街とは違う方向に歩いてみた。すると、人通りがあまり多くない路地に、さりげなく蕎麦屋を発見。「匠」という。手打ち蕎麦?ほう、それは良いお店を見つけたものだ。お店の雰囲気からして、悪くなさそうな予感がする。

なにやらいろいろ拘りがあるっぽい

21世紀になってからの蕎麦屋の大躍進は本当に驚く限りだ。そこそこにうまい蕎麦が当たり前のようにあちこちで食べられる。僕が昔このコーナーを立ち上げた頃は、「旨い店もたまにあるよね」というつもりだった。当たればラッキー、くらいの宝探し感覚だ。しかし今じゃ、敢えて地雷を踏みに行かない限り、まずい蕎麦に出会うということはなくなった。むしろ、手打ち蕎麦を標榜するお店なんて、石を投げれば必ず当たるくらいの勢いだ。

蕎麦業界は、機械化と逆行する世界だ。蕎麦屋としての労働時間は昔よりもむしろ長くなってしまっているのではないか。「蕎麦屋はブラック」とか言われないよう、適度に頑張って欲しい。

さてこの「匠」だが、店頭に「常陸秋そば100%」とデーンと明記している。そして、自家製粉、生粉打ち十割蕎麦とも書かれている。おお、これは中に入らなければ。頭のなかでは、近くにある「雲林坊」で汁なし担々麺を食べる気マンマンだったのだが、急ブレーキ。シビレる辛さからあっさりした蕎麦に気持ちを切り替えるのに、約5分を要した。その間、店の前でウロウロと不審人物の様相。

合い盛り

店内は、カウンターと普通の席がある。もともと居酒屋か何かの居抜きだろうか?カウンターの中を見てみると、レジのすぐ下に石臼が置いてあったのが面白かった。普通、「自家製粉やってます」という蕎麦屋の場合、それをPRするためにお店の目立つところに置くものだ。しかしこのお店の場合、場所がなかったためにカウンター内レジの下という配置になっているのだった。これじゃ、製粉された粉を取り出すのも大変じゃないかと思うが、石臼を見せびらかさないというのがなんだか良心的にも見える。

二色の合もりがあったので、それを選んでみた。「ざる」と、「田舎」。4つの山に盛っているのが特徴的だ。見た目とてもいいのだけど、実際に食べる際は麺同士がだまになりやすく、ほぐすのにやや苦労した。見栄え重視な盛り方だと思う。十割なので、即座に食べないと麺がバサつくのかもしれない。

ただ、蕎麦の味は素敵。これだけしっかりとした味なら、鴨汁に漬けても負けない旨さだと思う。うう、まだまだ寒いし、もりそばよりも温かいつゆで食べた方が良かったな。今度はやせ我慢しないで、温かい蕎麦を食べに訪れたいと思う。

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