2015年05月02日
【店舗数:—】【そば食:653】
東京都葛飾区新小岩
あさり、ごぼう天ぷらのぶっかけそば
世間一般ではゴールデンウィークだが、完全に出遅れた僕は一人自宅で掃除洗濯をやっていた。外出してもいいかな、という気持ちはあったのだが、どうせ近場どこもかしこも人でいっぱいだろう。それを思うと、行く気が萎える。
そんな中、新小岩に「マンションの1階が銭湯」というところがあることを知り、行ってみることにした。温泉に行くのは大変だけど、銭湯だったら気軽に行ける。お値段だって東京都が定めた一律料金なので安心だ。
そんなわけで訪れた新小岩だったので、ついでにご飯を食べていくことにした。新小岩は食べるお店に不自由することがない街だが、わざわざここでリンガーハットとか餃子の王将とか日高屋、というのはどうにも冴えない。かといって、何か良いお店の候補があるというわけでもない。
ここからバスでしばらく南下したところに、「うなぎ界のラーメン二郎」と呼ばれるほど、うな重の盛りが豪快なお店があるのだが、行列が絶えないお店でかなり待つことになるので今回はやめにした。そのお店は本当にすごい。下品な盛りではなく、単に「えっ、このお値段なのにこんなにウナギ乗っててええの?」という驚きだ。
で、結局落ち着いたのが「砂場」だった。今回で三度目の訪問。ソバロンチーノに衝撃を受けた一回目の良い印象があるので、こうやって訪問を重ねている。正直、蕎麦そのものはそんなに美味しいと思わないのだが、値段が良心的だし、意欲的にメニューを創作しているというのも好印象だ。
ほら、店頭に飾られている週替わりメニューを見ると、「あさり・ごぼう天ぷらのぶっかけそば」なるメニューがあるぞ。この時期潮干狩りのシーズンだし、あさりなんて嬉しいね。
「気まぐれ手作りデザート」というのも気になる。蕎麦屋のご主人が気まぐれを起こすと、一体何が作られるんだろう。このお店のことだから、和風に収まるとは限らない。
何しろ、酒肴メニューとして黒板には「トリッパのトマト煮込み」なんてのもメニューにあったくらいだ。トリッパ!イタリアン酒場状態だ。一体どこからそんなもの仕入れてくるのよ。
店内は、客半分くらいながらも席の全てに下膳されていない食器が放置されていた。接客を担当している奥様が、いつの間にか厨房で蕎麦を茹でているような有様で、今日は人不足らしい。
トリッパを頼んでみたいという気もしたが、うーん、トマトで煮込まれたハチノスをグミグミと噛みつつ蕎麦をすするってのはどうも冴えない。お酒を飲まないでトリッパはなかなか難易度高いぞ。結局断念し、黒板に書いてあった「あさり、ごぼう天ぷらのぶっかけ」を頼んでみた。
出てきた蕎麦は、あれ?こんなに白かったっけ、というくらい細くて白い麺が印象的。ぶっかけという荒々しい食べ方をするにはやや心細いが、まあ問題ない。何しろ、ニンニクやナスでガッツリ仕上げたオリジナル料理「ソバロンチーノ」がうまいお店なんだから。
無造作に天ぷらに箸を伸ばすと、ゴボウのつもりで食べるとあさりで歯ごたえが優しく、「あれっ」と思わず歯が空転してしまったり、あさりのつもりでゴボウを食べてしまうと歯が突き刺さってびっくりしたり。何度か食べているうちに、どの天ぷらがゴボウで、どれがあさりかは見分けがつくようになってきた。
多めのわさびをつゆに溶かしつつ、どーんと食べる。豪快に食べる。当たり障りのない味だなあ、という印象が強いが、それは多分ここ最近「港屋インスパイア系」のがっつりした蕎麦をよく食べてきたからだ。蕎麦って、こういうしなやかさも魅力だよね、でもしなやかであっても、ぶっかけちゃてがっつり食べるのもいいよね、なんて思いつつ、ずるずる。
お会計800円を払って、お店を後にした。
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