そば 俺のだし GINZA5(02)

2015年09月08日
【店舗数:—】【そば食:659】
東京都中央区銀座

酒菜六点盛り、レバーペースト、キンキ煮付け、俺の肉そば、俺の鶏そば、自家製ジンジャーエール、蕎麦茶

20150908-030

最近、すっかり蕎麦から遠ざかっている。やはり「昼酒ありき」で急接近した蕎麦屋だったので、お酒を人生から除外してしまうと、蕎麦屋ののれんをくぐる機会がめっきり減ってしまった。食べたい、という欲求すら随分しぼんでしまったので、たぶん今後食べまくることはないのだと思う。

そもそも、外食すらほとんどしなくなってしまった。外食するよりも、家でくつろいで食事をしたほうが気が楽だからだ。蕎麦屋に行く・行かない以前の話だ。

「じゃあ、さぞやエンゲル係数が下がってお金が節約できているでしょう?」と言われそうだが、その実感は全くない。お金がどこに消えているのか、家計簿をつけている割にはよくわかっていない。そりゃ、一人暮らしの分際で宅配ピザLサイズとか頼んで、一日で食べつくしているようじゃお金がいくらあっても足りない。

蕎麦喰い人種、という名前は返上しなければならないだろう。そもそもこのコーナーを存続させることが難しくなってきている。僕では「蕎麦ライター」でもないので、食習慣や嗜好が変わればそれはしかたがない。

昔は、隙あらば蕎麦屋、と考えていた。どこか外出したら、その外出先近辺で蕎麦屋がないだろうか?という発想があった。もっとも、そこには冷酒の一杯が付いて回るんだけど。でも今じゃ、そういう発想がそもそもない。とっとと家に帰って、テレビでも見ながら夕ご飯食べよう、となっている。

そんなわけで、もし蕎麦を食べるのだとすると、「家でくつろぐ」という誘惑に勝る、ガツンとわかりやすい味でないと納得がいかない。なので、少量とつるつるッと手繰る、という蕎麦はどうも僕の好みではなくなっている。中途半端だからだ。まさか、蕎麦を手繰った後家で食事を食べなおし、というわけにはいくまい。最近は食べたら食べた分だけ太ってしまう体だし。

「ジジイ黙れ」と言われそうだが、別にこれは愚痴ではない。歳相応に、暮らし方を変えていきます、というだけの話だ。

で、その「ガツンとした蕎麦」としてすぐにイメージされるのが、「港屋」系の蕎麦だ。食べ応えある太さ、量、そしてラー油によるインパクトある味。「食ったァ!」という満足感と少しの後悔、そういうのをひっくるめて「家でくつろぐよりも上回る魅力」を提供してくれる。とはいえ、わざわざ港屋系の蕎麦を出す店に食べに行こう、という気にはなかなかならなかった。お昼ご飯ならともかく、夕ご飯ならなおさらだ。

この日、会社の懇親会が銀座で開催された。時代の流れなのか、「お酒を飲まない人」「飲んでも、乾杯の一杯程度でおしまい」という人が参加者の中でそこそこの勢力を持つようになってきている。「お酒は飲まないので」という理由で懇親会参加をお断りする人がその場にはいないことを考えると、「酒離れ」は着実に広まっていることを実感する。お酒を飲む人も、そんな勢力分布に引きずられてか、酔っ払って大きな声を出したりご陽気になるような人が少ない気がする。全員がほろ酔い程度で終わる、お行儀の良い飲み会だった。

お店を出て駅に向かっていく途中、お酒が好きな課長に「やっぱりこの後『俺のそば』なんですか?」と冗談で声をかけてみた。この課長とは過去何度か一緒に俺のそば(正しい店名は「そば 俺のだし GINZA5」)に行っているからだ。そうしたら、課長はがぜんやる気になっちゃって、

「えっ、行っちゃうの?しょうがないなあ、行くしか。いや、おかでん君は無理強いしないよ?帰っていいんだけど、無理強いは、しない、よ?」

と嬉しそうに振り返った。こっちは単に冗談のつもりで声をかけたのに、ほろ酔いの人にはその声掛けが「お誘い(挑発ともいう)」に聞こえたらしい。やべえ、寝た子を起こしちゃった。

その前に、「期間限定でマジックメーカーのぺんてるが『GINZA RAKUGAKI Café&Bar by Pentel』ってのをやってますよ」って水を向けていたんだが、そっちはほとんど興味薄でスルーしていた。僕としてはこっちが本命だったんだけど。で、「お、ハシゴ酒上等の課長にしては珍しく今日はまっすぐ家にお帰りになるんだな」と思って「俺のそば」というキーワードを使ったら・・・まさかこんなに豪快に釣れるとは。結局、課長2名とヒラ社員のわたくし1名の3名でお店訪問となった。

時刻は21時半近く。さすがに繁盛店とはいえ、この時間になると空きがでてくる。とはいっても、座席があるテーブルはまだ満席であり、立食となるカウンター席ならご案内できますが、と入り口に立っていた店員さんに釘を刺された。むしろそっちのほうが好都合だ。

「いいですか、30分一本勝負ですよ?だから立ち席にしますよ?」
「大丈夫、蕎麦だけ食べて帰るから」

そんなわきゃない。このお店で、何かつまみを食べて、お酒を飲まないわけがない。あー、これは1時間コースだな、とこの時点で悟った。

「では立ち席にご案内します。椅子席だと席料としてお一人300円かかるんですが、それがかかりませんのでその分多く飲んでいってください」

と店員さんが言う。おう、魚心あれば水心、ってやつだな。

レバーペースト

それにしても毎回感心させられるお店だ。メニューがいつも違う。内容が違うのはともかく、全体のデザインというかレイアウトからしてころころ変わる。

日替わりメニューは紙に書かれているのだが、そうでないメニューはラミネート加工されている。そのラミネート加工ものでさえ、頻繁に変更されているわけで。

紙に書かれているメニューには、「限定5食」「限定10食」といったものが多い。おそらく21時半にもなれば、これらのメニューは全滅しているだろう。店員さんに確認するまでもない。なので限定ではないレギュラーメニューから頼んでいくことにする。

「やっぱり飲むんですよね?」
「そりゃあまあ。蕎麦が茹で上がるまでの間、ちょっと時間つぶしに」

よくいうよ。で、課長たちは「俺の泡」(スパークリングワイン)を頼み、飲み始めた。ちなみにその後、獺祭に切り替え、なぜか最後蕎麦を食べる段階になって生ビールを頼んでいた。変な飲み方だ。

懇親会の後に訪れたお店だ。もちろん一軒目で食事は食べているので、ここでは本当に酒のつまみになる程度のものでいい・・・はず、だ。でも課長は「蕎麦は一人一杯だよね?」とか言ってる。やめろやめろ、このお店の山盛り極太蕎麦を一人一杯なんてこの段階で何考えてるんだ。健啖っぷりに驚くしかない。僕よりもよっぽど食う気満々じゃないか。

「三人で一杯でよいと思うんですが」

とたしなめたら、物足りそうな顔をして

「三人で二杯にしよう。おかでん君と僕とで半分こにして、あと一杯はこの人(もう一人の参加者)が食べる、ということで」

と言っていた。よくやるよ。

というわけで最初に出てきたのがレバーパテ。是非レバーパテが食べたい、というわけではないのだけど、380円ということで安いのでついつい頼んでしまった。

届けられたレバーパテはかなり量がある。それに比べてバゲットの量は少ない。店員さんに「バゲットっておかわりできるんですか?」と聞いたら、「200円になりますけど、おかわりはできます」とのこと。

「ははーん、このパテ、安いですけどからくりがわかりましたよ。バゲットが足りなくなっておかわり、おかわりしたらパテが足りなくなってパテおかわり、そうしたらバゲットが足りなくなって、という無限ループですよ。商売上手ですね」

そういいながら食べたが、結構旨いんでやんの。案の定バゲットはおかわり、となった。さすがにそこからパテおかわりまではいかなかったけど。

六点盛り

このお店を訪れるつど、毎回頼んでいる「酒菜9点盛り」。今日はその9点盛りが見つからなかったので、6点盛りを頼んでみた。これで780円。

なすの煮浸し、ウニとコンソメジュレ、鮎、湯葉、焼きチーズ、いくら。

相変わらずよくやる。これで780円だなんて。もし一人一皿これを支給しておけば、あとは他に料理の注文はいらないくらいだ。で、お店としてはそんなことやられたらかなわないだろう。しかしこの盛り合わせがまかり通っているのは、「でも他にもあれこれ頼みたいでしょ?ほらほら」と誘惑に余念がないからだ。

キンキ煮付け

キンキの煮付け。880円くらいだったと思うが、正式な値段は忘れた。

結構量が入っているぞ!と思ったが、豆腐がキンキを底上げしていた。それでもふっくらと煮付けられたキンキはかなり満足度高く。ニコニコだ。

酒を飲んでいる人なら、酒がはかどってかなわんだろう。

僕は相変わらずジンジャーエールなんぞを飲んでしらふで時間をすごしております。

肉そばと鶏そば

ラストオーダーという店員さんからの案内にせかされて、最後肉そばと鶏そばを注文。ほらー、結局1時間以上滞在していたぞ。

酒が入って酔っ払ってきつつあるお二方は、「いかにして深夜のサッカー中継やNFL中継をリアルタイムで見るか」というマゾ話自慢をしあっていた。シーズン中は睡眠時間を削りながら日々をすごしている話がノンストップで展開中。

さて、肉そばと鶏そば。何度も食べているものなので、今更何かを言うことはない。

肉そばアップ

鶏そばアップ

上が肉そば、下が鶏そば。

夜間限定で「かわりそば」があったので、店員さんに「これは何ですか?」と聞いたら、山椒そばとよもぎそばがあるのだという。へー、そんなこともやっているのか。

二人とも「うまいうまい」と言いながら食べていた。みんなで箸をつつきながら、立って食べる蕎麦は楽しい。帰宅は24時近くになってしまったが、訪れることができて良かった。

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