そば 俺のだし GINZA5(03)

2017年03月30日
【店舗数:—】【そば食:674】
東京都中央区銀座

鶏レバーパテ、酒菜九点盛り、生桜えびのかきあげ、俺の鴨つけ蕎麦、肉そば(温かけ)

そば俺のだし外観

久しぶりの「そば 俺のだし」訪問。

「いいお店があるなら紹介してほしい」というガッツを持っている人と話をしていると、「俺の」シリーズのお店にとっても興味を持っていることが多い。「ぜひ連れて行ってくださーい」なんて言われることがよくある。

そこで、その手の食べ歩きが好きそうな人に声をかけて、「俺の会」なるものを発足させた。「俺の株式会社」が展開する、「俺のフレンチ」、「俺のフレンチ」などを毎月一回、定例会として巡っていく企画だ。1年くらいかければ、全種類の店舗を回ることはできそうだ。なにしろ、「俺の焼肉」「俺の揚子江」といったジャンルまで展開しているお店だ。1回2回と巡ったくらいでは、コンプリートはできない。

そんな「俺の会」第一回会合は、毎度おなじみ「そば 俺のだし GINZA5」となった。というか、僕は「俺の」シリーズでこのお店にしか行ったことがない。早く他の店にも行ってみたいものだ。

複雑な銀座数寄屋橋の地下にあるお店。GINZA5からアプローチすればすぐなんだけど、地下鉄駅から地下道をグネグネと歩くと、駅施設に阻まれたり、階段の上がり下がりがあったりして混乱する。地理感に乏しい、読図が苦手な女性が参加する場合、「現地集合ね!」と安易に決めてしまうと開始時刻が遅れる可能性がある。ちゃんと最寄り駅からエスコートしよう。

僕が初めてこのお店を訪問したとき(2014年)は、立ち席のみだったと思う。席の予約はなかった。しかし、座席が用意されるようになったし、電話予約も可能となった。今回(2017年)においては、ネット予約もできるようになっていた。便利になったものだ。

「俺の」シリーズのお店の特徴は、「高級な食材をリーズナブルに提供するために、狭い店内に客を押し込み、立席形式にすることで回転率を上げる」というスタイルをとることだ。しかし、「そば 俺のだし」の様子を見る限り、それとはまったく逆の展開を見せている。やはり、単に効率化を推し進めていたのではダメということなのだろう。

開店直後のこのお店は、客が少なくて穴場だった。「立ち食い蕎麦屋」と勘違いされている節があったからだろう。「立って食べる、蕎麦屋」って同考えても駅にある立ち食い蕎麦屋だ。でも実際は、フォアグラが乗ったステーキが食べられたり、金目鯛の煮つけが食べられたりするお店なのだけど。

レギュラーメニュー

テーブルチャージは300円。予約は90分単位。120分ではないところが、「高回転をキープしよう」というこのお店のスタイルだろう。実際この日、宴会開始から60分が経過した時点で「ラストオーダーです」といわれて面食らった。えっ、もうですか?と。

「飲み物はまだですよね?」
「飲み物もラストです」

本当に潔い。その後も、お会計を請求にきたり、時間管理はかなり徹底して運営していた。我々は店長さんのお許しをいただき、100分ちょっといさせてもらったけど、これはたまたま後からやってくるお客さんの到着が遅れたからだ。

とりあえずメニューを見る。

「えっ?」

思わず、メニューを凝視する前に店内をきょろきょろしてしまった。

メニューが変わっていたからだ。昔は、手書き風の紙にメニューが列記されていて、さらに今日のおすすめとして別紙があった。しかし、本日の食べ物はこのメニューただひとつ。メニューを絞り込んだらしい。

昔は、「蕎麦屋なのに洋風な料理が実はいっぱいある」という面白さがあった。今回のメニューを見ると、全体的に和を中心とした構成になっている。あれもこれも、と手広くすると食材の管理が大変だからなのかもしれない。惜しいけど、まあそうなるよな、と思う。これまでが大盤振る舞いすぎたんだ。

そのかわり、相変わらず「俺のローストビーフ」など「和風」ではない肉料理もある。これが「俺の」を冠したお店ならではだ。

店頭メニュー

「本日のスペシャリテ」メニューは店頭にだけあった。折角のおすすめなのに、客席にメニューを置いていないのはもったいない。今日は「俺のフォアグラとザブトンの照り焼き」が特におすすめのようだ。1,380円。

あと、蕎麦においては、「俺の鴨つけ蕎麦」というのが冬季限定でやっているらしい。頼んでみなきゃ。

鶏レバーパテ

鶏レバーパテ。

レバーパテはかなりクセが強いやつがある。「こういうクセも、味わいのうちだ」と思ってうまいうまいと食べるけど、いざクセがあまり強くない、食べやすいやつに出会うと「やっぱりクセが少ないほうがいいなあ」という気になる。

パテはたっぷりあるので、厚切りバケットの上にこれでもかと乗せて食べる。

僕は酒を飲まないので、こういう料理とどう接してよいのか、ちょっと困るときがある。スナック感覚で食べればよいのだろうか?

ほたるいか天ぷら

ほたるいか唐揚げ。

ほたるいかといえば沖漬けまたは酢味噌和えというのが相場だけど、天ぷらという手もあったか!折角なので頼んでみた。

特に新しい味のサプライズはないけど、これはうまいと思う。オレンジジュースを飲みながら食べるのが、果たしてあうのかどうかは疑問だけど。

9点盛り

酒菜九点盛り。毎度毎度、ここに来るたびにこの盛り合わせを頼んでいる。お得としかいいようがない。お値段は980円。

彩り豊かに盛り付けられていてワクワクが止まらない料理だけど、大勢の人がいるときにはあまり向かない。一品一品の量が少ないので、シェアしづらいからだ。いっそのこと、ジャンケンなりドラフトなりで「だれが、どの小皿をゲットするか」というのを競い合ったら面白いと思う。

フォアグラ

俺のフォアグラとザブトンの照り焼き。ザブトンといえば、牛肩ロースの一部。脂が乗った希少部位として知られている。フォアグラ!希少部位!どうだ!というギラギラしたメニューだが、値段は案外手ごろ(1,380円)だからうれしい。さすがに一人ではこんなメニューは頼まないけど、仲間と来ているなら費用は頭割り。折角だからぜひ頼もう。

かき揚げ

生桜えびのかきあげ。

生桜えびをかきあげにしたら生じゃないじゃないか、なんてしょうもない突込みを入れるが、「かき揚げに調理する前の時点では生だったんだ、黙れ」といわれておしまいだと思う。

げんこつほどの大きなかき揚げっていいよな。ざくざくした食感こそが美味の源泉。食材のうまさなんて正直どうでもよくって、ガリガリ、ざくざくすることのほうが大事だ。

なみなみワイン

同席した人が頼んでいたお酒、「俺の白 なみなみ」。

このお店、ワインはボトル売りをやっておらず、グラス売りに徹している。白ワインは「俺の白」一択。しかし量に応じてメニューが二つあり、「グラス 650円」「なみなみ 850円」となっている。

「値段が結構違いますね?」
「どんな状態で出てくるんだろう?」

で、頼んでみたらこんな有様に。ワイングラスに注がれるのは一緒なんだけど、「なみなみ」は愚直なまでに「なみなみ」だった。

もうここまでくると、グラスを動かすことすらできない。最初の一口は、ひとまずグラス様のために人間がへりくだり、そーっと唇を近づけ、恐る恐るワインをすすることになる。卑屈なまでに。

「いやしいヤツだ!ワインに屈服しおったわ!」

いや、そんな大げさな話じゃないけど。

一口飲んだ後も、まだ油断はならない。しばらくの間は、おそるおそる飲んでいた。

肉そば

俺の肉そば。

看板メニューの「俺の肉そば」だけど、いつも冷たいものばかり頼んでいたので、温かけタイプのものを見るの初めてだ。

冷たい肉そばは、「港屋」のインスパイアであることを前面に出し、インパクト重視だ。しかし暖かい肉そばは、あまりインパクトがない。

「うん、うまいなあ」

仲間が蕎麦をすすりながら、語る。

「蕎麦って本来好きじゃないんだけど、ここの蕎麦だけはなぜか食べられるんだよね。どうしてだろう」

なぜなのかはよくわからない。僕自身、食べてみて特にここの蕎麦が変わっているとは思えない。しかし、蕎麦がしっかりした食感で、食べ応えがあって楽しいというのは間違いない。ヘロヘロした、茹でおきの立ち食い蕎麦屋とは全く異なるものだ。

鴨つけ

俺の鴨つけ蕎麦。

刻み海苔がわしゃーっと乗っていて、非日常感をかもし出している。

僕の好みだと、こうやって冷たい水でいったん麺をしめた方がいい。太くて腰のある麺を相手に、首をブルンブルン振りながら食べる感がとても心地よいからだ。

鴨肉は容赦なく器の底に沈んでいた。さすが、こういうところもケチらないところがうれしい。お店によっては、鴨汁蕎麦を頼んだら「鴨肉が一切れだけ入っていた」なんてこともあるから。

「シメ」にしてはシマりすぎる量をぐいぐいと食べる。一緒にいた女性は、「こんなに量が多いとは!」とまんがのように目を大きくして驚いていた。シメだから軽く食べる量、と思ったのかもしれないが、実際はそんなことはない。ガツーン、ドカーンという効果音があう、そんな量だ。

今回も満足。

そのまままっすぐ帰宅しようと思ったが、「折角だからもう一軒」という声に引き込まれてそのままショットバーへ向かった。ショットバーへ行ってもお酒を飲まないし、トマトジュースを飲んですごした。

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