ナカジマ会館

2017年07月29日
【店舗数:410】【そば食:678】
長野県長野市南千歳

きのこそば

上高地にある山、焼岳に登るために早朝東京を出発。朝8時過ぎには長野駅に到着していた。ここから上高地へは、高速バス「せせらぎ号」に乗って移動することになる。

当然朝ごはんは食べていない。旅情をかきたてるために東京駅で駅弁・・・とも思ったが、売店に群がる人を前に断念。そもそも、「旅の景気づけに、ノンアルコールビールを一発仕込んでおくか!」と思っていたのに、それすらままならない有様。まんじりと北陸新幹線の中ですごす。

とはいえ、もともと朝ごはんは長野駅で立ち食い蕎麦、と決めていた。駅弁が変買えなくてもなんら問題はない。

りんどう

北陸新幹線長野駅のホームにある、「りんどう」という立ち食い蕎麦屋。コンコースに向かう階段を下りてすぐ目の前にたたずむ堂々たる店構えだ。階段の真裏にひっそりとお店が埋没していることがある、東京界隈の立ち食い店とは違う。

りんどう自動食券機

自動券売機を見ると、「信州鹿肉そば」「鹿肉ハンバーグそば」といったメニューがあるようだ。おっ、いいじゃないか、これが旅情ってやつですよ。まさか立ち食いでジビエが食べられるとは。

お値段500円。立ち食いにしてはやや割高だけど、鹿肉ならこれくらい払ってもいい。よっしゃー、朝からジビエじゃぁぁぁぁぁ。

あれ?

財布をまさぐってみると、5,000円札または10,000円札しかないことが判明。自動券売機、使えないぞ?

「明るい家族計画」を思い出させるデザインのこの自販機、高額紙幣が使えないのは当然として、Suicaを使うことも出来なかった。珍しい、JR東日本の敷地内で営業していて、Suicaが使えないとは。国鉄時代からずーっと営業しているお店なのかもしれない。JR東日本から「Suica決裁、採用してくれませんか?」と依頼されても、「帰れ帰れ」と追い返せるくらい、長野駅のカオだったりして。

それはともかく、両替しなくちゃ。お店にいたおばちゃんに「両替お願いします」と声をかけたら、おばちゃんは苦笑しながら

「5,000円?ゴメン!」

と一刀両断。あ、両替はできないのか。鹿肉そば、残念ながら断念。

ナカジマ会館

新幹線改札を出て、在来線改札の隣に立ち食い蕎麦屋があった・・・と記憶している。そちらで食べることにしよう。気を取り直して、改札を出る。

すると、時代は流れるものだ。駅ビルが僕が知っているときのものと異なっていて、あったはずの蕎麦屋が消えていた。ありゃー、どうするんだよオイ。

バスの時間まであとわずか。困ったなあ、と思ったら、別のところに立ち食い蕎麦屋を発見。おっと、これは初めて見た。「ナカジマ会館」だって。おおよそ、立ち食い蕎麦屋っぽくない名前だけど、間違いなく蕎麦屋だ。

ナカジマ会館の由来

もともとは旅館だったそうだ。明治時代、長野駅で駅弁販売を開始し、平成に入ってからは飲食業から撤退して不動産業に特化したそうだが、2015年から立ち食い蕎麦屋で復活。だてに100年以上の歴史を持っているだけある、華麗なる業態変更だ。

自動食券機

料理の写真が券売機に貼り付けてあり、食欲をそそる。こういうのを見てしまうと、「じゃあ、かけそば!」とは言いづらい。ついあれもこれもとやってしまいたくなる。

そういえば、セルフうどんの店って、ビュッフェ形式のカウンターで天ぷらを取ることをやるけど、蕎麦屋でそのパターンは非常に少ない。何故だろうか?蕎麦と天ぷらの組み合わせだって、十分にうまいのに。というか、そもそもセルフ蕎麦という業態自体がないんだった。

信州きのこそば

信州きのこそば、430円。

わーい。

いかんよなぁ、メニュー名に「信州」って書いてあったら、脊髄反射的に「旅情!」って思ってしまう。さらに、「きのこ」というのは旅情ポイント2倍セールの対象商品だ。

そもそも「旅情」というのは損得勘定がからむヤラシイ概念だ。少なくとも僕にとっては。「折角旅行に行ったのだから、旅先のものを食べないと損だ」という発想が、心の中の数パーセントを占めている。そんな卑しい自分がとても恥ずかしいです。とか適当なことを考えつつ食べる蕎麦はうまかった。

何がいいって、卓上に置いてある七味が「八幡屋礒五郎」なんですよ。薫り高い七味をぱらぱらと振りかけると、蕎麦のグレードが1段階、いや2段階ほど上がる。きのこ成分の関係で粘り気が出たつゆに絡む七味は、味をくっきりとさせて心地よかった。

カロリーよし、暖気確保よし。さて、山に向かおう。