足立さらしなの里(02)

2017年12月02日
【店舗数:ーーー】【そば食:686】
東京都足立区古千谷本町

鴨南蛮そば

12月にもなると、そろそろ年越し蕎麦の心配をするようになる。

特に今年は、成長した姪たちにどこまで蕎麦打ちをやらせてみようか、ということもある。中途半端に蕎麦打ちをオモチャにされたら邪魔でしかないので、正しく興味を持ってもらい、健やかに蕎麦打ちの技術を毎年向上させていって欲しい。で、数年後には蕎麦打ちをバトンタッチだ。または、半分は僕、半分は姪、というやり方にしてもいい。

そんなことを考えていたら、実家の母親から「今年の年末は鴨南蛮がいいな」というLINEが入った。以前、にしんそばを出して主に姪たちの不評を買ったのは記憶に新しい。余計なことをしないで、シンプルに、王道にうまいものがいい、ということなのだろう。

ただ、鴨肉は高い。その値段にびびってしまい、店頭で立ち尽くしてしまうことがしばしばある。一度、ケチって「タイ産」の鴨肉を使ってみたら、火を通したら肉がチリチリになってしまい、微妙な味だったこともあったっけ。

「豚肉南蛮でどうだろうか?」と僕からは違った提案をしてみた。豚肉だって、鴨肉に負けず劣らず、いい味が出る。そして、安い。しかし母親は、「鴨がいい」と言う。よし、じゃあ今年も鴨南蛮でいこう。

とはいえ、これまで上手に鴨南蛮を作ることができたためしがない。そもそも、「鴨のうまみをつゆに移すべきかどうか」というところでブレている。鴨肉を煮るか、焼くかの違いだ。

どうしよう?

クックパッド様に頼るのも悔しいので、いったんここはプロの味を確認してみることにした。

足立さらしなの里外観

訪れた先は、「足立さらしなの里」。以前、1度訪問してうまかったので、再訪。「また来ます!」ってご主人を前に約束したし。

ただし家からかなり遠いので、面倒だったのでついついカーシェアを利用してしまった。ものすごく交通費が高くつく蕎麦食いだ。

鴨南蛮そば

鴨南蛮、1,780円。

このお店では一番高い単品メニューだと思う。さすが鴨肉、安くはない。

入店した時、天ぷら用のごま油の香りが店内に漂っていたので、「舞茸と野菜の天もりそば」を頼もうか、と浮気しかかったけど、気を取り直す。不思議なことに、このお店には天ぷらの単品メニューがない。もし単品メニューがあれば、頼むのに、惜しい。

イベリコ豚肉南蛮、というメニューもある。こちらは880円。ブランド肉であるイベリコ豚でさえ880円とお安いのに、鴨南蛮はその倍以上の値段になる。それだけ希少で高価な肉、ということだ。

蕎麦屋酒を楽しんでいた頃は、シメに蕎麦を食べるので「もりそば」がほとんどだった。暖かい蕎麦を食べるなんてことは、少なかった。そもそも、「暖かい蕎麦なんて、蕎麦本来の味がわからなくなるよ」なんて若干軽視していた。

しかし今、お酒をやめてから蕎麦を食べてみると、しみじみとあたたかい蕎麦のうまいことよ。冬になると体に染み入る。特に、立ち食い蕎麦とは似て非なる文法のつゆは、一口飲むとハッとさせられる。

立ち食い蕎麦のつゆは、濃くて、甘くて、辛いというくどさが強いものだ。でもそれが、慌ただしく食べる時には満足感をもたらしてくれる。「食べたーッ!」という感じがして。

一方、蕎麦屋のつゆは、もっとキリッとしている。素っ気ない、というか、余計な輪郭をそぎ落とした感じがする。どうすればこのつゆの味になるのだろう?年末に向けた、課題だ。

ぜひまねをしたいけど、なにせ両親は西日本の人。キリッとしたつゆを受け入れてくれるだろうか?年越し蕎麦まであと一ヶ月弱。しばらく悩んでみようと思う。そろそろ、行き当たりばったりでつゆを作るのではなく、ちゃんと計画的に作りたいものだし。

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