ネパール ミテリキッチンレストラン&バー

2018年09月25日
【店舗数:429】【そば食:708】
東京都荒川区西日暮里

ディドセット

蕎麦喰い人種なのにネパール料理?

不思議だと思うが、ネパールでも蕎麦は食べるらしい。さすがに「蕎麦切り」と呼ばれる麺状態では出てこないけれど。よく考えると、蕎麦みたいなぼそぼそした食感の穀物を、日本人はよくぞ麺にしようと思ったものだ。北朝鮮でも蕎麦粉を使った冷麺という食べ物があるけれど、こういう食べ方は世界的に見て珍しいと思う。

・・・と思ったけど、念のために調べてみたら、世界各国で「蕎麦の麺」ってあるものなんだな。パスタ王国イタリアにも、「ピッツォッケリ」という名前の蕎麦切りがあった。茹でたジャガイモやチーズソースと和えて食べるんだそうだ。いつかこれも食べてみたい。

で、西日暮里にあるネパールレストランでは、その蕎麦を使った料理が食べられるという。

「インド料理店」を名乗ってはいるけれど、実際にお店をやっているのはネパール人だった、という話はちょくちょく耳にする。また、「インド・ネパール料理店」という名乗り方をしているお店は結構多い。

この西日暮里のお店「ミテリ」は、ガチのネパール料理を出すお店らしい。すぐ近くにネパール食材を扱うお店も経営しているようなので、多分本場の味を楽しませてくれそうだ。

メニューの下半分は、普通のインド料理店で見かけるラインナップ。しかし、上の段がちょっと面白い。南インド料理店のミールスみたいに、大きな皿にちょこっとずついろいろな料理が盛られているパターンだ。ネパールって、こういう食べ方をするのだろうか。

アチャールとかチウラとかダルバトーとか、あまり日本人に馴染みのない言葉がメニューに並ぶ中、ひときわ異彩を放つのが「ディドセット」だった。これだけ、ライスでもナンでもない、なにやらどす黒い団子みたいなものが盛られている。こいつが、蕎麦粉を練ったものらしい。つまり、そばがきだ。

そばがきをカレーで食べる!

経験が全くないので、面白い。

これが「ディドセット」。1,300円なので、ランチとしては結構お高い。インドやネパールのカレー屋というのは、ランチで食べると随分安くお腹いっぱいになれるのだけど、さすがにこれはそうはいかない。

なにせ、アチャールをはじめとしたつけあわせがいくつも並ぶし、そもそもこの「ディド」をこしらえるために、厨房では一生懸命蕎麦粉を練った筈だ。ナンよりも手間がかかる。

丸く盛り上げられたディドの真ん中には少しくぼみがあり、溶かしバターが注がれていた。

味はそのまんま、そばがき。

これをカレーにつけて食べるのだけど、とても気に入った。はっきりいって、塊のそばがきはカレーとさほど馴染みがよくない。たぶん、ナンで食べた方がカレーそのものをおいしく食べられると思う。でも、素朴な蕎麦の風味でカレーを食す、という未体験のワクワク感が、美味しさを引き立てた。少なくとも今回は、物珍しさもあって大変に美味しく感じた。

そしてこれはかなりお腹いっぱいになる食べ物だった。こじんまりまとまっているディドだけど、中身はみっちりと詰まった蕎麦粉だ。そりゃあ、ナンやライスと比べて腹にずっしりと溜まる。

本場風に食べるならば、このディドを手でつまむそうだ。一瞬躊躇して、やっぱりやめてスプーンで食べた。案外、やろうと思ってもできないものだな、手で食べるというのは。