川むら

2018年10月15日
【店舗数:430】【そば食:709】
東京都荒川区西日暮里

大もり

川むら外観

日暮里駅から谷中中心部に向けて歩いてすぐのところにある蕎麦店。

以前から気になってはいたけど、入ったことがないので今回初訪問となった。

寿司店、蕎麦店で、「苗字の一部をひらがなで表記する店名」というのは多いけど、これはどういう美意識に基づくものだろうか?何か、こういうムーブメントを起こしたきっかけの巨匠みたいなのがいて、その人リスペクトだったりするのだろうか。

蕎麦屋の店名に限らず、飲食店の店名というのはなんとなく流行り廃りというのがあるようだ。ラーメン店は顕著で、2000年に入ってからこの方、「麺屋●●」と名乗るお店が増えた。

川むら店内

店内は、黒いスーツに黒ネクタイ、黒ドレス、といったお客さんが大勢いた。

この周辺はお寺とお墓がたくさんある。墓参か法事か、何かの関係で親族が集まったのちに食事をしているのだろう。

川むらお品書き

一方で谷中を訪れた外国人観光客も時折のれんをくぐってきていた。そんなお客さんは英語のメニューを渡されていたけど、外国人はうーん、と考え込んでいた。いくら丁寧に英語で書いてあっても、蕎麦のメニューを理解するのは難しい。

「あんかけ」なんて、どう表現すればよいのやら。”thick soup SOBA”とでも略しているのだろうか?だとしたら、あんまりうまそうではない。本当はとろみこそ美味さの源!という料理なんだけど。

川むらお品書き

それにしても、何を頼もうか。

最近の僕は、蕎麦屋を訪問するといっても、濃いつゆで食べ応えのある「立ち食い蕎麦」や、太麺かつボリューム豊富な「肉そば」を好む。お酒をやめてしまった反動からだ。

昔は蕎麦屋で昼酒を楽しみ、シメで蕎麦を喰らった。なので、蕎麦は繊細であるほうが口にあった。しかし、酒がなくなり酒肴を食べなくなると、入店後いきなり蕎麦を食べることになる。繊細な蕎麦は、どうも気持ちが落ち着かないし、そのせいであんまり美味しいと思えなくなってしまった。残念なことだ。

川むらお品書き

もちろん、お酒を飲まなくなった僕でも、昔と同じように酒肴を頼んで、その後に蕎麦を頼むというやり方をして全く問題はない。つまみ類はお酒を頼んだ人限定のメニュー、というルールなんてないわけだし。

しかし、そうなるとお支払い金額が気になってくる。

お酒を飲まなくなって、飲食に関する金銭感覚というのはずいぶんと変わってしまった。

お酒を飲んでいた頃は、「3,000円」というのがひとつの目安だった。安居酒屋で飲み食いした際の金額がだいたいこれくらいだからだ。これくらいのお金を払うのは、なんとも思っていなかった。

しかし、お酒をやめてしまうと、1食に3,000円を払う、というのはなんとも惜しい気がするようになった。当たり前といえば当たり前の話だけど、しみじみそう感じる。

たぶん僕が酒飲みなら、ここで鶏山椒焼をつつきつつ冷酒を飲み、シメでもりそばを食べていただろう。お会計は3,000円弱になるだろうか。

じゃあ、お酒を飲まないで、鶏山椒焼きともりそばだけを頼むなら、お酒がない分安くつくよね!?と思うかというと、そうは思わない。「お昼ご飯にしては、高すぎるなあ」という印象になる。

(このお店の料理が不当に高い、と言っているわけではない。蕎麦屋というのはそれくらいの値段はして当然だと思っている)

大もり

そんなわけで、頼んだのは「大もり」。850円。

神妙な顔をして、1杯のもりそばをたぐる。

ずぞぞっ。

新蕎麦の季節ということもあって、香りを確かめたくて音を立てて蕎麦を手繰る。その音を聞いて、隣の席にいた外国人観光客さんがびくっとしていた。

あっ、ごめんなさい、外国の人にとってこの音はとんでもないノイズですよね。少し自制します。

大もりを食べたけど、何か満ち足りなさを感じた。味に問題はないのだけど、自分の嗜好が変わってしまったということだ。

 

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