並木藪蕎麦(02)

2018年07月14日
【店舗数:—】【そば食:703】
東京都台東区雷門

ざるそば

並木藪蕎麦

アワレみ隊のばばろあが上京していたので、浅草観光ののち「駒形どぜう」でどじょう鍋を食べた。

どじょう鍋は、それそのものがうまいかどうかはともかく、お店の風情や鍋の珍しさという点で希有な存在だ。ただし、腹一杯になるまで食べようとは思わない食べ物でもある。

ばばろあが「せっかく東京までやってきたのだから」とあれこれ食べる気満々だ。どぜう鍋で腹八分目、というのはむしろ好都合だったようだ。

駒形どぜうから雷門の方に歩いていくと、ちょうど目の前に「並木藪蕎麦」がある。ばばろあに「藪御三家の一つだよ」と教えると、が然彼は興味を示した。「せっかくじゃけえ入ろうや」と言う。

そういえば、このお店というのはいつも店頭に大行列ができている。並んでまで食べたいか?とその行列を見て思ってきた。なので、2003年に1回訪問したっきりだ。

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しかし今はどうだ、土曜日であっても、夜になると行列は嘘のように消えるのだな。店頭には誰もいない。これにはびっくりした。さすがにもう店じまいの時間かと思ったけど、まだのれんは下がっている。営業中らしい。(写真は、お店を出た後に撮影したもの。なのでのれんが既に片付けられ照明が落とされている)

これはラッキーなのかもしれない。なるほど、「せっかくじゃけぇ」という言葉には説得力がある。

まだ胃袋の中でどぜうさんたちがコンニチハしている真っ最中だけど、蕎麦も胃の中に入ってもらおう。

菊正宗

さすがに店内はそこそこお客さんがいる。お酒を飲んでいる一人のおじさん、カップル、学生、様々だ。

ばばろあは蕎麦だけ手繰れれば良い、と思っていたようだけど、僕は「ここまできたなら、菊正宗を頼むといいよ、樽の香りがしっかりうつった酒で面白いぞ」とけしかける。

結局、彼は菊正宗の常温を頼んでいた。「さっき冷酒を飲んだばかりなのに」と言いつつ。

一口飲んだ彼は、

「うお、ほんまに樽じゃね」

と言っていた。そうなのです、ホンマに樽なのです。僕は一滴も飲まないので、その様子を微笑ましく眺める。

ざるそば

お酒がカラになるのを待たずして、ざるそばがやってきた。

その姿を見て、「おやっ?」と思った。並木藪、といえば「ざるが蕎麦の隙間から透けて見えるほど、蕎麦の量が少ない」というイメージを持っていた。2003年の記事を読み返すと、「3口で食べきってしまいそうな量」と形容している。しかし、2018年バージョンの麺を見ると、さすがに3口はあんまりだ、5口くらいはありそうだ。

これは、蕎麦の量が増えたのか、それとも僕が小食になったのか、どっちだろうか?15年、という歳月の流れは、何がどうだったのかがわからなくなる。

ただ、これだけは間違いない、と思ったのが、つゆの辛さだ。一口舐めただけで「おう」と思わず声が出る、辛さ。そうそう、並木藪ってそうだったよな。このつゆにちょこっとだけ蕎麦をつけて、一気にたぐるのがうまいんだ。

19時半、お店はラストオーダーとなった。特にお酒のおかわりをするつもりもなかったので、そのままお会計。

お会計は単純明快。「ざるそば2枚で1,500円、お酒を足して2,250円」。つまり、全メニューが750円均一なのだった(中には違うものもあったかもしれないが、主要メニューは750円だったと思う)。

2003年のときは650円だったので、100円値上げ。変わらぬ味を守り続ける老舗も、インフレは避けて通れない。昔と今、両方に思いを馳せつつお店を後にした。

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