備中そば やぶ

2000年12月31日
【店舗数:079】【そば食:156】
岡山県倉敷市本町

湯葉刺し、せいろ

備中そばやぶ外観

「石泉」を後にし、ふらふらと倉敷川のほとりを歩いていたら、何やら「手打ちそば」と染め抜かれたのぼりが前方から見えてきた。はて、あんなところに蕎麦屋ってあったっけ。

場所は、倉敷川からアイビースクエアに向かう道の近く。この辺りは時々歩く場所なのだが、蕎麦屋があることすら気づかなかった。いかに、人間って興味がないものには頭脳を使わないかということがよくわかる。こののぼりがいつの時代から立てられていたのかは知らないが、蕎麦があまり好きではなかった時代には、視野にまったく入っていなかった存在だ。

店の前の人通りは激しい。まさに、観光地・倉敷のまっただ中だ。

うーん、どうしたもんかな。店頭にサンプルが置いてあるお店だし、観光地だし、ちょっと不安。でも、まあいいか、既に今日は2軒、蕎麦を堪能したわけだし。年越し蕎麦は多ければ多いほど、21世紀に向けて飛翔できるに違いない。20世紀のしがらみよ、さようなら。

ざるそば

ざるそばを頼んでみた。

待つことしばし・・・いや、ほとんど待たずに蕎麦登場。あれっ、早いな。注文してから1分も経っていないんじゃないか。ちょっと慌ててしまった。

店名は「やぶ」となっているが、東京にある「やぶそば」とは全然縁もゆかりもないお店らしい。出てきた蕎麦は、黒っぽくて太めの麺だった。出雲そばのような印象だ。

食べてみたが、太麺だからだろうか、もちもち感のある蕎麦だった。

これだけ太い麺を、1分程度でゆでるということは不可能なはずだ。一体どうやってゆでたのだろう?・・・と、形だけ悩んでみる。観光地だから仕方がないか。

おこわ

こちらはおこわ。

「備中そば」という概念が存在するということにまず驚くが、webで調べてみたところ「備中そば」を名乗るのはこのお店くらいしかないことが判明した。他にも、webには載っていない「備中そば」のお店があるのかもしれないが、少なくともメジャーな概念ではなさそうだ。

そりゃそうだ、備中といえば高梁川がはぐくんだ肥沃な大地があり、瀬戸内海気候による日照時間の長さがある。米作が中心であり、蕎麦のような雑穀はあまり食べなかったと思われる。「備中そば」という概念は、比較的最近になってカテゴライズされたものなのかもしれない。

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