江戸切りそば 石泉(01)

2000年12月31日
【店舗数:078】【そば食:155】
岡山県倉敷市中央

湯葉刺し、せいろ、石泉

石泉

「さくら」で同行していた兄貴と別れ、年末の倉敷美観地区を歩く。二軒目として選んだのは、美観地区から僅かに外れたところにある、石泉という蕎麦屋だった。このお店も、両親からの情報提供で知ったお店だ。お酒がいろいろ置いてある、ということだったのでここも期待大だ。

関東と違い、こちらでは「蕎麦屋でお酒を飲み、締めで蕎麦を手繰る」という文化はあまり根付いていない。蕎麦とおにぎりのセットなんぞを食べて、さっさと退却するという食事どころとしての位置づけだ。だから、この地において「お店にお酒を置いている」という情報は非常に重要で、お店選びの際にもっとも重視されるものでもある。

さてこのお店だが、店名表記の字体が崩れすぎていて、「西泉」というお店だとばかり思っていた。この漢字で「せきせん」と読むのかぁ、日本語ってわからんもんだなあと思っていたのだが、いざ間近で店名をまじまじと見ると「西」ではなくて「石」である事に気が付いた。危ないところだった、恥をかくところだったぜ。

湯葉刺し

店内入ってすぐのところに石臼が据えられていた。自家製粉している蕎麦屋らしい。お店にはお座敷席とテーブル席の両方があり、テーブル席は黒光りする机と椅子が。先ほどの「さくら」と偶然にも色合いが一緒だ。

お品書きを眺めてみると、なるほどお酒が充実していた。正義櫻、銀盤、男山、酔鯨・・・いろいろな地区のお酒が並んでいた。おっと、お店オリジナルの「石泉」というお酒まで置いてあるぞ。

ならば、ということで「石泉」(1,000円)をオーダー。もう既に一軒でお蕎麦を食べてきたので、酒肴はシンプルに湯葉刺し(400円)を。

年末、行く年来る年を自分なりに振り返りつつ、湯葉で一献。うん、うまい。一人でこうやって年の瀬を過ごすのも悪くない。今年はたくさん蕎麦を食べたなあ・・・と遠い目をしつつ、窓から差し込む昼下がりの日光を浴びる。暇つぶし用に持参した本など、読む気は全然起きなかった。ぼーっとしているこのひとときが、最高のぜいたくだ。

せいろ

さあ、あんまり長尻はできないぞ。これ以上お酒を飲むと、本当にへろへろになる。元旦を二日酔いで目覚める、なんてのは最悪な21世紀の幕開けだ。それだけは絶対に避けなければ。

お酒を一杯で切り上げ、せいろ800円をお願いした。

出てきたのは、箱盛りのそば。おー、西荻窪の「鞍馬」ではこういうスタイルの蕎麦を出すと写真で見たことがあったが、実際に箱盛りを見たのは初めてだ。年末ということもあって、ちょっとお得感を感じてしまった。最後の最後でおまけをつけてもらった、という気分。

蕎麦の味について詳細なコメントをするほど、当時の記憶が残っていない。しかし、「あ、結構おいしいぞこりゃあ」と感心したのは事実だった。店の雰囲気は「さくら」が好きだし、味は「石泉」に魅力を感じる。蕎麦不毛の地かと思っていた倉敷だが、なかなかどうして、至近距離に「ちょっと気になる蕎麦屋さん」が2軒もあったのは意外だった。

おかでんが倉敷を訪れる時は大抵家族が一緒にいる。だから、一人抜け出して「蕎麦屋で昼酒」というのはなかなか難しいシチュエーションではあるが、今後も定期的に訪問して、いろいろ味わってみたいものだ。

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