さんざん悩んだ結果、子ども用タブレットを買う

弊息子に進研ゼミのデジタル教材を触ってもらうために、タブレットを買った話は以前書いた。

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「Amazon Fire HD 8」という特殊なタブレットを買ったため、目的だった進研ゼミのアプリをインストールすることができず子ども用端末としての利用は諦めた。今ではいしの電子書籍として使われている。

子どもが雑に扱っても壊れないように、Fire HDには分厚い樹脂製のケースが装着されている。そのせいで、サイズの割にずいぶん重たい。いしに「ケースを外さないの?」と聞いたことがあるが、タブレットを立てかけるためのスタンドがケースに備わっており、それが便利なのでこのままにする、と言っていた。

改めてタブレットを買うかどうか、僕は思案する。

一回失敗してしまい、2万円弱の出費になってしまったので精神的なダメージが大きい。もう一度タブレットを買うだけの、財力、それよりもなによりも気力が減ってしまった。

最近の弊息子タケは本やおもちゃを雑に扱うことが多い。その様子を見ると、値段が高いタブレットを与えても長持ちしない予感がした。じゃあ安いタブレットならどうか、というと、これはこれで怪しい商品がたくさん出てきて、僕は途方に暮れた。というか、怪しい商品しかない世界が、2万円以下のタブレットだと思う。Amazonのタブレットだけが安くても安心感をもたらす商品だった。

Amazonで検索するとずらりと並ぶ中華メーカーと思しき商品。そして若干つたない日本語解説。さらには妙に高いクチコミ評価。まっとうに判断する材料が少ない。

「クワッドコアのCPUを搭載している」などといっても、肝心のCPUが聞いたこともないメーカーのものだ。どれくらいテキパキと動作するのか、それともモッサリした動きなのか、商品スペックだけ見ても全然わからない。

今回のタブレットは予算を抑えたいと思っている僕でさえ、2万円以下の価格帯のタブレットには不安感しか覚えなかった。できることなら安心できるメーカーとスペックのタブレットを買いたい。「安物買いの銭失いはしたくない」と心底思える、そんな商品だらけだった。珍獣ばかり集めた動物園みたいだ、と僕は思った。

僕がタブレットを買うにあたって、重視したのは

  • 子ども用のタブレット保護ケースが備わっていること
  • 10インチであること

の2つだった。このうち、「子ども用保護ケース」を備えているものが世の中にはとても少なく、事実上先ほど例えで書いた「珍獣」の世界から選ぶしかなかった。

また、10インチを条件としたのは、前回Amazon Fire HDで8インチを買って触ってみて、「子どもが使うにはちょっと小さいな」と思ったからだ。サイズと重さではちょうど良いと思ったのだが、まだスワイプすらできない我が子には画面が小さいと感じた。2歳児だからこそ、大きな画面の方が使いやすそうだ。

また、タブレットを使ってお絵描きをする機会が今後あるだろうから、そのときに画面が大きい方がぜったい良いと思った。あれこれ調べてみると、「子どもにとって、8インチタブレットは持ち歩けるが、10インチタブレットは持ち歩きに不向き。家で使うには10インチのもので十分だが、外出先に持っていくなら8インチ」という口コミをいくつか見た。

僕らは帰省の際、新幹線に長時間乗車する機会がある。タブレットを持ち歩くこともあると思うのでこの口コミはちょっと気になった。しかし、そういう機会は年に数回しかないだろうから、結局10インチのタブレットを買うことにした。

買ったのはこれ。

FireHDと比べるとずいぶんダサいデザインだと僕は思った。しかし、タブレットを守るガッチリしたケースがある中で選ぶと、これを選ばざるをえなかったというのが実情だ。

値段はタイムセール中だったということもあって、13,000円以下で購入できたはずだ。やたらと安い。

ただ、見慣れない言葉が出てくる。「Android GO」とか「GMS認証」とか。なんだこれ。

調べてみて、「へえー!」と驚いた。

Android(Goバージョン) : Googleが発展途上国での利用を想定して開発した、軽量版Android。低スペックの端末、低帯域の通信でも動作するように機能が簡略化されている。

GMS認証 : Google Mobile Serviceの略。要するに、GoogleマップやGmailといった、Google製のAndroidアプリが搭載されているOSである、ということ。元々Androidはオープンソースでありフリーで利用できるようになっている。ではGoogleは何で儲けているのかというと、このGMSのライセンスをメーカーに売ることで商売を行っている。ファーウェイ端末が「ほぼAndroidだけどGoogle PlayアプリがないOSため、アプリのインストールに若干の支障が出る」のは、GMS認証を取っていないからだ。

うっかり変なタブレットを買っていたら、このGMS認証がないOSだったということはあり得る。動作保証の範囲がとても狭い、進研ゼミのアプリならば動作しない可能性が高いだろう。

「Goバージョン」のAndroidが搭載、ということは、それだけ端末のスペックが低いということの証拠でもある。できればGoバージョンでなくてもちゃんと動作する、スペックが高い端末の方がありがたい。しかし、そういうものを探すと、値段が一気に跳ね上がる。2倍どころか、3倍、4倍というレベルでお金がかかってしまう。

この商品の口コミを調べてみたら、「ちょっと動作は遅いが、子供向けとして使うには許容範囲」という主旨のコメントがいくつもあった。うーん、本当だろうか?と思いながらも、他に検討材料がないのでその言葉を信じることにして、購入した。

時代だなー、と思ったのが、ユーザー登録は箱の中に入っているQRコードをスマホで読み取り、メーカーのLINE公式アカウントと友だちになるというプロセスだったことだ。その公式アカウントとのやりとりで、この商品のAmazonでの注文番号を入力するとユーザー登録が完了する。

すると、公式アカウントから、「Amazonのレビュー欄に、5つ星をつけてコメントしてくれたらAmazonギフト券を差し上げます」という提案が来た。おいおいおい、ちょっと待てよ、それって買収じゃないか。サクラになれ、と言ってることじゃないか。

ろくでもないメーカーだ。

中国のメーカーは、ときどきこういうことがある。Amazonのレビューでネガティブなコメントを書いたら、メーカーから「文章を修正して欲しい。直してくれたら何らかのサービスを提供する」と言われたこともある。

この商品のAmazonのページを見に行って欲しい。レビュー欄にやたらと5つ星のレビューが並んでいる。この人らの何割かは、Amazonギフト券が欲しくて買収されたはずだ。

だいたい、「液晶が割れたけど、メーカーに連絡したら交換してくれた」というコメントで5つ星って、変な話だ。これだけ頑丈そうなケースが備わっているのに、液晶が割れるというのは何か構造的な欠陥があるのではないか?しかも、そういうコメントが1つだけでなく、複数見受けられる。それでも、どれも5つ星評価。たぶん、剛性が低い素材と構造でこの端末が作られているのだろう。

買収を持ちかけるメーカーがクソなのは言うまでもないが、それに応じる日本人ユーザーもクソだ。

だから、敢えてこの記事にはメーカー名も端末名も、言葉としては一切書いていない。

10.1インチのタブレットを手にしたところ。

印象としては、かなり重たい。重量は1.2キロくらいあるので、昨今のモバイルノートPCくらいの重さがある。それを、スマートフォン感覚で片手で持とうとするのだから、重いに決っている。

また、分厚いケースのせいで、余計に重たく感じるのだろう。

確かにこれは、外出先に持って行きたくないサイズと重さだ。ケースの分厚さのせいで、カバンの中に入れるとかなりかさばる。

ケース背面には、つり革のような形をした取っ手がついている。

持ち歩くときに取っ手を掴んでもいい。

しかしそれよりも、この取っ手はタブレットを立てかける機能としての価値がある。

取っ手は360度ぐるっと回すことができるので、垂直に近くタブレットを立てかけることも、浅い角度でタブレットを立てかけることも、両方できる。縦置きも可能だ。

その点では使い勝手が良いのだが、とにかくデザインがダサい。余計な曲線を取り入れなくてよいのに、どうしてこういうデザインを採用したのだろう?

端末とケースを上から見たところ。

樹脂ケースには穴が空いていて、左側の穴には電源ボタンとボリュームボタンがあり、右側の穴にはUSB充電ポートとSDカードスロットがある。

タブレット探しに悩んでいるとき、いしから「安物買いをしないで、ちゃんとしたメーカーのものを買ってそれとは別に樹脂製のケースを買ったら?」と言われたことがある。それができたら、本当に嬉しいことだ。しかし、タブレットというのは端末の形状に統一規格がない。ボタンの位置も、カメラの位置も、それぞれの製品ごとに違う。

シンプルなタブレットケースなら、スマホと同様に各社の各製品向けにサードパーティーが販売している。しかし、子どもでも安心して使えるような頑丈なケースが別売りとなっているのは、少なくとも僕は見たことがない。結局、最初っから「キッズモデルのタブレット」を標榜している商品しか選択肢がなかった。

この樹脂ケースがとても使いづらい。分厚い上に成形が雑で形が若干歪んでいる。そのせいで、穴に指を突っ込んでボリュームを上げ下げするのがとてもストレスだ。指で樹脂を押しのけながら、何度もカチカチ指で押してようやくタブレットが反応する、ということになり、とても気分が悪い。

特に、ボリュームを一番小さくしても、結構大きな音になるのも気分が悪い。結局、僕はこの端末を屋内の利用でも屋外の利用でも、最小ボリューム以外で使ったことがない。電車の中で弊息子が退屈するので、知育教材を見せるときはミュートにするしかない。「かすかに聞こえる」程度のボリューム、という概念がこの端末には存在しないからだ。

液晶が割れた、という口コミを複数見かけたので、液晶保護用のフィルムもあわせて買っておいた。フィルム取り付けのため、一旦ケースから本体を外す。

この動作の際、端末がミシミシと音を立てたのでひやっとした。液晶を保護しようとして、結果的に液晶を割ってしまうのでは意味がない。

写真はタブレットの背面。

一応、日本の技適マークはある。

このタブレットに対応したサイズである、と謳っている液晶保護フィルムを貼る。

最近の液晶保護フィルムというのは、あまり苦労しなくても気泡がない美しい仕上がりにできる。しかしこの保護フィルムだと、あちこちに気泡ができてしまい困った。僕は完全に油断していた。

チップセットが「Allwinner」の1.5GHz、なんだってさ。聞いたことがない。これが2つ搭載されていようが4つ搭載されていようが、ありがたみは僕にはわからない。

RAMは2GB。

タブレットをある程度快適に動作させるためには3GB以上が良いようだが、この商品は2GBしかない。さて、どうなるか。

タブレットの画面。

一般的なAndroidの画面ではなく、まったく別物だ。これまたダサい。

これは、「Googleキッズスペース」というサービスだった。子ども向けにUIが使いやすくなっている(と、Googleは言っている)のが特徴で、このサービスの中では子供向けのアプリしか使えないし、YouTube動画も子ども向けのものしか閲覧できないようになっている。

また、端末の利用時間制限を設定することができる。利用可能な時間帯、利用可能な分数などを指定できる。

それは良いのだけど、現時点の弊息子タケは平日起きている時間の殆どを保育園で過ごしている。家では、お風呂、ご飯、歯磨き、絵本読み聞かせなどに費やされ、まともにタブレットを使う時間がない。今のところ、我が家では時間制限機能は必要ない。

タブレットを弊息子タケに使わせてみたら、とても興味を持って夢中になって触っていた。その点ではよかったと思っている。今はすべて親がアプリを選択して立ち上げることまでやって、「はい、どうぞ」と彼に手渡すことまでやらないといけないが、いずれは自発的にどんどん触っていくようになるのだろう。その際、何分を目安に制限時間を設ければよいのか、今後の彼の様子を見ながら決めていくつもりだ。


小さいうちからスマホやタブレットを使わせることの是非、というのは子育ての世界ではずっと語られていることだ。でも僕は「少なくとも教育ツールとしてなら、どんどん使わせていけばいい」と思っている。

たとえば絵本で「ヘリコプター」が登場することがある。でも、絵でヘリコプターを見せても、彼は実際にそれがどういうものなのか、どういう動きをするものなのか、全く想像ができない。しかし、タブレットでヘリコプターの動画を見せると、彼はとてもよく理解する。「わからない」ということをできるだけ早く、「わかった!」に変えるには、デジタルデバイスの存在は貴重だ。

とはいえ、僕はスマホを子どもに与えるつもりも、自分のスマホの画面を見せる予定も、ない。たとえ教育目的だからとしても、だ。

スマホは現代の大人なら常に持ち歩いているものだ。子どもがそのスマホに目をつけたら、事あるたびに「スマホ見せて!」と言うようになる。僕は一度「ブルドーザーの映像」を自分のスマホで彼に見せたことがあるのだが、それ以降働く車を絵本で見るたびに、僕のスマホを奪い取ろうとするようになった。これはよくないな、と思ってスマホは極力彼に見せないようにしている。


このタブレットの操作性だが、一言で言って「猛烈に遅い」だ。

口コミで「動作が遅い」ことは知っていたが、想像をはるかに上回る遅さでびっくりした。

画面がなかなか切り替わらず、僕だけでなく2歳児のタケでさえ「あれ?あれ?」と声を上げるレベルだった。まだ語彙力も人生経験も乏しい彼でさえ、「あれ?」と疑問の声を上げてしまう、動作の遅さだ。

タブレットで何をするかは人それぞれなので、「動作が遅いけど特に問題はないので星5つ」と口コミに書いた人を疑ってかかるのはやめておく。ひょっとしたらYouTube動画を見るだけなら、そこまで遅くはないのかもしれない。しかし、少なくとも各種知育アプリを動かそうとすると、画面切り替わりのたびに読み込み処理で時間がかかる。そして「Googleキッズスペース」上でいろいろなサービスやアプリ探すのも、動作が遅くて面倒くさくなってくる。

安い、ということはそういうことだ。

「安くて、そこそこ使える」なんてありえない。

この商品の場合、「安い」ことによる性能の低さが露骨に出ていて、我が家での実用に支障が出るレベルだった。

これは子どもの「学びたい、あれこれ試してみたいという意欲」を阻害する端末だ。子どもにタブレットであれこれ自由に学ばせるのであれば、もっと快適に動作するものを用意しなくちゃ、ダメだ。そしてそういう端末は雑に扱っても壊れないようなケースが付属していないので、結局は子どもに分別が付いてくる、3歳とか4歳くらいにタブレットを与えるのが正解のような気がする。

動作が遅いのは我慢するとして、もっと困るのはWi-Fiが繋がらないことが頻繁に起きることだ。タブレットがスリープの状態から電源をONにした際、多くの場合でWi-Fiを見失っている。SSIDの一覧すら表示されず、結局OSを再起動することで回復するということが起きている。サッと子どもにタブレットを見せたい、という親の意欲はこの時点で萎える。

Wi-Fiの繋がりの悪さは結構深刻で、東海道・山陽新幹線内で使える無料Wi-Fiは簡単に繋がらないし繋がってもほとんど役に立たないレベルだった。また、5GHz帯が使えるはずなのに、キッチンで電子レンジが動作すると通信が途切れる。どうやら、2.4GHz帯でしか繋がっていないっぽい。

長々と文章を書いたが、タブレットはちゃんとしたものを買おう、というのが今回の結論だ。

スマホは、「値段が安くてもまともに動く」ものが多く存在する。その感覚でタブレットを買うと、「えっ、まともに動かないぞ」というものを手にしてしまうことになる。タブレットは、「ちゃんと使いたいなら、ちゃんと高いのを買え」というごくごく当たり前な世界なのだった。

(2023.04.08)

コメント

コメント一覧 (5件)

  • この端末、大して出番がないまま4か月が経過した時点で故障していることが判明した。
    USBでの充電ができなくなった。
    これまでも、やけに充電が遅いとは思っていたが、やっぱり充電周りに何か問題があったようだ。バッテリー残量ゼロだよ、という表示が一瞬出た後、タブレットが巨大な文鎮になってしまった。

    メーカーのサポート窓口に連絡すれば代替品を用意してくれるかもしれない。
    でも、この端末をもう一度使いたいとは全然思わないので、「安物買いの銭失い」ということでこのタブレットとはおさらばしようと思っている。

  • >おかでんさん

    私は、子供用とか教育向けとか銘打ってる商品は選択肢から最初に外します。
    値段なりの安普請で、スペックや作りこみが残念なことが多いので…。
    子どもの攻撃が心配なら運用方法やケース等で何とかすることを考えて
    本体はある程度名の通った(今だとPixel TabletとかGalaxy TabとかiPadとか)モノにしたほうが結局満足できるかもしれません。お値段が心配なら整備済み中古とか…

  • ティータさん>
    タブレットって、びっくりするくらいピンキリ商品で、しかもそのスペックの違いがよくわからないです。
    なにしろ、Amazonには聞いたこともないような中華タブレットが溢れていて、ものによっては1万円を切る商品もある。

    今回は勉強になりました。そうか、1万円台くらいのタブレットじゃ、ダメだわーって。

    もともと、スマホほど激戦区ではない業界なのがタブレットなようで、低価格高スペックな商品って存在しないっぽいですね。かといって、安心して使えるブランドのものになると、パソコン並の価格になるので焦ります。

    夏の帰省用にあたらしくタブレットを買うのは諦めました。間に合わないので。焦ってよくわからない商品にまた手を出すのは危険すぎる。

  • 全く同じ流れを辿ろうとしていました。Amazon fire HDを購入してアプリの制限に嫌気がさしてGoogle kids spaceが使えるこのタブレットは!?と思って検討しており、本当に良いのかと悩んでカートに入れたところでストップしていました。こちらの記事に辿り着けてよかったです。

  • もるさん>
    タブレットの参考になって何よりでした。
    結局弊息子は現在、タブレットを殆ど使っていないです。パスワードロックがかかっていたり何やかやで、「子どもが使いたいときにさッと使える状態になっていない」ので、面倒になったのでしょう。

    Amazon Fire HDを買った際に1年間の利用権付帯だったAmazon Kids+も、今日付けで1年の満期を迎えて解約しました。自動更新はさせないぞ、と。
    Google Kids Spaceもそうなんですが、ああいうアプリを起動させることで子供向け環境を作ってしまうやり方は、ややこしいアプリの入れ子構造になってしまうので使いづらかったです。
    子どもにタブレットをもたせるって、ホントむつかしいですね。

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