会社サークル新木場BBQ

肉食人種行動観察会(その2)

会社の同好会で、珍しくバーベキューをやるという話になったので参加してきた。

場所は江東区の夢の島。

あんなところにもバーベキューができるところがあるのか、と驚く。数十年前までは、社会科の授業などで「ゴミ処理場」として写真入りで紹介されていた場所だ。もちろん、いまや新木場という京葉線・りんかい線の駅があり、夜にもなればクラブイベントなどが開かれるほどの若者の場所でもある。

ゴルフ場とキャンプ場が新木場駅の南側に広がっていて、そこでバーベキューができるのかと思ったが、実際は駅の北側、熱帯植物園がある方だった。ビキニ環礁で水爆実験に被爆した「第五福竜丸」が展示されているあたりにあるらしい。

夢の島公園案内図

さて、バーベキュー場は駅から10分以上歩いたところにある。駅を出たらすぐそこが公園なのだが、公園そのものがとても広大なので、延々と歩くことになる。

このバーベキュー場は、事前予約制ではあるが、あくまでも場所貸しに徹している。機材も食材も全部持ち込むことが求められ、地方のキャンプ場や河原でバーベキューをやるのと手間としてはなんら変わらない。ただ、都心から近い、という点で手軽ではある。

バーベキュー場

指定された場所には、テーブルとベンチがあるだけ。「バーベキュー場」というよりも、単に「火を使ってもいい場所」に過ぎない。しかも、直火は禁止。じゃあ、公園と一緒じゃないか、と思ったが、よくよく周囲を見ると流しがしっかりしていた。トイレにあるだけ、ではなく、ちゃんと機材を洗うことができるだけの大きな流しがあった。でも、普通の公園との違いはそれくらい。

今回、機材も車も、すべて参加者の1名にお世話になった。ホント、こういう人が知り合いにいると助かる。しかし、その人に負担が集中してしまうので、そこは参加者が気を遣わないと。「私は参加者」という他力本願な態度でノコノコやってくる人は本当にバーベキューでは迷惑だ。今後もバーベキューを楽しみたいなら、機材を提供してくれる人の負担をいかに軽くして、いかにその人を気持ちよく参加していただくか、が大事だ。

ヨットハーバーが見える

ヨットハーバーを見ながらのバーベキューってなかなかできないことだ。
ヨット=金持ち、という考えが頭にあるが、陸地にいる我々もバーベキューだ。ドヤ感は負けていない気がする。

そういえば、最近の東京のリア充どもは豊洲あたりのバーベキュー場(豊洲も江東区にある。新木場よりももうちょっと都心寄り)でウェーイと宴会やってFacebookやTwitterにアップする、ということを繰り返しているらしい。この日は8名の参加で、うち女性が4名。平均年齢は30歳くらいか?これも端から見るとリア充のように見えるんだろうか?僕自身は全然そんな気はないのだけど、この瞬間だけ切り取ると確かにリア充だ。他人のルサンチマンを搔き立てるイベントではある。

下ごしらえの机

男性陣は炭火をおこし、女性は買ってきた食材の下ごしらえをする。自然と男女が役割分担されているのが興味深い。伝統的「男女の違い」をそのまま踏襲する男と女。

新入社員の男二人が、炭火をおこしたことなんてない!とわーわー言いながら炭火コンロと格闘していた。おっさんの僕は、そういう若者たちの振る舞いを遠からず近からずという距離感で見守る。僕自身、アワレみ隊の合宿で幾度となく火おこしをしているので、「俺に任せろ!」ということは可能。でも、ここは若者に任せておいたほうがいい。おっさんがしゃしゃり出ることはあるまい。

・・・と余裕の態度を見せていたら、肝心の僕が何もせずに突っ立っている状態で、「何もできないでくの坊」のようだった。慌てて、「僕は君たちの奮闘ぶりを激写するよ!」と自分の役割をPRする。

トントロを焼く

なるほどリア充っぽい時間というのは、自然と人物写真が増えるのだな。なぜバーベキューの写真が人々のルサンチマンを喚起するのかというと、「仲間」と「共同」で楽しいことをやっているから、なんだろう。風景、調理、料理。そして人々の喜びと困惑した顔。仲間たち。いろいろな要素が詰まっている。それがムラムラさせるのだろう。

で、同僚たちの写真掲載承諾は当然得ていないので、このサイトではその手の写真は一切カット。モザイクかけて掲載すると、なんだか犯罪集団みたいに見えてしまうのでそれはやらない。ひたすら食い物の写真だけを紹介しよう。でもそうなると、全然ルサンチマンではないし、そもそも掲載できる写真がごく一部になってしまう。なんてこった、全然楽しそうな写真じゃないぞこれ。

ししとうと牛タン

食材をどんどん焼いていく。

食材の買い出しには僕を含め何名かが参加したのだが、とても難しかった。下は新入社員(22歳)から上は40歳過ぎまでいて、年齢が倍近く違う。そしてもちろん収入も違う。普段頻繁に会って飲み食いするような同好会ではなく、食事を囲むのは今回が初めてだ。初対面の人も多い。こういうとき、量もさることながらどの程度のランクの食材を買えば最大公約数としてハッピーになれるのかが、全く読めない。

大きなスーパーに行ったので、食材はよりどりみどりだ。なので、値が張るものも買うことはできた。「折角のバーベキューなんだし、たまには栄養つけようぜ」と高いのを買ってもいいのだけど、若手を差し置いて僕がそういう贅沢宣言をするのははばかられた。「先輩がおごる、後輩はおごられる」というほど仲良しサークルでもないわけで、全員対等な立場のオフ会に近い。男女差、年齢差による割り勘格差はつけるにしても、だからといって贅沢な買い物をして総費用をかさ増しさせてよいのかどうか、わからない。

若手が学生とかだったら、「もういい、お前とは何の面識もないけど、おごるわ」ってなってたと思う。しかしかりそめにも僕と同じ会社。新入社員とはいえそこそこ給料は貰っているわけで、あんまり貧乏人扱いするのも正しくない。でも、自分が新入社員だった頃どんな食生活だったっけ?・・・覚えていない。

最近の若い人たちは、全体的にがつがつ食事をしない気がする。宴会で同席しても、大して飲まないし、大して食べない。最初は周囲に遠慮して箸をつけないだけかと思ったけど、そもそも食が細いようだ。もちろん、一概に全員がそうとはいえないけど、腹パンパンになるまで食ったーッ、という野蛮な連中の絶対数は少なくなってきている印象だ。だから、宴会のお会計時、部長や課長が若者より遙かに多く支払ったとしても、結果的にその「割り勘の傾斜配分」は飲み食いした量に比例していたりして、若者からしたら全然お得感がなかったりする。なんのこっちゃ、というご時世だ。

そんなわけで、新入社員どもは「おかでんさんならどんな食材、買います?」とキラキラした目でこっちを見ているんだけど、僕自身が気の迷いを生じさせてしまい、微妙に日和見なセレクトをしてしまった。本当なら、ガツンをいい食材を買って、「お前ら、これが大人のバーベキューだ。覚えておけ」と言い放つくらいでよかったんだけど。むしろそれくらいがちょうどいい。

不肖おかでん、オフ会のような不特定多数対象の宴会を数多く企画してきたため、すっかりチキン野郎に成り下がってしまった。どんなwillや胃袋、財布を持っているか不明な人ばっかりを相手にしてきたので、とんがった提案ができなくなってきている。早く、「あうんの呼吸で通じ合う気心知れた仲間」を身近に作って、そいつらでずっとつるんでいたいものだ。

写真は牛タンとししとう。牛タンは厚切りで、このあたりはおかでん踏ん張りました。踏ん張ったといっても、かかった費用はみんなで割り勘なんだけど。なんか気を遣いすぎだな、バーベキューってこんなに疲れるものなのか、と改めて驚いた。

ネギを焼く

肉や海鮮と違って、野菜というのは品質面で選択の幅がほとんどないので、助かる。「高級エリンギと普通のエリンギ」なんてないから。もちろん、畑で出来る野菜は無農薬だとかブランドものだとかあるけど、ことバーベキューに使う野菜にそこまでこだわる人は少ない。僕の周りではゼロだ。

ところで、この日のバーベキューは写真の通り長ネギがあぶられた。「ネギを焼くの??」と僕はとても不思議だったのだが、誰かが「ぜひ!」というから買い物かごに入った経緯がある。焼き鳥で「ネギマ」というのはあるけど、バーベキューではあんまり馴染みがないと思う。面白いね、こうやっていろんな人と炭火を囲めば、百者百様の焼き方がある。

ちなみに僕は、基本的にキャンプ場でのテント泊時にバーベキューをやる、ということで発想が固定されている。なので、今回の日帰り都心バーベキューを中心にやっている人とは考え方も、食材も違ってくる筈だ。たとえば僕なら、「炭火焼きハンバーグを焼いてみようぜ」という発想は絶対に無理だ。なぜなら、冷蔵保存ができるかどうか不安があるキャンプにおいて、挽肉というのはとても難しい食材だからだ。

海老

海老も焼く。でかい海老だけど、安物だ。

「非日常感を出すには、海老を網焼きにするとかっこいい。でも車海老みたいな高い海老を使うのはどうだろうか」

ということで、確かこれはバナメイエビだったと思う。安い。

買ったはいいけど、これといってジャスティスな調理法を知っているわけではない。なので、半分を網焼き、半分をホイルでバター焼きにするという折衷案。結論としては、網焼きの方がワイルド感があってよかったと思う。味自体はバター風味がついたホイルの方がいいのだけど、ふっくら蒸された感じで、ドキドキ感に欠けた。バーベキューって、旨いまずいもさることながらドキドキ、ワクワク感がなくちゃダメだよな。

ホイルでホタテを焼いたり

ホタテもホイル焼きにしてみた。余ったエリンギも加えつつ。あと、何の肉だったか忘れたけど、結構厚みのある肉も焼く。こういうところで非日常感を出すのだよキミイ。薄い肉だと、あっという間に焦げるだけだ。鉄板焼きじゃないんだし、厚みが必要。

おっさんおかでんにとっては、新入社員とかいう世代がすでに謎の生態系だ。それに加えて20代女性も今回は何人も参加しており、未知との遭遇に等しい。何をどれだけお召し上がりになるのか。どの程度が適量なのかわからないし、「お肉はちょびっとでいい。野菜が欲しい」とか言うかもしれないし、「油っぽいのはイヤ」と仰るかもしれない。じゃあ、買い出しは全部若手に一任すりゃいい、と今となっては思うのだけど、ちょっと先輩風吹かせたかったんだろうなきっと。「バーベキューはこれまで何度もやってきているベテラン」的な顔をしたかったから、ついつい食材選びを先導してしまったというわけだ。で、案の定全員のキャラを掴みかね、「これは買いすぎだろうか、こんなの買ったら高すぎだろうか」と心配ばっかりする羽目になる。

バーベキューの面倒なところは、余ったらお持ち帰りになるということだ。バーベキューの余り食材のお土産、ってのはあんまり嬉しくない物だ。荷物が増えて邪魔だからだ。しかも肉や魚は持ち帰りにすると傷む恐れがあるので、現地で食べきることが原則だし、だからこそ買い出し時には気を遣う。エビみたいに数が最初からわかっているものについては、参加人数とぴったり合う数量のパックを買わないといけないし。

シーサイドバーベキュー

食材のグレードや量で頭を悩ますだけでなく、お酒についても買い出し時に頭を悩ました。参加者全員が買い出しに同行していれば、自分が飲むであろう量を適切に買うことができる。しかし今回は、一部の人しか買い出しに来ていない。顔すらみたことない人がどれだけ飲むかなんて想像すらできない。

昔酒飲みだった僕は、折角イイカンジにお酒飲んでいるのに、量が少なくてがっかりしたことが何度もある。「お酒をたしなむ程度」の人が買い出しを担当すると、大抵が(自分にとって)少ない量のお酒しか買ってこず、物足りなくて仕方がないものだ。そんな心境があるから、「お酒が足りない」という事態は防いであげたい。・・・が、誰がお酒飲むんだ?

結局この日、ビール350mlを6本と、サワーを同数購入した筈だ。まあ、お酒を飲む人はビールとサワー一本ずつくらいあればいいかね、という計算だ。これでも随分控えめに見積もったつもりなのは、僕が単に大酒飲みだったからだ。これでどうなるかなあ、と思って様子をうかがっていたら、これでも何本かお酒が余った。なんてこったい、酒が進んでしょうがないぜ、というバーベキューにおいても、多くの人は乾杯時に開栓した1本しかお酒を飲んでいなかった。

聞いてみると、「昼だから」「お酒弱いんスよ」という意見が複数。最近、「お酒が弱い」と言う人が増えた気がする。いやもちろん、昔っからそういう人は日本人なら結構いた筈だ。でも、おそらく「酒席を幾度となく乗り越えていって鍛えられる」という場が今の若者には少なくなってきていて、結果的にお酒が強くない、ということなのだろう。まあ、お酒をがぶがぶ飲まなくても楽しい、というのはスマートな生き方ではあるので、それはそれでいいと思う。




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