90センチの巻き寿司、完成。
どの程度の耐久性があるのか、それ以前にどれだけの重さがあるのかさえわからないので、おそるおそる手にする。
もちろん、ぐにゃりと曲がる寿司。そうか、長い巻き寿司というのは曲がるんだな。当たり前の事だけど、「寿司が曲がる」なんてサイズ感は見たことがないので、びっくりした。
それにしても怖ぇー。苦笑いに近い表情になっているのは、びびっているからだ。いつ真ん中がびりっといくのか、腰が引けまくっている。ああ思い出した、この心境、昔タイに行った時に「大蛇を首に巻き付けて記念撮影する」って時と一緒だ。
ラップを剥がした巻き寿司(らしきもの)。手で握ったぞ感満載の凹凸がすばらしい。これが職人技ってやつですぜ旦那!
いよいよ恵方巻きタイム。ちょうど家に、「鬼は外」用の鬼のお面があったので、それを装着して食べてみる。
南南西の方向?知った事か。ダイニングテーブルの向きを変えろとでも言うのか。それは物理的にできないしやらないぞ。恵方巻きをこしらえたことに満足してしまい、そのあとの縁起担ぎについてはすっかり関心を持っていない有様。
もちろん黙って丸かぶりなんてするわけもなく、わーわー言いながら食べる。
酢飯ではなく味が付いていない米を使っているし、そもそも丸かぶりしている時点で醤油に巻き寿司を浸すことができない。うまいんだが、もうちょっと塩気が欲しくなってくる料理だ。市販の恵方巻きってのは丸かぶり前提で味がしっかりついているのだろうか?
それにしてもこのおかでんの手を見て欲しい。慎重に、折れたり破れたりしないように扱っているのが指使いから覗える。
横から見たらこんな感じ。でろん、となった恵方巻きが、どうにも縁起がよさそうには見えない。しかし、何かシャーマン的というか、怪しい呪術で大地の「気」を吸い上げているかのような様相だ。これはこれで見方によっては神々しいかもしれない。
「みんなの邪気を、おかでん様が吸いとってくださってるんや!」
「おかでん様!」
「おかでん様ありがとう!スタンディングスプリング!」
みたいなキャプション付きで。
さすがにこの90センチを丸呑みすることはなかったが、作る過程、食べる過程、そしてあーでもないこーでもないと言いながら写真をいろいろ撮っている過程とそれぞれ楽しめたので良かった。
来年は「いわしの頭も信心から」ではなく、「マグロの頭も信心から」ということでマグロの頭を丸焼きにして玄関に置いてみるのも良し。
(2016.02.03)
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