「ピリ辛友の会」としての出直し

ピリ辛友の会#02 陳建一麻婆豆腐店。

「激辛友の会」を発足させたけど、初回にしてあまりにガチな激辛料理と遭遇してしまい、解散まで検討されたのは記憶に新しい。

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出直し、ということで「ピリ辛友の会(仮名)」に組織名を改称した。

「うま辛友の会」でもいいかな、と思ったけど、それはあまりに腰が引けている気がしたのでやめた。

麻婆豆腐の仇は麻婆豆腐で討つ。

訪れたのは、東京都江東区木場にある「陳建一麻婆豆腐店」。

僕がもっとも愛するお店、といって過言ではない。過去このサイトにも何度も登場している。

道中、前回の麻婆豆腐で痛い目に遭った女性の方が「大変だったんですから、あの後!と話を聞かせてもらった。

聞くと、次の日、治療済みの歯の根元の歯茎が腫れ上がってしまい、急遽歯医者に行く羽目になったのだという。あまりの激辛に、歯茎が炎症を起こしてしまったらしい。

そんなことって、あるのか!

もちろん、僕同様おなかが痛くなってしまい、そちらでも苦労させられたそうだ。ダブルパンチで痛い目にあったことになる。

「たった二口しか食べていないのにこれなんですから!やばいですよあれは!」

目を大きく見開いて熱弁を振るう。そしてその後、「残りを全部食べたおかでんさんはすごいと思います」と褒められた。

この件について、何度となく「すごい」と賞賛されてきたけど、全く本人にとっては名誉と思わないし、うれしくもない。こうもうれしくない賞賛というのは珍しい。それくらい、僕の身体と精神に深くダメージを与えた麻婆豆腐だった。

話は戻って、陳建一麻婆豆腐店。

今更お店の紹介は割愛するけど、今回4名参加だったということであれこれ麻婆豆腐を見比べることができた。

B

辛いのは嫌いじゃないけどそこまで強くはない、と仰る方が頼んだのは、このお店の標準的メニューである「B:辛口 陳建一麻婆豆腐」。

陳建民より受け継いだマーボードウフ、というもの。

色合いとしては、ご家庭で作られる丸美屋の麻婆豆腐などと大差はない。ただし、表面に赤黒い油が浮いているのがわかる。このあたりが「家庭の麻婆豆腐じゃねーぞ、コラ」というすごみだ。

ちなみにランチ時と夕食時では、麻婆豆腐の器が違う。夕食時は、土鍋の片手鍋だ。ランチの方が料金的にはお得だけど、夜の方が少し量が多いっぽい。

このBでさえ、辛いものが得意ではない人は「辛い辛い、食べられない」と大騒ぎすることになる。しかし、この日Bを頼んだ同僚は、涼しげな顔で「あ、これなら大丈夫」といい、さらには卓上唐辛子を追加していた。人によって辛さの許容量というのは本当に異なるので、「適度な辛さ」というのを仲間同士で見極めるのは難しいものだ。

B辛め

このお店は、A、B、Cと辛さ違いの麻婆豆腐が用意されているだけでなく、そこからさらに辛さの微調整ができる。

これは「Bの辛さ多め」。ずいぶんとどす黒くなった印象だけど、Bに唐辛子粉がたくさんまぶされた状態だろうか。

A

これが「A:大辛 正宗麻婆豆腐」。

本場四川風、山椒の麻、辛さの辣、熱さの湯を楽しめるマーボードウフ・・・と謳っている。

先ほどの「Bの辛さ増し」よりも色が薄く感じるけど、いやいやい、よく見るとまんべんなくどす黒くなっていることがわかる。

四川麻婆豆腐

こちらは別メニュー的扱いになっているもの。

「四川麻婆豆腐」。ほかの麻婆豆腐よりもお値段が高くなって、単品1,350円。

山椒の辛さが効いた牛肉を使った新派四川の麻婆豆腐です

だって。「深みのある辛さ!」と書いてある。

豚肉が牛肉にかわるだけで、全然味の印象がかわる。あらためて、麻婆豆腐というのは「肉と豆腐を食べる料理なんだな」ということに気がつかされる。

牛肉の方が、肉の甘みが感じられる気がする。

前菜

普段僕は、麻婆豆腐のセットを食べておしまいだ。それ以外のサイドメニューを一切食べたことがない(デザートの杏仁豆腐を除く)。

今回、ディナー時に4名で訪れたということもあり、サイドメニューを楽しむことができた。長年このお店に通っているけど、初めての体験。

特製餃子

なにげに特製餃子がおいしかった。皮がぱりっと、しつつももちっとしている。

この話題、特にオチがあるわけではないけれど、瀕死の重傷を負った「激辛友の会」はこうしてのどかに再開した、という報告。

「次回は、同じく木場にある『鯖カレー』を出すお店に行こう」

という話になったが、もうこうなると「ピリ辛」でもなんでもない、単なる「お食事会」になる見込み。それはそれで楽しいから歓迎だ。

(2017.12.07)

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