注文を受けてから麺を打つお店に行った

僕の友人ののっちょさんから、食べ物に関する情報をあれこれもらうことがある。面白い情報が多く、僕の趣味嗜好ととても合う内容なのでとても感謝している。

僕とのっちょさんとで一緒に食べ歩きができれば良いのだけど、なかなか実現できていない。たぶん、3年に及ぶCOVID-19の影響で、「人と会食すること」に対するやり方、気持ちの高め方を僕が忘れてしまったんだと思う。

そろそろ、マインドセットを変えて人との交際を再開させていきたい。その勢いで、最近すっかり減ってしまったオフ会も開催したい。

今回訪れたのは、上野駅と御徒町の間にある「牛魔王」というお店だ。

この界隈は最近リトルチャイナ化が進んでいて、中国人による中国人のための中国料理店、といった雰囲気のお店がとても増えた。このサイトでは、このエリアのお店について過去に何度か記事にしている。

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「牛魔王」は雑居ビルの地下にあるお店。ビルに面した道路からは、お店の様子がまったくわからない。

僕は小心者なので、初めて入るお店で、外から中の様子がわからないというのはとてもイヤだ。なので、相当尻込みしてしまった。

このお店の特徴は、注文してから麺を打ち始める調理法だと聞いた。

その話を聞いて、僕はちょっと信じられなかった。とても手間がかかることだからだ。

手打ち麺のお店は時々存在するが、何人分かをまとめて1回で打つのが普通だ。そして出来た麺をストックしておく。上野の近く、日暮里に「馬賊」という手打ち麺の有名な行列が絶えないお店があるが、そこだって常に麺を打っているわけではない。

何はともあれ、店内に入ろう。

僕が数分ほど店の外で「どうしようかなぁ、やめておこうかなぁ」と逡巡していたら、通りすがりの人に「何をやっているんだ、この人」という顔で見られた。恥ずかしかったので、逃げるように店内へ。

お店は不安になるほど階段を降りたところにあった。地下1階、というより地下2階くらいの場所にある。おかげでスマホには電波が入らなかった。

頼んだのは「牛魔王牛肉ラーメン」、1,100円。

初めてのお店なので、店名を冠した料理を頼むのが一番良いだろう、と考えたからだ。

メニューとのにらめっこを終えて、お店の様子もなんとなく把握できて、ようやく僕自身の緊張感がほぐれてきたときに突然鈍い音が店内に響き渡った。

ドスン、ドスン。

見ると、厨房で調理師さんが小麦粉の塊を練っていた。あ、やっぱり注文を受けてから麺を打つという噂は本当だったんだ。

そんなわけで、注文してから料理が出てくるまでにはそれなりの時間がかかる。しかし、打ち立ての麺を食べることができる、という体験はなかなかないのでとても嬉しい。

店内にいるお客さんは全員中国人で、日本語を喋っている人がだれもいない。そんな中、僕はスマホが使えず一人静かに料理ができあがるのを待つ。

出てきた「牛魔王牛肉ラーメン」は、とても美味しかった。日本のラーメンに慣れ親しんだ日本人にとって、中国の麺料理というのは「ラーメンに似ているけど、ラーメンとは違う料理」なので違和感を感じることが多い。しかしこのお店の麺料理は、日本の味付けとは若干異なる漢方テイストな味付けのスープと、独特の食感がある麺との組み合わせで僕は気に入った。

これはぜひ再訪したいお店だと僕は思った。その時はもっと別の料理も食べてみたい。

なお、支払いの際、PayPayで払おうとしたけれどスマホに電波が入らなかったため、現金払いとなった。要注意だ。

レジのところにWi-FiのSSIDとパスワードが掲示されていることにお会計後に気がついたので、Wi-Fiが繋がればもっとこのお店では快適に過ごせそうだ。

(2023.06.08)

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