日本橋かき氷フェスティバルでかき氷を食べる

三井不動産というのは、つくづくすごいと思う。

単にオフィスビルやマンションを建てて終わりではなく、街の付加価値をどうやって上げるか、長期的な目線で考えている印象が強い。

建物を建てる時点で、人が行き交い交流するような空間デザインが施されているし、その後もその空間を活かしたイベントが企画されることが多い。

森ビルも街の付加価値向上は得意だと思うが、あの会社は港区界隈の超富裕層をターゲットとしているので、庶民目線とは違う。

そんな三井不動産の本拠地とも言える、日本橋で「日本橋かき氷フェスティバル」が開催される、というので行ってみた。

コレド室町テラスという新しい建物の、1階大屋根広場での開催だ。こんな贅沢な公開広場が日本橋にあることに驚く。

会場に行ってみると、浴衣を着た人が大勢いた。「ECO EDO 日本橋」という夏の日本橋界隈のイベントの一環として、浴衣を着るというのがあるらしい。で、この日は初日だったので、三井不動産の関係社員がデモンストレーションとして着て会場にいたようだ。

最初、この浴衣の人たちを見て「へえ、すごいな。イベント初日からこんなに浴衣を着た人が集まるなんて」と感心した。その人達がかき氷を食べるでもなく、その場に立ったまま知人とおしゃべりをしている様子を見て、ようやく「ああ、これはイベントの見栄えのために社員が駆り出されたのだな」と気がついた。

そういうことにヒューマンリソースを割けるのが、三井不動産のすごいところだ。

なお、会場内はカメラが何台も入っていて撮影が行われていた。テレビ局が使っている機材ではなく、一眼レフカメラにジンバルや外付けディスプレイを取り付けたものなので、メディアによる報道ではなく三井の社内広報用だったり記録用のものなのだろう。

最近のかき氷はコッテリ濃厚なものが増えた。1,000円を越える高級なかき氷はだいたいそうだ。

「暑い夏だから、涼を得るために食べる」という食べ物ではなくなりつつある。コッテリしているので、冬に食べてもさほど違和感がない(と僕は感じている)。

この日食べたかき氷もそう。ドロっとした果肉が多いちごソースの上にマスカルポーネで作られたクリームが載っている。

本当は、「せっかくだから今日は奮発してでも、2店舗くらいは食べ歩きたいな」と思っていた。でも、これを1つ食べたらすっかり満足してしまって二店舗目に突撃する気力を失ってしまった。

12時すぎにこの会場を訪れたので、お昼ご飯はまだだ。当初計画ではかき氷2杯を食べて、その後小腹を満たす程度にお昼ご飯を食べるつもりだった。でも、結果的にこの日のお昼はこのかき氷一杯でおしまいになった。

昼飯がわりになってしまう、かき氷。

数日後、会期最終日に家族全員を連れてこの地を再訪した。

2店舗のかき氷を食べられなかった無念さを、一族郎党引き連れて仕返しに来たかたちだ。

とはいっても、家族がいる手前、「今日こそ2店舗!」とは思っていない。前回と今回、合わせて2店舗食べられればそれで僕は満足だ。

いしが選んだお店のかき氷は、氷の上に胡麻のソースがかかり、その上にクリームが載っているというものだった。これもまた濃厚。

たぶん、屋台でよく見かける、「単に氷を砕いただけのガリガリしたかき氷」だとこのコッテリ味はあわないと思う。フワフワした食感の氷を削り出せる装置があるからこそ、こういう濃厚な味と合うのだろう。

家族3人で1つのかき氷をわけあいながら食べる。

1年前まで、弊息子タケはかき氷を大して好まなかった。冷たい刺激がイヤだったのだろう。しかし今はもう3歳。「自分にとって適温な状態」で氷を口に含む量やタイミングをコントロールできるようになり、かき氷をとてもうれしそうに頬張っていた。そして、

「さんにんでかき氷を食べられて、しあわせだねー」

と僕らに語りかけた。3歳児から「しあわせ」という言葉が聞けたことにびっくりし、そして嬉しいひとときだった。

(2024.07.12)

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