仕事はフルテレワークで座りっぱなし、しかも月に数日は深夜残業があって1日16時間くらい椅子に座りっぱなしになる。さらに趣味と実益がこのwebサイト更新なので、これもまた座りっぱなしだ。
「座っている時間が長いと寿命が縮む」というのは世界的によく言われている話だし、僕の所属する会社の産業医もよく衛生委員会なんかで「とりあえず座ってないで、立て」と繰り返し啓蒙活動を行っている。
でも、なかなか立てないものだ。
電動昇降式デスクを買ったときは、「これでテレワーク三昧でも健康に留意できる」と安堵したものだ。
しかし実際は、ほとんど座りっぱなしであり、立って仕事をすることはほとんどない。やっぱり、csvでどわーっと並ぶデータを前に「さて・・・どう分析しようか?」などと考える際には、どっかり椅子に座っていたほうが都合がいい。立っていると、どうしても集中できないものだ。
じゃあ電動昇降式デスクが無駄だったか?というと、そんなことはない。自分の身長や座高にぴったりの高さに机の高さを調整できたので、身体の負担が軽くなった。
10万円を越えるオフィスチェアを買ったのも、良い面も悪い面もあった。
良い面としては、ダイニングチェアに座っていたときのように腰が痛くなることが激減したことだ。昔は、たった1時間ダイニングチェアに座っていただけでも、立ち上がってトイレに行こうとすると腰が痛くてよちよち歩きになってしまったくらいだ。それがどうだ、今なら何時間でも座っていられるぞ!
ただその話の裏返しとして、姿勢が一定の状態で固定されてしまい、体全体が固くなってしまった。
下手に座り心地が良いし、大きな背もたれ・ヘッドレスト・アームレストなどに体が取り囲まれているので姿勢を崩すことができない。そのせいで、むしろ体が凝り固まる事態になってしまった。
ある程度座り心地が悪い椅子なら、頻繁に足を組み替えたり斜めに座ったりして、姿勢が変化する。しかし、良い椅子だと「これが良い姿勢ですから!」とある一定のポーズを強制され、そのせいで体がガチガチになってしまうのだった。
さらに良くないことに、座面がある程度人間のケツの形にあわせて作られているため、真っ平らではない。そのため、バランスディスクのようなグラグラした健康器具を尻に敷き、「座っているだけで体幹トレーニング」といったことができない。
こんな生活を送っていながら、登山なんて行ったらてきめんに体に負担がかかる。案の定、2024年の僕は登山中の負荷で左膝を痛めてしまった。半年経ってもまだ完治しておらず、現在進行系で困っている状況だ。痛くて動けないというわけではないが、チクチク痛む膝が存在する、というだけで長丁場の山歩きに対してものすごく不安を抱く。
で、マッサージ大好きな僕だが、「駅前雑居ビル上層階の、60分2,980円」みたいなマッサージに頼っていたのでは体が全然よくならない現実をそろそろ直面する必要がでてきた。
もちろん、リラクゼーションとしてモミモミされるのは気持ちが良い。しかし、そういう格安店で背中や肩を揉まれても、一時の快楽が得られるだけで体の問題が解消されるわけではないことはよくわかっている。
わかってはいるけれど、ちゃんとした整体などに行こうとしなかったのは、3つ理由がある。
1つは、整体と称するお店で胡散臭いお店がたくさんあること。国家資格があるわけでもないので、値段の割に効果があやしいお店はいっぱいだ。
そしてたちが悪いことに、国家資格の柔道整復師がいる整骨院・接骨院も、すぐに健康保険の適用を勧めてくる場合があり、胡散臭い。「急性期の打撲」だのなんだのの治療名を付けて肩こり等を治療すれば、健康保険を利用することができる(場合がある)。そうすると、患者の費用は3割で済むのですごくお得だ。整骨院は嘘混じりのレセプトを書いて健保組合に提出する、という危ない橋を渡ることになるが、それでも3割負担に味をしめた患者がリピーターになってくれれば儲かる。
最近は自由診療価格をメニューに明記し、明朗会計を標榜する整骨院も増えた。そういうところは良いのだろうが、昔ながらの整骨院は相変わらず健康保険を悪用しそうな雰囲気が漂う外観(おかでんの偏見)で、とても中に入る気になれない。
なお、おかでんの所属する健保組合は、「整骨院で健康保険を使ったら、必ず治療内容の照会を行うからな?(安易に使うなよ?)」というお触れを組合員に出している。
理由の2つ目は、整体と名のつくお店の値段が結構高い、ということだ。日本語カタコトの素人同然の人にちょっと教育を施してセラピストと称して店頭に立たせているようなお店は、安い施術料金と引き換えに技術がまったく伴っていない。一方、技術があって人気がある整体になればなるほど、値段はギョッとする価格帯になる。
先ほどから僕が挙げている「60分2,980円」は極端に安いパターンだが、だいたいマッサージの相場は10分=1,000円強、というところだろう。60分やったら6,600円とか。しかし、人気の整体になると60分で1万円超えはザラで、2万円近くしてもおかしくない相場感だ。
僕は整体ではないが、繁華街でチェーン展開しているストレッチ専門店に通ったことがある。ストレッチはたいへん心地よかったのだが、資金切れで数回通った時点で止めた。こんなことを継続していたら駄目だ、と罪悪感を覚えてしまったからだ。「健康寿命を伸ばすためだから」という理由でストレッチ代を払い続ける財力はあったが、だとしても1回1万円近いお金を払ってわずか数十分の施術を受ける、というのは僕の金銭感覚からは耐え難かった。
あと、回数券を買うとお得だ、とクソしつこくて顧客満足度激落ちのセールスの猛攻にウンザリしたのも、通うのをやめた理由の1つだ。
ストレッチ屋さんに限らず、整体界隈は回数券を購入するとお得ですよ!と言ってくるところがとても多い。単発の値段がギョッとするくらい高く設定されているので、回数券がお得だと思わせるための二重価格戦略なのだろう。
なので、ホットペッパービューティーなどで「初回限定クーポン」を使って格安で施設を利用させて貰った後、「さあ、今後どうしますか」とお店の人から問われて途方に暮れることになる。すっげえ高い単発料金を払うか、回数券で今後数回分を担保してしまうか、それともこのままサヨウナラするか。
最後に、整体を回避してきた理由その3として、「時間が短く、気持ちよさが足りない」ことが挙げられる。
整骨院などは20分ないし30分程度の施術で、そのうち低周波治療器などを使った治療の時間が含まれている。お陰でモミモミしてもらえる時間が短い。
もうちょっとリラクゼーションに寄り添った整体の場合、時間は長くなるものの、「あーそこそこ、気持ちいいなあ」といったいい感じにツボを指圧、ということはあまりしてくれない。それよりも、身体の歪みの是正といったガチ系の施術が主体となるので、癒やしという点では物足りない。
あと、これは「整体」を標榜する以上当たり前だと思うのだが、「ヒアリング」を最初にやって「現状確認」を次にやって、施術をやった後に「効果測定」というプロセスがある。お陰で「60分」で予約をしていても、実際に身体をいじってもらえるのはもっと短い時間となり、なんか損をした気分になる。
回復・改善することが主目的なのであって、時間の長短だとか「損した気分」とかいうのは邪念にすぎない。そうだとわかっていても、施術時間が短かったりすると残念だ。
そんなわけで、僕はカイロプラクティックにはほぼ無縁だ。あの流派はすごい。特殊な機械とか使ってバチンバチン、ガシャンガシャンやって15分程度で施術が終わる。単刀直入に問題箇所にアプローチしているということなのだろうが、物足りなさを感じてしまう。
話が長くなったが、そんな僕が意を決して施術をお願いしたのは、表参道にある美容整体を標榜するお店。
予約まで2ヶ月待ちの人気店。お一人でやっていらっしゃるので、予約がとにかく取りづらい。なんでも、モデルとかも姿勢改善のために通ったりしているそうだ。
僕がこのお店のことを知ったのはYouTube動画なのだが、ちょうど左膝を痛めた後で、「姿勢をどうにかしないとまずいな・・・」と危惧感を高めていた時期だった。そんなとき、このお店の施術動画で、患者が悶絶するほど強烈に太ももをエビ反りにさせ、腸腰筋や股関節を伸ばしているのをみて「これだ!」と思ったのだった。
僕には痛みが足りない。「痛い!やめてくれ!」というレベルで指圧されたりストレッチされたり、曲がってはいけない方向に関節が曲がったり、そんな強刺激で長年の身体のクセを解消させたい。そのためにはこのお店がぴったりだと思った。
結論として、とても満足している。
150分というみっちりした時間、1on1でガッツリ施術してもらった。動画で見た腸腰筋ストレッチは、脂汗が止まらないレベルで痛かったが、その後のスッキリさは明らかにこれまでとは違うものだった。
写真左が施術前。写真右が施術後。
正しい重心でまっすぐ立つ、というのが目的で施術が行われている。つまり、つま先重心ではなくかかと重心にして、くるぶし、膝、腰、肩、耳がほぼ真っすぐ一直線に並ぶ状態が理想型だ。
施術後の写真である右側を見て欲しい。「ふざけてやってるのか?」というくらい、反り腰状態になっていることがわかる。これ、もちろんわざとではなく、普通に立った状態でこの姿勢だ。胸も、びっくりするくらい張っていることがわかる。
こんな反り腰だと身体に無理が来そうだな、と我ながら思うが、重心は見事にくるぶしから耳のところまで一直線に揃っている。さすがだ。
施術前は膝が前にて折れていたのが、施術後はまっすぐ伸びているし。
施術前がダラっとしたおっさんの体型なのに対し、施術後はやけに引き締まって見える。シャツのサイズが変わったのかな?と思えるくらいで、不思議だ。
背後から見た写真も。
写真左が施術前、写真右が施術後。
施術後のほうが肩甲骨同士が寄って、胸を張っているということは背中からも見てとれるその結果、やたらと姿勢がよく見えるのだから本当に不思議。というより、若返って見える。
施術前だと、おっさんがボサッと立っているだけなのに、写真右は筋トレをやっている人が立っているようにも見える。
もちろん体重はまったく同じなので、体型に変化はない。しかし、姿勢がかわるだけでこんなに違って見えることに相当びっくりした。コイツぁすげえ。
すっかり感動した僕は、このお店に今後もお世話になることに決めた。お試しの1回目は安かったが、2回目からは値段が上がる。しかし、「施術後の次の日までに次回予約を入れれば割引」というありがたいルールがこのお店にあったので、それを使ってすぐに2回目の予約を入れた。回数券を買うのはちょっとはばかられたので。
そしてなによりも、このお店は繁盛店なので「次回予約」といっても2ヶ月先だった。お陰で、予約をいれることにあまり罪悪感を感じなかった、というのも理由として大きい。
僕がワンチャン大金持ちになったら、整体、マッサージ、ストレッチをはじめとするあらゆるリラクゼーションや姿勢改善のプログラムを毎日1-2時間受けたいものだ。今日はこっちのお店、明日はあっちのお店、といろいろと受けたい。
僕の周りに真の金持ちというのは一人もいないのだが、金持ちでマッサージ三昧の人って果たしてどれほどいるのだろう?少なくとも僕はそういう人を聞いたことがない。
(2024.10.03)
コメント
コメント一覧 (7件)
おかでん殿
整体やマッサージは自分との相性が重要で、ホントに一期一会だと本官は考えております。その点、今回の整体はとても相性のいい方に出会ったのではないでしょうか。
施術前と後の比較写真を拝見すると、「おー!効果が出ているなあ」と。
気持ちいいマッサージやDr.ストレッチ系は、やはりその場しのぎ且つ回数券を勧める点と、本当に付け焼き刃では無い勉強をしてたのか?という感想を周りの人からもよく聞く話です。
その人のセンスや相性という重要な要素が無いとねー。
鍼灸やカイロは資格はあるけど、駄目な人に当たると逆に自分の身体がおかしくなるので…。
学生時代は体育会だった事もありセンスの塊とも言える程の鍼灸・カイロプラクティック治療をメンテナンスの為通ったけど学生プライスだから通えたけれど、いざ社会人になった瞬間にエライ金額故、これは無理だ〜!となってしまいました。
自分もバックオフィス系の業務なため、姿勢が悪くなり首肩腰痛に加えて膝も週末が近づくにつれて相当マズイ状態になってしまいます。
現在は、幸いな事に相性のいいトレーナーさんに出会う事が出来て、身体の歪みを矯正しながらのストレッチと体幹を鍛えるトレーニングを自営業の妻と共に自宅に来てもらい週1で2時間程受けています。1回あたりで計算すると1人7000円プラス交通費と決して安くはない出費となるけど、最後に個別の身体ケアを15分ずつ受けるまでは2人同時進行になる分、定価から割り引いてもらっておます。
妻とは「うちは子供がいないし、何をするのにも、身体状態が1番大事だから」ということで日常生活コストのほぼ最優先に位置づけているのが現状です。
軍曹殿>
おいおいおい、なんかすごい人が現れたぞー。コロナ以降、街中にやたらとパーソナルトレーニングのお店が増えたけど、まさか自宅に呼ぶ人が僕の友人の中にいたとは。
「やーいブルジョアー」などとからかうつもりはないんです。軍曹殿ならわかっていただけると思いますが、マジでこういうのって「どうすれば体の問題解決と癒やしが実現するか?」って悩みますよね。その結果として、自宅にトレーナーを招聘するのだって、お金の大小関係なくあり得る話だと思います。
最初のうちは、1000円2000円の違いで「高いなあ」などと考えますが、だんだんと「体に良いなら、少々高くてもいい」という考えになってきます。僕もそうです。
僕はあいかわらず60分2980円の駅前雑居ビルに行ってしまう煩悩が残っていますが、それでも「できることなら、安い値段のマッサージ店は行くのをやめて、値段が高くて良いものに絞り込みたい」と思ってます。
なので軍曹殿のやってらっしゃることって、羨ましい。
理想として、ストレッチ、整体、筋トレが1ストップでできればよいのですが、それを実現してらっしゃる。
ただ、お話を聞くとリラクゼーション要素は殆ど含まれないメニュー構成のようですね。ガチな整体とかだと、「ああ、ええ気持ちや」というご褒美が少ないので、モミモミされたくなりますが、その点では物足りなさってありませんか?
ちなみにドクターストレッチは、もうちょっと安ければ通いたいんですがね、初回の割引価格を除くとスゲー高い。技術面とサービスは相当クエスチョンに感じていて、こちらのコンディションを見たうえでカスタマイズしてくれるきめ細やかさはない印象。あと、とにかく悪評高い回数券の押し売りは本当に胸糞悪い。しつこくてウンザリする。
お店の立地条件は相当良い場所なので、ふらっと訪れて利用するには便利なんですがねぇ。
あと、ストレッチ系では「全力ストレッチ」というのが店名どおり結構全力でグイグイとストレッチしてくれるという噂を聞いたことがあります。しかし、タイツ姿のきれいなお姉さんがインストラクターであり、あまのじゃくな僕は興味津々だけど行きたくないお店。下心ありきで訪れていると思われるのが悔しいから、行かない。
おかでん殿
ここに辿り着くまでは色々ありました。
最初はご近所の紹介で、とある小規模の会社さんがオーナー含めて社員数名同時に行うところに混ぜていただいたのですが、仕切りジムの社長が必ず同席(結局オーナーさんと◯人でその人はただのド素人だった事が判明)して、若きセンスのあるトレーナーさんはどれくらいフィーを請求しているか知らされず(後日判明したところ相当搾取されていたのが判明)働かせていたところ、本人が「実は独立するのです」とこっそりと耳打ちしてくれて、連絡先の交換を目立たないようにして、独立後フリーランスになってからが本格的にお願いし今に至ってます。技術があり常に勉強しセンスがあると、始めは修行要素で何れかのトレーニングジム等にて働くけど、優秀な人ほどフリーランスになる業界ですね。まあ基本的にはお客さんの引き抜きはダメなんだけど…。
個人的には、気持ちえーのー!というマッサージも受けたいと思うけど、そこまでフルコースは余裕が…。過去ちょっと時間があったからとクィックマッサージで、首肩背中腰と連動している事も分からん奴が出てきてエラい目にあって以来懲りたのもありんす。
但し、がち体幹トレ&痛たたではあるけど体の歪みを修正するストレッチとピンポイントほぐしケアは、終わってから明らかに姿勢や立ち姿も含めて見栄えよく、爽快になります。
軍曹殿>
そう!そうなんですよね!
マッサージを受けるにしても、筋肉がどこにどのようにあるのかを熟知している人に施術していただきたい!
当たり前のような話なのに、駅前激安リラクゼーション店だと「とりあえずモミモミする」というところが本当に多い。
もちろん、経験則で「ここを押されると人は気持ちいい」などと分かっているのでしょうから、その経験は貴重。
でも、「今から梨状筋にアプローチしていきますね」などと言いながらインナーマッスルにぐいーっと施術をされたりしたら、僕は脳も体も大喜びです。
でもそういう人って、当然スキルがあるのでお値段も高くなる。日常使いにはしづらい。
「ああ、マッサージ受けてぇ」というだけで大金持ちになりたいっす。
コロナ前は上京すると金町にある「たなごころ」という整体に行ってました。
施術前と後の写真を撮り、気持ちいいマッサージもしてもらえるけれど、ほぼほぼあちこちから悲鳴が聞こえるような治療院です。
もちろん私も「ロープ、ロープ、たんま、たんま」と悶絶しまくってました。
効き目はあるけど、とにかく遠くてなかなか行けないし(コロナ後、上京の機会が激減)お値段もなかなかなので、今は広島市内でとにかく安くてその時に幸せが味わえたらいいかー、という店に行ってます。
ネーマさん>
ご紹介いただいたお店の料金表を見てみました。10分2,000円くらいですね。施術者によって値段は違いますが。
やっぱり、
(1)60分3,000円くらいの激安店は、刹那的快楽。クオリティを要求しちゃ駄目。
(2)60分6,000円くらいの店は標準的、クオリティは上がるがやっぱり刹那的快楽。
(3)60分12,000円(10分=2,000円)以上の店から、しっかりとした内容
(4)60分18,000円(10分=3,000円)以上の店は、何かしら治療に自信があるのだろう
という構造ですかね。本当は(3)以上のお店に通えれば良いのですが、お金持ちでないと厳しい。