2020年秋、僕の左肩を五十肩が襲い、それは9か月以上経過した今でも現在進行形として引き継いでいる。
さまざまなグッズで肩をケアしてきたのは、以前記事に書いたとおりだ。ガツーンと整骨院にいくでもなく、チマチマと小兵を投入して様子を見る、というのは小心者の証拠といえる。
しかし、今回はやったった。高い買い物をしたぞ。それが「電動昇降式デスク」だ。
話を一旦整理するために、敢えて前日譚みたいな余談をさせてほしい。
コロナ以降、僕はテレワーク主体の勤務体系になり、ひたすらダイニングテーブルでお仕事をするようになった。このワークスタイルが左肩を痛めたとまでは言わないけれど、僕の体にとってフィットしていなかったのは間違いない。一旦痛みはじめた肩にとって、ダイニングテーブルでの仕事は苦痛だった。
僕が使っていたダイニングテーブルは、↓の記事の写真に写っている。
イケアの机。名前は忘れた。
食事に使うのならば何ら不満はない。いまでも現役で使っている。しかし、パソコン作業をするなら、この盤面の位置が僕にとって微妙に高く感じられた。
それもそのはず、「食事」というのはテーブル上のお皿からメシを口に運ぶ作業だ、色気のない表現をするならば。なので、テーブルは高めに作られているのが合理的だ。しかし、一日中パソコンに向かってタイピングする仕事をやっていると、常にいかり肩になっているような感覚になって窮屈で肩が痛かった。
測ってみると、このテーブルは高さが74センチあった。これは日本の一般的なダイニングテーブルよりも数センチ高いらしい。ははーん、北欧家具って、こういうところでもサイズ感が違うのか。
椅子の高さを変えることで盤面の高さを帳消しにすることは、できそうでできないことだった。というのも、ダイニングテーブルは盤面がたわまないように、盤の下に梁のような構造がついているからだ。椅子の座面を上げると、僕のセクシーな太ももがこの「テーブルの梁」とぶつかってしまう。
なるほど、ダイニングテーブルと比べてオフィスデスクって値段が高いのは何故だろう?と不思議に思っていたけど、構造そのものが違うんだな。オフィスデスクというのは、薄い天板だけで成り立っていて「梁構造」がない。天板に荷重がかかっても壊れないだけの頑丈な作りにしているから、お値段が高いんだ。
椅子に関しては、そうそうにダイニングチェアを諦めてオフィスチェアに切り替えていた。2020年4月のことだから、緊急事態宣言が出て間もない頃だ。
クッション性が乏しい食事用の椅子に座り続けると、トイレに立ち上がった際によちよち歩きになるほど腰に負担がかかっていた。これはアカン。
買ったのはオカムラ製のオフィスチェアだった。
巷には、やれアーロンチェアだの、ゲーミングチェアがいいだの、ヘッドレストがあると快適だのいろいろな話が渦巻いている。でも、そもそも「食事をする空間で仕事をする」という制約がある以上、背もたれ部分がデカい椅子は邪魔だった。
仕事をしていないときは、そこに座って食事をすることになる。食事中でも違和感がない椅子である必要があった。
で、買ったのがこれ。オカムラといえば品質面ではコクヨやイトーキと並んで信用ができるメーカーだ。第一回緊急事態宣言の真っ只中で、ショールームで実際にお試しをすることができない中での「モーパイ(麻雀用語。ツモった牌を、手先の感覚だけで何の牌を引き当てたのか把握する技術)」しなくちゃいけないときにオカムラというブランドは強かった。だって、会社で使っている椅子もオカムラだし。
どうでもいいけど、会社で使っている椅子は10万円以上するものだった。高い!でも、弊社がそんな高級な椅子を導入なさるとは思えないので、職場一括大量仕入れで相当ディスカウントされたんだろうな、と思う。
結果として、この椅子にはとても満足している。「上には上の快適さがある」と、より高級品のことを気にしなくて済むだけの何一つ妥協や我慢がないクオリティだった。お値段は2万円程度。
ちなみに、5,000円~10,000円未満で、もっともらしいハイバック(背もたれが大きく高さがある)チェアがたくさん売られているけど、僕はおすすめしない。全てのメーカーがダメかどうかはわからないけれど、昔それを僕は使っていて、クオリティが低いと感じたからだ。
作りが雑でギシギシするし、座面の表面がボロボロ剥がれて中のウレタンが出てくるし、座面調整用のガスシリンダーがいつ壊れて僕の体を貫通するのか、不安だった。実際にその当時、ガス圧式の椅子が壊れてケツを貫通した、っていう事故が中国であったとニュースになったので、マジで恐怖を覚えていたものだ。
椅子は解決したけれど、ダイニングテーブルは辛抱ならない。これはどうにかしないと。この後引っ越しを予定していたので、その際に仕事用の机を新調することで家庭内で理解を得た。
なお、椅子を買って即ご満悦、とはいかなかった。
なるほど、キャスターつきの椅子に座る、ということは「滑る」ということなんだな、ということに買ってすぐ気がついた。踏ん張っていないと、ジリジリと後ろに下がる。特に、イケアの机の高さにあわせるように椅子を高めに設定していると、より踏ん張る必要があった。
その結果、「こりゃだめだ」と慌てて滑り止めのチェアマットを購入した。これは予定外の出費。
キャスター付きの椅子を買うときは、ラグの上で使うか、椅子用の滑り止めマットを床に敷くか、対策が必要ってことだ。
さて
話を戻す。机だ、机。
イケアのダイニングチェアに全く罪はないものの、いつしか「お前のせいで五十肩の痛みが収まらねぇ」ととばっちりを受ける有様になっていた。やっぱり、仕事には仕事に向いた机、食事には食事に向いた机というのがある。
僕に仕事机をください。
そこで電動昇降式デスクの検討となった。新しもの好きという性格だから、というのもあるけれど、調べれば調べるだけ「自分にとって最適な机の高さって、なんだ?」というのがわからなくなったからだ。だったら高さが調整できる机が良いだろう、というわけだ。
「仕事に適した机の高さ」というのは、ネットで検索すればいくつも情報が出てくる。自分の身長を入力すると、最適な高さが表示されるというものだ。たとえば、このサイト。
https://flexispot.jp/heighttool
ここによると、身長178センチの僕にとって、机の高さは67センチなのだという。ええ!67センチ!?イケアの机よりも7センチも下じゃん。
とはいっても、別のサイトで同じ用に調べると、この数値は結構ブレる。どこのサイトだったか、「最適なのは72センチ」と答えたのもあるし、まあ、いろいろだ。そりゃそうだ、人によって座高が違うし、ノートパソコンをそのまま使うのか、外付けディスプレイに投影して使うのかで必要な机の高さが違う。
ただ、この「67センチ」という数字は鮮明に僕の頭のなかにとどまり、「ほらみたことか、だから僕の五十肩は・・・(完全な言いがかり)」という考えを強くした。
(つづく)
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