左肩に五十肩を発症してしまい、半年以上ヒイヒイいっている有様。その苦悩と試行錯誤の様子を、オンラインショッピング形式で紹介していく。
2020年初秋頃。左肩に違和感を覚えるようになった。日常生活に支障はないものの、なにか鈍痛っぽい、「いつもと違う感覚」がある。普通だったら、「人間の体なんて四六時中変化してるんだし、気にすることはない」と無視するレベルだ。でも、僕はすぐに悟った。
ヤツだ、ヤツがやってきたぞ、と。
この肩の違和感が五十肩であることは疑いようがなかった。忘れるものか、数年前に右肩でさんざん苦しめられたから。
前回の「肩をやっちまった予感」というのは、以下の記事に書かれている。「手挽きのコーヒーミルを使っていると肩が痛いので、電動のものに買い替えた」という内容だ。2014年8月。
このときは、1年半以上痛さとともに生きていく羽目になった。2016年5月の記事に、四十肩の余韻で肩に力を入れられない、という内容の文章がある。
結局、「あれ、おかしいぞ」から2年近くもの間、この病気というのは治らなかったというわけだ。
もちろん、手をこまねいていたわけではない。整形外科で運動療法のリハビリに精を出した。カイロプラクティックに通院していた時期もある。それでも、回復までこれだけの時間がかかっている。四十肩の恐ろしいところは、「かなり長びく」ことだ。
・・・6年も前のことなので、「四十肩」と呼称して差し支えないだろう。でも今度は「五十肩」だ。また、年単位の苦痛が始まるのか。げっそりした。
何しろ、経験者ならわかるだろうけど、ひどいときは安静にしていても腕が重だるくて痛い。そして、寝るときには特に痛い。「動いた瞬間に痛い」ならともかく、仰向けになっているだけで痛いのだから理不尽だ。
眠れなくてどんどん衰弱する。それが四十肩・五十肩。
今回、本格的に肩の状態が悪くなる前に、肩回りは労っておくことにした。前回の経験から、僕にとっての勝利の方程式はわかっていた。
ストレッチポールだ。
僕が持っているのは、本家本物のストレッチポールではなく、ビックカメラで買った安物だ。
ウレタンを電柱のように固めたもので、本家と比べると出来はいまいちだが、ストレッチポールがもたらしてくれる効能は一緒。これから買おうと思っている人は、安物でも構わないと思う。
ただし、本家は触り心地や使い心地がとても良く、お金があるならばホンモノの「ストレッチポール」を買うといいだろう。
このストレッチポール(風)の上に仰向けになり、その場で大の字になっているだけで効果は十分だ。首と肩の緊張状態が緩和される。さらに、そのままの姿勢で手の平を地面にくっつけ、ぐるぐると床を雑巾がけするように動かせば、四十肩で拘縮した肩関節まわりが少しずつ緩んでくる。ただし、結構痛いけれど。
四十肩・五十肩は、急性期の炎症がツラいだけじゃない。その後、痛みをかばった結果、肩関節回りの腱が拘縮することがツラい。可動域を広げるためにリハビリを何ヶ月も続けることになり、セルフ拷問をやり続けないといけない。
自己流リハビリとして何ヶ月も、ストレッチポールの上に乗り続けたものだ。でも、確実に良い方向に向かっている、という実感が得られる素晴らしいツールだと思う。
今回も、そんなわけで早い段階でストレッチポールで肩回りをぐるぐるやっていた。すると、拘縮しかかっていた肩関節の可動域が広がることを実感できた。
前回教訓を糧に、今回は五十肩を回避できる・・・と思ったのだけど、なぜか状況はむしろ悪化していった。結局、「おかしいぞ?」と違和感を感じて2ヶ月後には、整形外科のお世話になる羽目になってしまった。
結局、五十肩というのは始まってしまうと、素人判断でのリカバリ策程度ではどうにもならないらしい。
整形外科に行ったって、大して状況が好転しないだろうというのはわかっていた。
医者には医者なりの理屈があるのはわかるけれど、整形外科って、「患者のツラさによりそう」ということをしてくれない場所だ。これまで何度となく、「レントゲンは特に異常ありませんねー、湿布出しておきますねー」と言われておしまいになってきたことか。
ドラッグストアで買うと高くつく湿布を、安く処方してもらえるのはありがたいことだ。でも、湿布というのはあくまでも対処療法であり、
「なんで肩が痛いの?」
「肩のどこが問題が起きているの?」
「この痛みを解消するにはどうすればいいの?」
というのをすっ飛ばしてしまっている。僕みたいなあれこれ調べたがり屋からすると、ブラックボックス状態の診察・処方というのは全く納得がいかない。
いや、ブラックボックスも何も、そもそも五十肩というのが現代医学をもってしても未だに「原因不明」と言われている病気だ。
「老化により肩周りの腱が固くなり、何らかのきっかけでそこが傷むと炎症が起きる」などと言われているが、「何らかのきっかけ」というのがよくわからない。なんで女性よりも男性がかかりやすいの?とか、わからないことだらけだ。
だから、レントゲンで肩を撮影した程度じゃ、町のお医者さんでは「わからないので、とりあえず湿布を貼って様子を見ましょう」ということになるのだった。
ひとまず、レントゲンで所見なし、ということは肩関節に石灰が溜まっていないということだ。これは一応朗報といえる。
前回四十肩のときは、肩が拘縮した結果、関節包内に石灰の破片のようなものができ、そのせいで肩の動きが悪くなる&炎症の収まりが悪くなるという展開になった。
一度石灰ができてしまうと、ひたすら肩を(炎症が悪化しない程度に)動かし続け、石灰が自然と溶けて消滅するよう働きかけることになる。一度凝固した石灰の塊を消すのだから、そう簡単な話じゃない。
尿路結石になる人が、飛び上がるほど痛いと恐れる「石」も、石灰だ。体内にできる石灰というのは、本当にやっかいだ。
症状に改善が見られない場合、内視鏡を肩関節に入れる手術で石灰を除去&癒着した腱を剥がすということになるらしい。ただし、肩というのはびっくりするくらい複雑に筋肉が入り組んでいる場所だ。内視鏡手術なら楽勝でしょ?なんて思ってはいけない。繊細な筋肉にメスを入れるので、その後の入院やリハビリには時間がかかるらしい。
そんなわけで、お医者さんは「とにかく動かしてください」とおっしゃる。
いやそうなんですけどね、この痛みの中、どうやって動かせばいいのかと。何しろ、食卓から落ちかかったキムチ容器の蓋をとっさに受け取ろうと手を伸ばしかかっただけで、激痛で10分ほどのたうち回ったくらいだ。絶叫3分、そのあと声にならない激痛7分くらい。よだれがダラダラ口から垂れても拭く余裕がないくらい、痛い。
五十肩について調べると、たいてい「急性期は2週間程度。その後は慢性期」と書いてある。激痛は2週間?そんな馬鹿な。右肩のときも、今回のときも、2週間程度で済むことはなかった。
医者は動かせというけれど、下手に動かすと炎症を悪化させる。医者の言葉よりも自分の体からのメッセージを信じつつ、それなりに日々を過ごしていった。これだけ痛いなら、拘縮上等だ。たとえ拘縮するとしても、一旦炎症が収まるまで待ちたい。
しかし、そうやって労っていたにもかかわらず、症状は改善どころか悪化していった。夜眠れなくなるし、腕が木の棒みたいに重だるくなってしまい、動かすのがしんどくなってきた。
医者から処方されたケトプロフェンの湿布薬(いわゆるモーラステープ)をベタベタ貼る。肩を前後から挟み込むように2枚、上腕二頭筋から腕撓骨筋の方まで痛みが響くので、腕にも2枚。まるで包帯で巻かれたミイラのようだ。
ここまで貼っても、全然痛みは消えない。ただ、「痛みとは別の刺激が得られるので、少しは気を紛らわせることができる」程度の気休めにはなる。
とはいえ、湿布薬の成分である鎮痛剤は、解熱作用もある。だから、これほどまで湿布を貼っていると寒気がしてくる。冬だから寒いんじゃない、身体が心底から冷えてゾクゾクしてくるんだ。
湿布では痛みが解消されない、ということで後日錠剤のロキソニンも処方してもらったのだが、これもやっぱり気休めには変わりない。しかし体温が下がるのだはガチで、検温をすると毎回35度8分くらいの記録になっていた。
通院する都度、医者からは「ロキソニンで胃がむかつかないか?」と胃もたれを気にされた。あまりに痛いのでロキソニンを1日3回、しかもそれが一ヶ月以上も続いたので、医者をもってしても「こんなにロキソニンを飲み続けるのはちょっと異常」と言わしめた。
僕のパートナーのいしは「そりゃそうですよ、ロキソニンなんて手術後の患者さんがせいぜい数日間飲むくらいのものですから」と言う。1ヶ月以上もロキソニンを飲むというのは、プロからみてもおかしいらしい。
やばい、「ロキソニンをたくさん処方してもらって、それを闇市場で高値売りさばきをやっている人」と思われるんじゃないか。
【ここから話は脱線】
ちなみに、写真に写り込んでいるロボット掃除機はAnker社製の「Eufy Robovac L70 Hybrid」という機種だ。我が家では3代目になるロボット掃除機になる。
僕が初めてロボット掃除機を買って大興奮したときは、このサイトでそれを記事にしている。
当時は大満足、と書いていたけれど、その満足はわずか1年で終わりを告げた。賢いセンサーで壁にぶつからないのが売りのハズだったのに、センサーが故障したのか家中のあちこちにドカンドカンとぶつかるようになったからだ。そして、その衝撃で頭が悪くなったのか、今度は何度再挑戦させても充電器に帰還できなくなり、自動掃除機のハズが半手動掃除機になってしまった。
二代目は、「やっぱり、少々値段が高くても元祖を買うのがいいのだろう」と、iRobotのルンバを買った。4万円台の普及機種だ。
ルンバは、初代の台湾製ロボット掃除機と異なり、潔いまでに最初っから壁に激突する。「壁にぶつかったら、向きを変える」という設計ロジックらしい。激突、というより壁に突撃しているとしかいいようがない動きをする。
その他の動きは結構ランダムで、「とにかく適当に部屋を走り回るぞ。壁にぶつかったら向きを変えりゃいいので、バッテリが切れるまで動き回るぞ。吸引している空気の中に、チリが減ってきたら部屋がきれいになったと見なして掃除を終わらせるぞ。」という動きだった。
なので、狭い家だけど結構掃除ムラができ、あんまり賢いロボだとは思わなかった。たぶん、狭い家だと必然的にベッドやら机や椅子が密集する。そのために、「適当に走り回るタイプのロボット掃除機」は向かないと思う。
「ロボット掃除機は欲しい。でも、どうせ狭い家だし、安い機種でいいや」
と考えるなら、買わないほうがマシだ。ミニマリストならばそれでもいいけど、ある程度モノがある家ならばむしろ高性能なロボット掃除機のほうが向いている。ガランとした広い空間なら、安物のロボット掃除機でむしろ事足りるのではないか。
そしてこれも、ガツンガツンとぶつかっているうちに頭が悪くなったらしく、充電器に戻れなくなって役にたたなくなった。なんてこった。
そんな中、三代目として登場したのがこれ。Ankerといえばモバイルバッテリーで有名な会社だ。アメリカの会社なので、怪しい中国製のロボット掃除機よりはるかに信頼性がある。【令和最新版】などと商品名につけている、聞いたことがないメーカーの商品とは次元が違う。
ロボット掃除機「L70」はマッピング機能を備えていて、掃除機についているレーザーセンサーで部屋の間取りを検知し、隅々まで掃除をしてくれる。
これは本当に素晴らしい買い物だった。間取りの検知はほぼ完璧で、自らリアルタイムで作成したマップの隅から隅まで、数十センチ幅で行ったり来たりして掃除に漏れがないからだ。部屋のマップと掃除機の軌跡はスマホアプリで確認ができ、いかに完璧な掃除をしたのかが手元のスマホ画面でわかる。「え?掃除終わり?・・・ああ、なんとなく掃除したっぽいね」というのとは違う、証拠が残る。
部屋のマップは掃除の都度、毎回新たに作成される。なので、部屋のレイアウト変更やモノの位置が違っていても、全く問題ない。ただし、前回のお掃除結果を踏まえてどんどん賢くなる、ということはないようだ。臨機応変に毎回対応する。
家中あちこちの扉を開けておきさえすれば、このL70はウォークインクローゼットの中にも、洗面所にも、トイレにも、どんどん入っていく。よくぞ気づいたなこの空間に!と見ていて驚かされる。
もちろんルンバをはじめとするその他ロボット掃除機メーカーでも、マッピング機能付きの機種は存在する。しかし、L70よりも一回り値段が高い。または、3万円くらいの激安で、聞いたことがないメーカーで胡散臭い。部屋のデータが某国に密かに送信されていた、なんてのはイヤなので、そういう機能は信頼できるブランドの商品でないと使いたくない。
あと、掃除ブラシやバッテリの交換パーツが別売りで用意されているということが、商品選びでは重要になる。結構見慣れないメーカーだと、パーツが売られていないことがあるからだ。その点、さすがAnker製だけあって交換パーツは問題なく入手でき、その点でも便利だ。
L70は購入から1年以上使っているが、故障せず快調に動き続けている。今でもきちんとマッピングをするので、大満足の買い物だ。おすすめだ。
※ただし、完璧な製品とは言い難く、「部屋のギリギリまでは掃除をしてくれず、ゴミが残る」「ダストボックスを本体から取り外すとき、ゴミが溢れる」などまだ作りの甘さがあることは追記しておきます。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (2件)
四十肩なり五十肩の男女差ですが、
女性の方が家事が多く、高い棚のものを取る動作を日常的にしているので、肩をよく動かしているから、という話を聞いたことがあります。
洗濯物を干す、にしても。
男性は痛風も尿路結石も、女性と比べて多いので激痛系は男ならではのお楽しみ。。。
かと思いましたが、女性には出産という最大の激痛があるし、膀胱炎にかかりやすいということもある。
結論として、「人間って、生きるのは大変ですね。」ということです。