自撮り棒を使ってテレワーク環境をブーストする

テレワークが増えて、悶々としているという話はこれまでに何度か書いてきた。「家にいながらして、ワクワクできるサムシング」を求めている日々だけど、かといって派手な贅沢がしたいわけではないし、実用的ではないガラクタが欲しいわけでもない。

テレワーク環境をより便利にするもので、お手頃価格のものなら、欲しい。しかもそれが仕事用途専用なら悔しいけれど、遊びにも使えるならありがたい。「仕事専用のものを、なんで自腹で買わないといけないんだ?」と思うし。あいにく僕は富士通みたいに、月額5,000円のテレワーク手当みたいなものがもらえる企業の会社員じゃないんでね。

そう思っていたら、こんな商品を発見した。

いわゆる「自撮り棒」だ。

僕はスマホで写真撮影をするということが殆どない。スマホの写真は今や素晴らしい出来だと思っているけれど、コンデジとミラーレス一眼を使っているこだわりで、スマホカメラはつかっていない。使い慣れていないと、いざスマホで写真を撮ろうとするとレンズが指紋で汚れていたりするし。

そんなわけで、自撮り棒なんて完全に無縁の存在だった。そもそも日本人で自撮り棒を使っている人自体があまりいない。極東アジア界隈の外国人観光客があれだけ愛用しているのに、なぜ日本人がガンガン使わないのか、僕にとっては不思議だ。でも、そんな僕でも自撮り棒に興味が湧いてしまった。不覚!

自撮り棒に目がいってしまったのは、Amazonのサイトを別件で見ていたら、おすすめで表示されたからに過ぎない。最初っから欲しかったわけではない。しかし、広告を見て「ああそうだ、僕に必要なのはこういうものだ」と思わせたのだから、バナー広告って恐ろしい。普段は「誰がこんな広告クリックするかよ」とガン無視する存在だけど、ある時ズバーンとフォーカスが合うときがある。

自撮り棒があったらいいなあ、とぼんやり考え始めたのは、2つの理由がある。2つめはあと付けの論理で、実際にメインの理由は1つだ。

  • 旅行先で、自撮り撮影を気軽にしたくなった。
  • Zoomなどのオンライン会議で、スマホを高い位置に固定したい。

順を追って説明したい。

まずは、そのまんまの自撮り。2018年の秋からミラーレス一眼レフカメラをメインで使うようになり、カメラがかなり大型化し重量が増えた。このため、手軽に持ち運べて伸縮が簡単な三脚は使えなくなってしまった。

これまで、三脚が原因でカメラを壊したことは何度もある。

  • セルフタイマーで撮影しようとして、カウントダウン中に強風が吹いて三脚が倒れた。(那須岳登山の時など)
  • 雨の中三脚で記念撮影しようとして、グラグラ不安定な三脚の首を調整しているうちにカメラが濡れ、のちに壊れた(お遍路チャレンジの時など)
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そんなこともあって、ミラーレス一眼カメラを壊してなるものか、と頑丈な三脚を購入した。習いに行ったカメラ教室の講師プロカメラマンが、「三脚はしっかりしたものを買わないとお話にならない」的なことを言ってたし。そこで買ったのがこれ。

マンフロットはイタリアのブランドで、三脚メーカーとしては定評がある。もちろん品質にはまったく問題なく満足しているのだけれど、「いざ、写真撮影をしよう」と思ってからセッティングまでに時間がかかるのには困った。

ガッチリ三脚を構えて、鳥とか鉄道とか風景を撮るならばこれでもいい。しかし僕の場合、「三脚を使う=自撮り(または、仲間との記念撮影)」だ。周囲の人の目もあるし邪魔にもなるし、何よりも「今このシーンを撮影したい!」と思った時のテンションをそのまま撮影したい。三脚設営から撮影までに1分くらいかかってしまっては、だめだ。

そのため、ここ最近は自撮り撮影がすっかり減った。しかしそうなると、撮影したものが単なる風景写真や料理写真ばっかりになってしまい、そこに「自分がどう関わったのか」という証が残らなくなってしまった。僕にとっての自撮りというのは、自己愛の延長からくるものではなく、書類にハンコをつくように「自分がこの光景の中にいます」という証明の意味がある。そうでないと、美しい写真を掲載している登山雑誌やグルメ本の写真のほうがマシ、ということになってしまう。

先日高尾山に登った際、ほとほと「自撮りが面倒な登山というのは嫌だな」と思った。そういえば、ミラーレス一眼レフカメラを導入してから山に登るのは、これが初めてだった。

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美しい光景はミラーレス一眼レフカメラで撮るとして、人物を撮る自撮りはスマホで良いのではないか。そういう使い分けを考えるようになってきた。で、自撮りをするためには自撮り棒ないしスマホ用の三脚がほしい。そう思っている時に見たのが、スマホ用自撮り棒に三脚機能が付いたこの商品だった。

さすがに単なる一脚の自撮り棒が欲しくなるほどではないけれど、三脚というのが良かった。というのも、最近ZoomやらTeamsやらWebEXでミーティングを行う機会が多いのだけど、そのときに高い位置にスマホを置いておきたいからだ。

仕事上のミーティングに自分の顔を見せる必要はないし、会社としても「社内ネットワーク帯域の浪費になるので、できるだけ顔は出さないように」と指示が出ている。しかし、場合によってはFace to Faceのほうが雰囲気が伝わって良い場合もあるので、ミーティングの冒頭だけは顔出しをしたりする。

その際に、スマホが低い位置にあると、上から目線で相手を見下ろしているようになってずいぶん偉そうな顔になってしまうのは気になっていたところだ。顎や頬のたるみも目立つし。そこで、目線の高さくらいの位置にスマホを設置できないか、これまで試行錯誤してきていた。ティッシュボックスの上にスマホスタンドを置くとか。でも、柔らかいティッシュボックスの上だとグラグラして安定せず、次の策を考え始めていたところにこの商品発見。ちょうど渡りに船だった。

まあ、グダグダ書いたけど、なんやかやで買うたった、ということだ。

主にオートキャンプ系のアウトドアブランドとして絶大な知名度を持つ、「コールマン」ブランドの商品。

一脚にしろ三脚にしろ、安いものはとことん安く売られている。しかし出所不明の安物は、品質が悪くグラグラしたり壊れやすい。三脚は安物を買うな、というのは真実だと思う。安物買いの銭失いの典型例だ。

この自撮り三脚棒は安物の部類だけれど、それでもブランドはしっかりしているので安心だ。駄目だとしても、それなりの駄目さ加減だろう。箱を開封した直後に「しまった、こんなはずでは」というレベルの商品であることはない。

特にこの商品、実際に製造しているメーカーはVelbonという有名な三脚メーカーだ。販売メーカーだけでなく、製造メーカーも信用ができる。

手にとってみたところ。びっくりするくらい軽くて、小さい。コンサートで使うサイリウム並のサイズだ。159グラムしかないので、スマホよりも軽い。こんなのでバランスは大丈夫なのか、と心配になるが、案外大丈夫そうだ。少なくとも室内で使うレベルならば。屋外ならば風が吹くとさすがにやばそうだけれど。

三脚の根元に、電池が入っている。薄型のボタン電池で、CR1220が1個。

電池が入っている部分は取り外しができる。ここにはボタンが1つついていて、押すとBluetoothでスマホのシャッターを切ることができる。おお、テレビとかで見たことがあるやつだ。今更だけど、便利だなこれ。

bluetoothでスマホとつながったところ。「Velbon」というデバイス名で表示されている。

スマホのシャッターを音量ボタンに割り当てることができる機種の場合、この遠隔シャッターが使える。電源ボタンだとか、タッチパネルでしかシャッターが切れない場合は使えない。

スマホをセットして三脚状態にしたところ。

高さは70センチくらいになる。華奢な脚の割にはしっかりと机に食いつき、バランスは思った以上に良い。そもそも耐荷重200gを想定した商品なので、かなりシンプルな作りだ。

テレワーク環境増強

わーい、テレワーク環境を整えてみたよ。

ずらずらとデバイスがダイニングテーブルに並んでいるけれど、これが標準的な僕のワークスタイル。右側が会社貸与から貸与されているPCで、ハードディスクを搭載していないシンクライアントだ。社内にある仮想PC環境に接続して仕事をするので、この端末を紛失しても情報漏えいは起きない(始末書は書くことになるけれど)。

ただ、シンクラPCにはカメラが搭載されていないし、やることなすことすべてが会社のネットワークを経由することになる。web会議をやる場合、重たくて音声品質がとても悪い。そこでスマホの出番で、ZoomやWebEXでの会議は、会社ネットワークを介さないで直接Zoomなどのサーバにつなげている。なので、web会議は大抵「画面を共有するためのシンクラPCと、聞いたり喋ったりするためのスマホ」の2つのデバイスでサインインしている。

「おっ、今日のミーティングは参加者が多いな」と思って参加者一覧を見ると、他の人もだいたい同じ運用をしているようだ。

画面左が僕の私物PCで、こちらは調べ物をするため用だ。人によっては、「1つの端末で、大きな画面さえあればいい」という意見もあるだろうけど、僕は「2つの端末で、別々に動作させる」ほうが好みに合っている。シンクラPCで資料作成をしている際、参考情報を調べたくなったら私物PCの方を使う。

真ん中にはタブレットが置いてあるけれど、これはどちらかというと娯楽用だ。音楽を流している。音楽といっても気が散って仕事にならないので、歌詞がないインストゥルメント曲に限っている。僕のお気に入りは、「H ZETTRIO」や「DEDE MOUSE」だ。これらの音を、ごくごく少さな音量で流している。

そしてそびえ立つのが、自撮り三脚棒に取り付けられたスマホ。ここで顔出しのweb会議をやったりする。音声はBluetoothヘッドセットでやりとりする。

もともと僕は、「お金がたくさんあったら、自宅にBloomberg(ブルームバーグ)端末を置く」というのが夢だった。ブルームバーグ端末とは、証券会社などのプロのトレーダーが扱っている、世界中の経済データが画面いっぱいに表示されている専用端末だ。

https://about.bloomberg.co.jp/solution/bloomberg-terminal/

これが家にあったら最高だよなあ、こいつを見ながら毎日数百万円とか数千万円とかトレードしてみたいなあ、と思ったりもしたものだ。でもこれ、月額2,000ドル(=20万円強)の利用料がかかるんだよね。そんなお金は無理だし、そもそもこれを設置するための場所がない。残念だけど、こういうのを家に置けるワンチャンは僕の人生の中ではどこにもない。

で、そのかわりにこうやってPC2台、タブレット1台、スマホ1台、ついでに会社貸与携帯(ガラケー)が1台の体制でお仕事をしているわけだ。まあ、なんかサイバーな感じがして、この環境がとても気に入った。

在宅勤務をしているみなさんは、どういう環境を構築しているのだろうか?

(2020.07.07)

コメント

コメント一覧 (4件)

  • おかでん殿
    さすが御社はリモートの環境がベースとして整ってからの使い分けと、貴官の創意工夫へのチャレンジ、敬服いたします。
    私の勤務先は、シンクライアント環境はとりあえず用意していますけど同時アクセス2000人なのでとまあかなりやっつけ状態。Teamsは携帯でもiPadでも出来るけどピデオ会議はあかん。
    あと!補足すると今月から10割出社となり、通勤経路がらリスク高目。心配なら正露丸でも飲んでろと言わんばかりですわ。

  • さすが軍曹殿、「心配なら正露丸でも飲んでろ」という例えは目からウロコの表現です。

    そういえば正露丸を発売しているメーカーが空間洗浄的なことを謳ってる商品をだしていますね・・・。

    通勤、昔と変わらないどころか時差通勤をする人が増えて朝早くから混んでる気がします。せっかく早起きしているのに、混んでいるとちょっと悔しい。

    早い人は朝7時半くらいから働き始めていますが、一体どこまで早起きすれば他の人を出し抜けるのだろう?朝7時始業(=6時には家を出る)にすれば多分空いていると思うんですが。

  • 皆考える事は同じで、定時8:45のところ1時間早めに時差通勤しても混んでる。自分はもうどれでも同じだから通常の8:45出社に固定しちゃいました。
    品川駅7:50からの新宿駅8:20着で都庁までの地下通路(通称:デスロード)の途中ビル直結部分でまんま勤務先地下1階という経路ですがな。西口側なので流石に歌舞伎町へは行かない暗黙あるけど、思い出横丁とか行く人がいそう。

  • 人間の数自体は変わっていないわけだし、むしろテレワークで減っている。
    「まんべんなくどの時間帯も混んでいる」わけではなく、きっとどこかの時間帯が減って、どこかが増えたんだ。どこだろう?

    そういえば最近、僕の職場では「朝10時から勤務開始」っていう人はみかけなくなりました。観測できている範囲内では、みな等しく朝方になっちゃった。

    これから、いつになるかわからないですけど「今晩飲み会やるよー」というときがあったら、17時集合でスタート、なんてのが当たり前になったりするかも。

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