神田 いなせ屋(03)

2000年02月28日
【店舗数:—】【そば食:062】
東京都港区芝

大盛り天ぷらそば

おまえ、馬鹿かと。

お気に入りの「さらし奈乃里」でさえ、4回目にして訪問記を書くのに難渋してるというのに、なんで同じ立ち食い蕎麦屋に3回もいくのか。

しかも、前回、前々回の訪問記を読んだって、この店に再度訪問するなんて誰が予想できる?どう見たって、二度と訪問するこたぁ無いだろう、っていうそっけない書かれ方されてますぜ。

ではなぜこの期に及んで3回目なのか。

「仏の顔も三度まで」って言うじゃないですか。

・・・あれ、喩えを間違えたかな・・・

(ただ今確認中)

あー。御免なさい、喩え間違えてました。「二度ある事は三度ある」って言わなくちゃいけないんでした。「仏の顔も三度まで」だったら、今回「ふざけるなぁぁぁぁぁ、看板通りにうち立て・ゆでたて・揚げたてをなぜ出さないッ!」と大激怒しなくちゃならなくなる。立ち食い蕎麦屋にそんな事で怒ったって何の得にもなりゃしない、大人しく、ずるずるっとお蕎麦を頂戴して、冷水をきゅっと飲んで帰らせて頂ければそれで満足でございますお願いです私にいっぱいのかけそばを食べさせてくださいお願いです。

しかし、実は仏様なのは店員だったりして。彼らの時間の流れは悠久の流れであり、「え?ゆでたて、ですか?ええ、そうですね・・・この蕎麦、ついさっき・・・1年ほど前にゆでたものですから、きっとご満足頂けるかと」なんて半ばサトリを開きかけた薄目で語ったりなんかして。「蕎麦は、100年前に打ったものですが何か?」なんて。

これを書いていて、ふと矛盾に気づいた。

・・・だったら、スピード重視の立ち食い蕎麦屋なんて、やるなぁ!

いやね、これが絶妙って奴でしてね。緩急織り交ぜてボールを投げれば、バッターはタイミングが合わないんですよ、だから三振をとりやすくなるんです。

いやね、アンタ。僕はバッターじゃなくて蕎麦食べにきたお客さんなの。タイミング崩してどうすんのよ。

いやですから、味も何もわからなくしてしまうと。

店がそんなこと、言うなーーー!

(妄想劇場、きりがないので終わり)

ええと、訳がわからなくなってきたので本題に戻そう。結局、立地条件って事なんだな。おいしくない蕎麦を出すならともかくとして、そこそこの蕎麦を出してくれる立ち食い屋さんが便利なところにあったら、これはもう多忙のサラリーマンからすれば最高のご馳走。

さらに、スピードが早い。入店から注文、食事、食べ終わって店を出るまでの間は長くても10分。実際は5分が相場だろう。これだったら、地球における時間的制約で何かとお困りのウルトラマンさんだって頑張れば食べられる。ぜひM78星雲のご家族に、はるか遠くの地球の味を土産話に持って帰ってあげてください。

で、天ぷらそばにしておけば、短時間にもかかわらず、そこそこおなかもいっぱいにしてくれる。こういうとき、賛否両論ある関東風のだしというのは有利だ。ちょっと汁をすすれば、その味の濃さで素早く満腹感が得られる。

そして、値段はどうかというと、まあそれなりの低価格帯なわけで。満足感薄い食事じゃないの!と言われた時に、「だってこんな値段なんだし」と切り返せる、そんな価格。これも良い。

料理店ってのは、味がすべてだと思ってた。その次は値段と、接客態度。しかし、立ち食い蕎麦屋を見いると、そういう既成概念・・・というか、一般的料理店のあるべき姿とは全然違う異次元ワールドであることに気づく。例えとして出すのは大変恐縮だが、駅のホームにある立ち食い蕎麦屋。まあ特殊な例はあるんだろうけど、あの蕎麦屋を「うまい、うまい」と食べる人ってほとんどいないはずだ。接客だって、大抵はぶっきらぼうだ。サービス業としては、大失敗なはず・・・なのに、繁盛している。良い場所と、短時間。それが全てだ。

「場所」だけで言えば、駅弁というのも駅構内の飲食をほぼ独占していて、すこぶる有利な立場にある。しかし、食べるのに時間がかかる。値段も、我慢できないくらい高いものが多い。そうなると、立ち食い蕎麦にかなうわけがない。しかも、コンビニ弁当という強力なライバルがいたのでは、こりゃもう勝ち目はない。ご当地名産品を取り込んだ名物弁当は安泰かもしれないが、「幕の内弁当」「カツ弁当」ってな当たり障りのない駅弁はきっと淘汰される時がくる。気がついたら、駅弁=奇抜なもの、という定義になってたりして。で、駅構内のオーソドックスというか、王道路線はホーム片隅にある立ち食い蕎麦と。

あー、話がまたそれた。ええと、いなせ家でしたっけ。

そばを大盛りにして食べたので、満足感は高かったです。天ぷらもつけたので、満腹でした。でも、ふと思ったんですが、蕎麦大盛りってのはあっても、「かき揚げを2枚のせ」という人って見たことないなあと。いやそもそも自動食券機にも、そういうチャレンジングな事をやらせてくれるような構造になっていないぞと。

いつか、ボクも大きくなって高給取りになったら、そば大盛りでかき揚げ2枚乗せを注文して、豪快にかっこんでみたいです。おわり。

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