明月庵 田中屋(02)

2000年04月22日
【店舗数:—】【そば食:088】
東京都練馬区豊玉

季節の天ぷら盛り合わせ、玉子焼き、蕎麦麹高菜味噌、せいろ2枚、ビール、銀盤大吟醸、菊姫純米

このお店にたどり着くまで、さらし奈乃里→甲子→橡を行脚してきた。まるで蕎麦屋チェーン店のスーパーバイザーだ。蕎麦屋スタンプラリーでもやってるかのようだ。いや、そんな変な趣味を最近身につけたってわけじゃない。実際、どのお店も閉店していたんだから仕方がない。こんなの、非常に珍しい。3軒も蕎麦屋が臨時休業しているなんて。

まず、いつものようにさらし奈乃里に行ってみたら、入口に「都合により17時より営業します」という張り紙が張ってあった。あれれ。しかし、頭の中と胃袋は既に蕎麦喰いモードになっていたので、蕎麦を諦めるわけにはいかなかった。少々面倒ながら、気を取り直して江古田の「甲子」に向かった。「蕎麦のためならえんやーこらー」と即行の歌を歌いながら。

で、ようやく到着した甲子は、「都合により本日休業」だと。2軒連続ハズレ。いや、そっちの都合はともかくこっちの都合ってモンがね、とぶつぶつ言いながら3軒目、練馬の「橡」に向かった。お、今度は店の電気がついているようだ。よかった、手間がかかったとはいえ、橡で蕎麦酒が楽しめれば言うことナシだ・・・あれ?「売り切れじまい」?ぐはっ。

3軒連続で空振り。一体何がなんだかもう。東京地区の蕎麦屋の寄り合い会でもあったのだろうか。それとも、こちらの行動を先読みして店を事前にクローズする蕎麦の闇社会の陰謀か。

野球だと3回空振りでアウト。しかし、蕎麦を食おうという情熱においては、3回空振りしたからアンタバッターボックスから出てアッチ行きなさい、というわけにはいかない。さて、どうしたもんか。

途方に暮れて、周囲を見渡していたのだが、練馬界隈には蕎麦屋がもの凄く多い事に気が付いた。蕎麦屋だらけ、と形容してもあながち間違ってはいないかもしれない。ひょっとしたら蕎麦激戦区なのかもしれない。喜多方が人口当たりのラーメン屋数日本一でラーメンの街なら、練馬は蕎麦の街かもしれない。

と、思いつきで調子のいいことを書いてしまったが、それだったら戸隠はどうなんのよ、と言うことに気が付いた。前言、早々に撤回します。すいません調子乗ってました。

ま、ソレは兎も角、早く蕎麦を食べないと、食べ損なう。時刻は既に14時過ぎ。中休みに入っている蕎麦屋も多いだろう。これは困った。

困った結果、目の前にあった蕎麦屋に入っちゃおうとした。「萬盛庵」というお店だ。山形市にある蕎麦の名店と同名だ。支店か何かだろうか?ま、このお店でもいいかな、とその場で急きょ妥協した。しかし、入店寸前になって、店の横に出前のスーパーカブが駐輪されているのを発見。あ、出前も受け付けてる蕎麦屋さんでしたか。

スルー。

という経緯をふまえて、名月庵田中屋に到着。別に敬遠していたわけじゃないのだが、なんだかんだで到着が後回しになってしまった。ここに至るまで、家を出てから1時間。一体何をやってるんだか。でも、こういうとき中仕舞い無しの蕎麦屋って重宝するなあ。中休み時間中は舌代1割増し、とかでもいいから通しでやってくれないものかな。

さて田中屋。2回目の訪問となるので、今回はあれこれおつまみを注文して縦横に楽しませて貰うことにしましょうか。店の奥に陣取り、居心地の良さを確保。

あっちこっちのお店をさまよってきたので、とても喉が渇いていた。まずはスーパードライを中瓶で注文。650円だから、結構高い。ホテルのレストランで会食しているような気分になる。お代わりをしてはいかん価格帯だな。今日は控えめにね、控えめに。

と、自戒してはいたのだが、さすが汗を流した後のビールだ。てきめんに効いた。くーっと気分が良くなった。敵ながらあっぱれだ。そのあっぱれに免じてお酒を追加注文・・・

なんだか、適当な言い訳を作ってるような気がしなくもないが。

次にさりげなく注文してみたのが、銀盤大吟醸1,200円。うわあ、これも高い。店の中でしたためたメモ書きには、こう記されていた。「銀盤大吟醸1200円也。た、たけぇ。今までの人生の中で、いっぱいあたりが一番高いお酒を飲んでしまった。でも、うまかったなあ」だ、そうで・・・。ちなみに2004年5月時点でおかでんが飲んだ一番高い清酒は、1杯2,000円でございます。少しずつ進歩はしているかな。

届けられた銀盤は、ガラスのとっくりに入れられていたのだけど、これが繊細な細工で気が利いていた。口のところには金細工が。手にしてみるとずっしりと重く、なにやらゴージャスな気分になれる。やっぱり、生白く細長い徳利を手酌で飲って、最後、中身を確認するためカラカラと振る、というのは安っぽいよネ、なんて急にブルジョアぶってみる。

肴として、「季節の天ぷら盛り合わせ」と「玉子焼き」を注文してみた。注文を済ませて、さて店の様子をざっと眺めて、一息入れようとしたところ・・・「天ぷらお待たせしました」と店員がやってきた。えっ?いや、あの、天ぷら?さっき注文したばっかりなんですけど。まだ2分も経っていないと思うんですが。文章の構成上、ちょっと時系列が前後するが、実際にはビールを一口飲んだ頃に天ぷらが届いたので仰天だ。どう考えても早すぎる。まさか、このお店には「お客がお品書きを睨んでいる視線を分析して、何を注文するか事前に把握する」スパイシステムが稼働しているのか?

そうだとしても、あまりに出てくるのが早い。電子レンジで温めたんだろうか。非常に疑わしい目線をくれてやりながら、一口天ぷらをかじってみる。うん、できたてだ。ちゃんとその場で揚げた奴だ。信じられないスピードだ。

感心している間もなく、「玉子焼きお待たせしました」とお皿をごとり。いや、全然待ってないんでスけど。こっちも、ぷるぷるの玉子焼きで電子レンジものではない。作りたてだ。

前回訪問時もそのスピード感に面食らったのだが、今回もその超速っぷりは健在。うっかり忘れていたぜ。

しかし、料理が出てくるスピードが速いのは非常にありがたい反面、ちんたらお酒を飲んでいたらどんどん料理が冷めてしまうのは哀しい現実であった。次、この店を訪れた際には、店には申し訳ないけど小出しに料理を注文しなくては。

玉子焼きの器は、なにやら高級な磁器らしい。マイセンのお皿・・・なのかな、これ。しかし、無地の白いお皿なため、どう色眼鏡をかけても「ヤマザキパンのキャンペーンで貰えるお皿」にしか見えなかった。そもそも、玉子焼きを白い平皿に載せるのはあまり似合っていないと思うんですが、どうなんだろう。

そんなこんなで飲み食いしていたら、自分でもびっくりするくらいてきめんに酔いが回ってきた。あれれこれは困りましたなあ、なんて困ってみせながら、お酒を追加注文。菊姫。900円だからこれもちょっと高いお酒。ここで、つまみとして「大和芋の湯葉包み揚げ」1,000円也を追加したかったのだが、やっぱり「てめぇそれは注文しすぎだろう、恥を知れ」とココロの中の良心さんが叱責してきたので、やめておいた。その代わり、「蕎麦麹高菜味噌」300円也を注文。なんでぇ、食べ過ぎかどうか、ということじゃなくて、お金が惜しかっただけかい。・・・でも、高菜味噌おいしかったです。危なくもういっぱいお酒が・・・いや、こればっかりはちゃんと抑制したけど。

せいろ?いやー、もうね、酔っぱらっちゃって訳がわからんかった。おいしかった。せいろ1枚じゃ量が少ないぞ、2枚は食べないと。以上。

最後、暴走の締めくくりとしてレジの脇に積んであってそばクッキー500円を購入。お菓子なんて全く食べない生活を送ってるくせに、何をやってるんだか。もし、手元に大金があったら「おい、このキャッシュで今すぐこの店を買い上げるぞ。今日からお前ら俺の手下だガハハ」とか言ってたかもしれない。危ない、酔っていて自制心を完璧に失っておるわい。

なにやら大きな気分になりながらお会計をしてみると・・・うわぁ、7,100円だって。蕎麦屋における自己最高記録、更新の瞬間であった。(2004年5月時点で、いまだにこの記録は破られていない)