蕎麦処 誇宇耶

2002年06月01日
【店舗数:127】【そば食:224】
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取

干豆腐、岩のり、芽かぶチップ、せいろ、利き酒コース(Aコース)

誇宇耶

「蕎仙坊」でごっつい蕎麦を食したあと、われわれは箱根で遊んだりしながら、伊豆半島にずずずぃと侵入していった。お宿がある中伊豆を素通りし、目指したのは伊豆稲取。ここには、「誇宇耶」という蕎麦屋がある。こうや、と読む、はずだ。

以前、僕はこのお店に行こうとして失敗したことがある。稲取に所用で訪れた際、一人単独でこのお店を目指したのだった。しかし、ぼんやりとした場所しか覚えておらず、駅からとぼとぼと歩いているうちにだんだんと不安になってきてしまったのだった。歩いても歩いても、お店の姿は見えず。しまいに、稲取中学校をすぎたあたりで「もうギブ」と叫んで駅に戻ってしまった。

帰宅後、地図を確認してみたら、そのUターンした目と鼻の先にお店があったことが発覚。激しく悔しい思いをした事がある。

そんなわけで、今回は僕個人としてはリベンジマッチ、ということで臨んでいる。車なので、今度こそ大丈夫だぞ。

というわけで、お店到着。ううむ、この看板だったら遠目でも見失うことはないな。くっそう、あともう3分ほど我慢して歩いていれば・・・。

ちなみにこのお店、稲取駅から歩いたら15分くらいはかかってしまう位置にある。今日はこのお店で大いにお酒を楽しむぞ!と思って徒歩で来るとなると、ちょっとばかり面倒なので要注意だ。第二のおかでんになってしまい、不安でUターンするおそれあり。

利き酒が存分に楽しめる

夕方の来店だったということもあり、お客はわれわれだけだった。お座敷の一番奥に座らせてもらう。

このお店、お酒がやたらと充実していた。聞いたことがないようなお酒がずらーっと、小さい字でお品書きに記載されている。こりゃいかんな、夜訪れて、いろいろお試ししてみたくなってしまうではないか。観光客にとっては、酷な話であるよ。

ここにやってくる人というのは、車で伊豆観光に訪れた人だったり、稲取温泉の宿泊客だったりする。車だったらお酒は飲めないし、温泉客だったら、どうせ夕食には食べきれないくらいのお膳が出てくるんだろう。いずれにせよ、なかなかここで腰を落ち着けてお酒、とはできないシチュエーション。ああ残念。

そんな残念な気持ちをくみ取ってか、「利き酒コース」っていうのがあった。グラス3杯お通し付きで1,000円。・・・いや、待て。それは「Aコース」だ。この利き酒コース、もう一つ「Bコース」なるものがあって、それはなんと3,000円。うわぁ、すごい利き酒コースだ。ちょっとお試しで、とは軽々しく言えないお値段。こういうお酒も取り扱ってるのね・・・。

床の間の前に陣取る

そのほかにも、お品書きは結構独特であり、われわれは「何を選ぼう?」なんて悩みながらページをめくっていった。

蕎麦のメニューに、「伊勢海老天せいろ」なんてのがあるあたり、伊豆だねぇという気になる。ただしお値段は3,000円。さすが伊勢海老。ほかにも、「ひみこ(美人のみ)1,200円」「わらべ(お子さま用)500円」なんていうメニューも存在した。ひみこは美人しか注文できないようだ。

ちょうど今回の参加メンバーの中に女性がいたので、「ひみこ、頼んでみてくれよ」と懇願したのだが、本人は嫌がって絶対に注文してくれなかった。さすがに、「美人のみ」と書かれているメニューを注文するには勇気がいるか。

「岩のり」「めかぶチップ」「干豆腐」

酒肴として頼んでみた、一品もの。見慣れない料理名をあえて選んでみたのだが、お盆に載せられ届けられたのをみて、一同「おおおおおぅ」と声をあげてしまった。

奥の皿から時計回りに、「岩のり」「めかぶチップ」「干豆腐」。

何だかどれも似た傾向の料理を注文してしまったが、それにしても驚いた。干豆腐って白い鰹節みたいな感じなんですな。食べてみると、確かに豆腐・・・のような気がするけど、何だか不思議な感じ。めかぶは、ぱりぱりしてスナック菓子のようで楽しい。これはビールにもあうし、清酒にもあうだろうな。岩のりは、まあおなじみの岩のり。でも、これもしみじみと美味い。海の滋味、って感じだ。

利き酒セットA

さて利き酒セットAが届きましたよ。

・・・わっ、驚いた。もっと小さな小さなグラスなのかと思ったら、よくある一合用のグラスと升のコンビじゃございませんか。升にまでなみなみと注がれているわけではないので、正一合ではないと思うが、それんにしても結構な量だ。これはご主人太っ腹。

しかも、つまみが3品盛りとなっているのもにくい。焼き味噌をちょっと、といったものではなく、一手間かかっているものを3品も盛るなんて、さてはご主人相当に酒好きでしょ?酒好きでないと、ここまで情熱を注げないと思う。割に合わない。

うれしいね、ではお酒を飲み比べして、ご主人の心意気に応えようではないか。

揚げそば

あげそばも出てきた。これは注文したものではなく、確かサービスで出していただいたんだったっけ。

せいろ

めかぶチップをはじめとするつまみをぽりぽりやっていたら、随分と口が塩っからくなってしまった。では、最後のしめにせいろを一枚、手繰らせてもらいましょうか。

・・・これが、滅法美味かったのである。一同、目を見張る美味さだった。「わっ、これは僕の頭の中にあったうまい蕎麦屋ランキングが大きく変動した!」と思わず叫んでしまったくらいだ。強烈に、美味かった。それまでの干豆腐や利き酒セットで相当いい感じに気分が盛り上がっていたのだが、そのシメとしてさらにこちらの気分を高めてくれる、そんな素晴らしい蕎麦だった。風味よし。6月とは思えない、すがすがしい風が口腔から肺に流れていった。0.1歳くらい若返った気持ち。

いやー、いいお店です、ここ。可能であれば通いたいくらい。でも、通うとなるとねぇ・・・伊豆半島の渋滞は徹底的にひどいし、かといって電車でここまで来るのも面倒だし・・・ああ、残念。でも、美味い蕎麦屋は遠きにありて思ふもの、なり。

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