そば処 出羽香庵(旧名:出羽路)(02)

2000年04月10日
【店舗数:—】【そば食:242】
東京都千代田区霞が関

大板そば

旧名「出羽路」。いつの間にか、「出羽香庵」と名前が変わっていた。てっきりテナントが変わったのかと思ったが、割り箸の袋に「庄司屋」と山形の本家の名前が書いてあったので、名称変更だけだったようだ。メニューもまったく一緒。「出羽路」が商標登録されていたとか、何か問題があったのだろうか。それとも、「出羽路」とかいうスモウレスラーが誕生して、そいつがめっぽう弱くて全然昇格できないもんだから、「縁起が悪い」と名称変更したとか。

ま、いずれにせよこのお店の魅力といえば、口の中に広がる、野蛮なまでの蕎麦の香りと味だ。そして、こんなに食えるのかよ、というくらいのボリュームがある「大板そば」。こればっかりは店の名前が変わっても普遍というのはありがたい。

前回訪問時には、「場所が場所だけになかなかお邪魔する機会はない」と書き残していた。しかし、おかでんのたゆまない営業努力の結果、虎ノ門のお客さんを新規にゲットしたため、「仕事のついでに出羽香庵に立ち寄る」事が可能となったのであった。蕎麦屋のために、新規顧客開拓。営業の鏡ですな、まったく。しかも、よりによってそのお客様に収めたシステムがトラブル続きだったため、その対応に追われて必要以上に虎ノ門界隈に出没する羽目になったりして。それもこれも、出羽香庵のため・・・あっ、冗談です、こんな文章を当事者のお客さんに見られたら、笑い話で済まない。

そんなこんなで、実はこのお店にはここ数カ月で何度かお邪魔している。しかし、そのころは「蕎麦喰い人種」の更新に情熱を失っていた時機でもあり、いつお邪魔したかの記録が残っていなかった。なので、「いつお邪魔したかわからない」回はばっさり省略して、今回4月10日の回から記録を残すことにする。

とはいっても、この「蕎麦喰い人種」コーナーでは2回目の訪問となっているが、実際はもう5,6回通っているわけであり、今更特に何を書く事も無かったりするのが現実だったりする。

うまいものは、うまい。

このお店に関しては、その一言でいいような気がする。山形県の観光アンテナショップの中にある立地条件、入り口に自動食券機が置かれている店の作り、そのどれをとっても安っぽい印象しかないのだが、実は隠れた実力派。昼どきになると、店の外観ににあわず行列ができるのも納得だ。あと、自動食券機で1000円を超える食券を購入するというドキドキ感も、相変わらず健在。日本で一番高い食券を買わせる機械かもしれない、ここの自動食券機は。

大板そばを頂く。へぎいっぱいに盛られた蕎麦を、わき目もふらず食いつく。それ急げ、早くしないと麺が延びてくっつくぞ。この「早く食べなきゃ感」もまた楽しい。以前、このお店で天ぷらとセットになった板そばを食べた事があるが、揚げたて天ぷらも食べたいし、蕎麦は伸びちゃ困るしでえらく食べるのに迷った事がある。

でも、「こんなに量が多いんだったら、小出しにしてくれよ」とか「普通盛りを2枚食べればいいじゃん」なんて不粋な事を言っちゃイカン。どばぁ、と大量の麺をへぎに盛り、「どうだ、食べられるものなら食べてみやがれ」と出すのが、きっと山形流のおもてなしなのだろう。小さいお椀で杯を重ねる、岩手県代表「わんこそば」さんとは180度方向が違うんである。おもてなしをされたからには、この大量の蕎麦を最後までおいしく頂かなくては。それ、ずるずるずる。

しかし、以前この店を紹介した際にも書いた事だけど、やっぱり後半になると味覚が慣れてしまい、最初の一口の蕎麦の感動が無くなってしまう。これが何よりも悲しい。お茶を飲んだりして味覚を発散させ、もう一度蕎麦にありつくのだけどやっぱり一口目に口腔中に広がった蕎麦のうまみが分からなくなっている。

今、ふと思いついたのだが、それだったら味覚チェンジするための「何か」を持参した方がいいののかもしれない。蕎麦の味に慣れてしまった味蕾を刺激し、再度リフレッシュした状態で蕎麦を楽しめるように・・・ええと、何がいいかな?よく、寿司でガリが使われるが、あれを蕎麦にも転用できるかもしれない。うむ、我ながら名案かも。今度、試してみよう。

え?それ以前に、味覚がわからなくなるくらいの大量の蕎麦を食ってるんじゃねーよ、って?ううむ、確かにそれはごもっともだな 。