東北自動車道 佐野SA 下り線

2003年04月27日
【店舗数:140】【そば食:245】
栃木県佐野市黒袴町

まいたけ天そば

「東北三大温泉巡り」企画のため、早朝から東北に向かって北征中。早朝東京発で東北自動車道を北上する場合、ちょうど一発目の休憩に向いているのが佐野SAとなる。このルートを通るときは、必ずここで休憩しているくらいだ。

下り路線の佐野SAは、焼きたてパンのお店がある。朝7時頃にここに到着すると、ちょうど開店したてで焼きたてのパンの香りが旅人を魅了してやまない。「飛ぶように売れる」とはまさにこのことで、次から次へと売れている。しかし、菓子パン系のものが多いため、おかでんの嗜好にはちょっと合わないのが残念なところだ。

あともう一つ、朝食を物色しにSAに迷い込んできた人を誘惑するのが、レストランの「朝食バイキング」だ。980円(900円だったかも?)で、朝食食べ放題だ。こちらも、結構な人気を誇っている。しかし、朝からよく食べるよなあ、バイキングなんて。・・・あ、「バイキング=腹がはち切れるまで食べる」って決めつける必要はないんだっけ。「好きなモノを適量食べる」でもいいんだよな。しかしこのバイキング、採算がとれないのか「バイキングの営業は○月○日をもって終了します」という注意書きがレストラン入り口に掲示されていた。ここでバイキングを楽しみたいと思ったことはないが、終了するというのはちょっと残念だ。

焼きたてパン、朝食バイキングと「朝の名物」がありながら、佐野にはさらにもう一つ人だかりができる食べ物がある。軽食コーナーのラーメンだ。佐野ラーメンといえば、「『支那そばや』の佐野実のラーメン?ガチンコラーメン道でやってた、アレでしょ?」なんて勘違いされてしまう今日この頃だが、喜多方ラーメンと並んでご当地ラーメンとして有名。その特徴は青竹打ちの平麺で、透明感のあるスープだという。佐野市内には200軒を越えるラーメン屋があるというからすごい。その片鱗を少しでも味わおう・・・という人たちは、佐野SAでラーメンを食らう。

それにしてもすごい人だかりだ。朝7時という朝食タイムなのは分かるが、10人以上が佐野ラーメンを食おうとギラギラした目で行列を作っている。その地その地の名物を食うべし、という旅情至上主義は大いに理解し共感するのだが、あの行列に並んでラーメンを食べたいという気にはさすがになれなかった。「ラーメン屋が本職でもない、しょせんSAのラーメンじゃん?」あっ、元も子もないことを考えてしまった。

「俺のラーメンまだか」「あたしのラーメン、順番割り込みして持っていったら承知しないわよ」と殺気だった行列を尻目に、こっちは行列無しの蕎麦コーナーでまいたけ天ぷらそばをオーダー。普通、SAだったらラーメンよりもそば・うどんの方が人気がある。しかしここだけはその人気が逆転してしまっているから面白い。

今気付いたのだが、SAで蕎麦を食うという行為も「蕎麦屋が本職でもない、しょせんSAの蕎麦じゃん?」と突っ込まれてしまうと返す言葉が無い。結局ラーメン食おうがそば食おうがどっちもどっち、ということだ。

まいたけ天ぷらそば、ってありそうで無かったようなメニューのような気がするようなしないような。ちょっとだけ珍しさを感じたので、注文してみた。小麦粉だらけのかき揚げは朝から食べたくはないし。で、このまいたけ天ぷらが大正解。衣がサクサクしておいしい。まいたけの表面に薄くついた衣が、食感を楽しませてくれる。かき揚げやエビ天のように、「小麦粉のお化け」状態の衣とは違う。なるほど、まいたけの形状の関係で衣もってり、とはできないからな。

もってりしていなくても、天ぷらをつゆに浸すとじわーっと油が周囲のつゆに広がる。かき揚げのような暴力的な油とつゆの渾然一体化したうまみ、までには至らないが、これはこれで必要十分な油のうま味が楽しめる。かつ、天ぷら自体の食感も楽しめる。いやあ、これは楽しい。

ちゃっちゃと食べ終わって下膳口にどんぶりを返す頃、ようやく僕のすぐ前で食券を買っていた人のラーメンができあがっていた。「ようやくやってきた!」といううれしさを顔に出さないように、ちょっとだけ不機嫌そうな顔をしつつでもはにかみ笑いをしつつドンブリを大切に抱えて席に向かっていった。

サービスエリアには、小さな楽しみがある。決してA級グルメとはなりえない、ささやかな小市民的な楽しさ。