お食事処 やまへい 小諸店

2003年12月23日
【店舗数:152】【そば食:270】
長野県小諸市

揚げそばがき、せいろそば

やまへい

蕎麦喰いの車中、おかでんは悠々自適だったのだが、しぶちょお&ひび夫婦は新婚直後のドタバタに巻き込まれていた。家族からあれこれ電話がかかってきたり、式場から電話が入ったり。はっきりいって、これ以上蕎麦喰いを続行できる状況下には無かった。しかも、すでに2軒蕎麦屋を訪問した後であり、既に三人ともおなかがいっぱいになっていた。これ以上蕎麦を食べる必然性は無かった。

しかし、先ほど訪れた菖蒲庵で「じゃあ、今日はお疲れさまでした」と締めくくれるか?といえば、どうもそういう気分でもなかった。結局、もう少しビシぃッと美味い蕎麦を食べさせてくれるお店を何とか見つけて、そこでフィニッシュとしようじゃないか、という話になった。

手元の「長野味本」 をめくっていると、菖蒲庵からそれほど遠くない場所に「やまへい」という蕎麦屋があることがわかった。併設の水車で毎日蕎麦を挽いているらしい。しかし、一つ、いや二つ、大きな「ひっかかる点」があった。一つ、街道筋にそのお店があるということ。二つ、駐車場に数十台の車を停める事ができること。

街道筋にあるお店、ということは「行きずりのドライバーに食事を提供する」ということに他ならない。要するに、一見さん相手のお店ということだ。また、立地条件の良さから、お客さんの数が多く、自然と大量生産・大量消費型の蕎麦屋になってしまう。このような蕎麦屋でおいしい例はほとんどない。唯一の例外として、木曽福島の「水車屋」があるが、それ以外は寡聞にして知らない。

さらに、その不安を立証する形として、大量の車を駐車できる駐車場の存在がある。たくさんの車が駐車できるということは、敷地が広いということであり、即ち店内も広いことになる。そのようなお店で、上質な蕎麦を提供できるかどうか。

やまへいを貶める気はさらさらないのだが、少なくともアワレみ隊が喜ぶ蕎麦を出す店では無いような気がしてならなかった。しかし、菖蒲庵でこの企画をヤメるきもせず、そして「毎日水車で挽くそば粉」という売り文句にも惹かれて、とりあえずラストチャレンジをしてみることにしたのだった。

やまへいは、やはりデカかった。藁葺き屋根が非常に立派だ。ただ、こういう民族風の建物である蕎麦屋で美味かった試しがないので(うわぁ、やまへいさんゴメンナサイ)、この時点で既に「おい、俺らやっぱり今回の選択は負け犬だったのではないか」という議論がなされるありさま。

やまへい玄関

ややドキドキしながら店に向かう。

うむ。入口にかかっている店名が記された垂れ幕、なぜか裏を向いている。一体どうしたのだろう。店員が設置し間違えたのだろうか?

あと、「お食事処 やまへい」と書かれているのもちょっとドキドキ。蕎麦屋、と堂々と名乗っていないんですかこのお店は。

水車小屋

振り返ると、店の奥に例の水車があった。

別に、水車だろうと人力だろうと牛だろうと電動だろうと、石臼を挽くための動力については手段を問うてもしゃーないと思う。しかし、「水車!」と言われれば、なにやらありがたい気分になるのかもしれない。

こういう「風情」だとか「旅情」といったものには人一倍ハメられやすいおかでんであったが、こと蕎麦に関しては「はぁ、水車ですか。で?結局美味い蕎麦食わせてくれりゃどうでもいいからさ」というスタンスなのであった。

こういうギミックを使えば使うほど、蕎麦そのものが胡散臭くなるって事に店は気づかないといかんです。きっと丹誠込めて蕎麦を製粉し、打っているとは思うんですけど・・・蕎麦屋の頑張りってのはあまり表に出すと、頑張ってもいないのに頑張った振りをしているお店と同じように見えてくるんですわ。ご注意ですぞ。

やまへい店内

店内に入る。なるほど、外観どおりなかなかの広さだ。おみやげ物なんかも売られている。

あと、店員の格好が、やっぱり民芸調だ!

壁には、「忘年会・新年会承ります」というポスターが貼ってあった。おおお、がぜん盛り上がって参りましたぞ。

揚げそばがき

みんなおなかがいっぱいだったのだが、「揚げそばがき」というメニューがあったのでおまけで注文してみた。レギュラーメニューではないようで、壁に貼ってある紙だけで紹介されていた。

初めて食べる料理だったけど、揚げた香ばしさがなかなか楽しかった。どこかノスタルジックな気分だなあ、と思ったら、子供の頃唐揚げの際に余った生地で作ってくれた揚げドーナツもどきを思い出したらしい。味は全然違うけど。

特に蕎麦の香りが、とかそういうのは無かったけど、ビールのつまみとしてはおいしいと思う。

せいろそば

さて。三人とも、「せいろそば」を頼んでいたのだが、いよいよ今回の旅行最後のそばとなった。

まず、注文する際、「せいろそば」を探すのにちょっと苦労してしまった。一品料理や定食が多い料理屋だというせいもあるのだが、そうはいってもやっぱり蕎麦がメインのお店。そば・うどんはお品書きの最初のページに書かれていた。

なのに、なぜ「せいろそば」を見失ったのかというと・・・

お品書きの先頭に書かれていたのが、「天ざるそば」だったからだ。その後、「そばづくし」「くるみそば」「とろろそば」「おろしそば」「ざるそば」と続いて、冷たい蕎麦としては最後の最後に「せいろそば」が出てきたからだ。そのすぐ後に、温かい蕎麦が並んでいるので、見失ってしまったというわけだ。普通、一番シンプルなせいろそばって先頭に書かれていないか?お店としては、単価の高い蕎麦を売りたかったのかもしれないが・・・。

まあ、そんなことはどうでもいい。ちょっと戸惑っただけだ。しかしまあ・・・お品書きの後ろに「当店自慢の水車小屋の石臼で挽いた国産のそば粉で打ちました」と書いてあるのはどうでも良くない。デジャブを見るようだ、先ほどの「菖蒲庵」と。当店自慢なのはそば粉なのか、水車小屋なのか。

・・・でも、この場合、愚直に日本語を解釈すると、「当店自慢」なのは「水車小屋」なんだろうな。そば粉は自慢ではなさそうだ。

蕎麦アップ

出てきた蕎麦は生白く、なにやら不健康そうに見える。あと、ところてんのようににょろにょろとひねり出したような印象も受ける。あ、でも、よく見ると白っぽい蕎麦の中に、ぽつぽつとそば殻が入っているのがわかる。

では早速。

ずるずる。

うむ、歯ごたえと喉ごしは相当なモノがあるぞ、これは。

ごちそうさまでした。

さあ、東京に帰ろうか。しぶちょおに佐久平まで送ってもらい、そこから帰宅。さすがにこの日は夕食、食べられなかった。

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