そば処 庄司屋

2004年08月27日
【店舗数:174】【そば食:314】
山形県山形市幸町

もりそば

2軒の山形蕎麦を満喫して、幸せなのであるが一つ疑問があった。「山形の蕎麦って、もっと太くて、ごつくて、田舎蕎麦みたいな奴かと思っていたんだけどな」と。あと、名物である「板そば」を全面に押し出す事はせず、メニューの一つとして紹介しているに留まっているのもこっちの予想と違っていた。

では、そういう「山形蕎麦に対するイメージ」って、一体どこで作られたのだろう?過去、産まれてこのかた山形県内で蕎麦を食べたのは今回が初めてだ。

あ、分かった。

車中でポンと手を叩く。おっと危ない、ハンドルを離したら車がとんでもない方向に走るぞ。ただでさえ山形市内は道が狭いんだから。

過去に何度か訪問した、「出羽路(現:出羽香庵)」の印象が、おかでんにおける山形蕎麦のイメージを形成しているのだった。香りも味も凶暴で、麺は太くて噛みごたえがある蕎麦。そうだ、出羽香庵だ。

そういえば、この出羽香庵は、山形市内の「庄司屋」の東京支店的な位置づけだったはず。では、「おかでんがこれぞ山形蕎麦だ」と思いこんでいた、庄司屋ご本尊に攻め込んでみるというのも悪くはなかろう。聞くところに夜と、慶応2年創業ということで、山形一の老舗蕎麦屋だという。ますます気になる存在だ。

庄司屋

ちょうど、梅そばから道路をまっすぐ進んだところに、庄司屋があった。今までの店と違い、ずいぶんと立派な店構えだ。駐車場だって、10台以上停められる立派なものが完備されているぞ。すごいすごい。

庄司屋の駐車場

・・・と、車を停めようとしたら、駐車位置を示す白線をはみ出してしまった。フィットのようなコンパクトカーでさえはみ出してしまうサイズで書かれているのか、これは。

白線を信じて、車をバックさせたらそのまま後ろの塀にぶつかってしまいそうだ。要注意。

店内は民芸調のお店だった。大机の真ん中に茶釜が自在鍵に吊されていたりしている。座布団がいかにも民芸調だし、店員さんも和服だ。ううむ、「民芸調の装いのお店はイマイチ」というおかでん蕎麦屋方程式が、チカッチカッとアラームを立て始めた。いや、でも落ち着け。このお店は江戸時代からやっているお店だ。民芸調はむしろ当たり前であって、決して「見せかけだけ」でやっているわけではないはずだ。・・・多分。

さっさと注文する。板そばに惹かれたが、既に過去2軒で結構な満腹感に浸っている現状、これ以上むちゃすると大食い企画になってしまう。おとなしく、ここでももりそばを注文する。682円。これで3軒連続でもりそばだ。

もりそば

待つことしばし、出てきたもりそばは・・・あっ、これだ!まさにおかでん的山形蕎麦が出てきたのであった。太くて野蛮なタフガイ。出羽香庵で食べた奴と一緒だよ。思わず、虎ノ門界隈で仕事をしていた頃の思い出がよみがえったが、せっかく山形まで来て仕事の事を思い出すのは食欲減衰なので、さっと忘れることにした。

というかだ、既に蕎麦2杯食べてきたのに、「食欲減衰」も何もないだろ。仕事を思い出す前から、食欲は既に落ちているだろ。

馬鹿を言え、いくら胃袋に蕎麦がいっぱい詰まっていても、こうして新しい蕎麦との出合いがあるたびに、僕は食欲がわいてくるよ。

その結果、食べ過ぎるわけだが。

ま、それは兎も角、蕎麦をすすってみる、いや訂正、かじってみる。すすっても無駄な太さだ、これは。ずるずるずるっとすするんだけど、太いので口の中に収まった時点で、もぐもぐと噛まないと飲み込めない。で、噛んでいるとじわぁ、と蕎麦の味がいっぱいに広がってくる。すするだけ無駄。いきなり箸で口の中に蕎麦を押し込んで、噛んでも全然OK。いや、むしろその方が良い。箸で、ひとすくいたぐり寄せてすすると、口の容量オーバー気味になってしまうのだ。いつもの細い蕎麦の感覚で手繰ってはいかん。心なし、少な目に蕎麦を手繰らないと。

噛むと味がにじみ出てくる蕎麦なので、もうこの際「薬味は蕎麦の香りを消すから使わない方が良い」とか「蕎麦の1/3くらいをつゆにつけて、すするのが良い」とか堅苦しい事いいっこなし。もうね、 薬味をバンバン入れて、つゆにじゃぶじゃぶと蕎麦をつけて、豪快に噛みしだいちゃってください。ワシワシと食った方がここの蕎麦はうまい。

やっぱり季節が悪いからか、蕎麦の風味は「暴力的」とまではいかなかったものの、十分に堪能させてもらいました。あと、このグミグミとした食感は噛んでいて楽しい。噛んで、噛んで、噛みまくって欲しい蕎麦だ。

お会計を済ませて、店を後にする頃にはお店にはひっきりなしにお客さんが訪れていた。もう15時近いのに、一体どうしたというのだろう。遅い昼食なのだろうか、それとも早めの夕食なのだろうか。店員さんの様子を見ていると、やってきているお客さんの多くは常連さんのようで、「毎度どうもです」などとあいさつをしている。地元に愛されているお店なのだろう。

帰り際、駐車場の一番奥に車を停めていたおかでんは、道路に車を出すときちょっとひやりとした。ただでさえ狭い駐車場、みんな当然のごとく白線をバンバン越えて停めているわけで、それをよけつつ前に進むと今度は店先で干しているへぎを吹っ飛ばしてしまいそうにな る。このお店にデカい車で乗り付けるのはお薦めできんです。

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