信州・松本そば祭り2005

2005年10月09日
【店舗数:—】【そば食:362】
長野県松本市松本城内

5軒の蕎麦屋食べ歩きでおなかいっぱい

仕事が逼迫していたため、へろへろの日々を送っていた。ようやく、山場を越えたので「どこか温泉でも・・・」と考え、長野に旅立った。アワレみ隊企画となると、大抵あちこちウロウロする強行軍なスタイルとなるのだが、この日ばっかりは「じっくりと、骨休めしたい。」という気持ちだった。参加メンバーであるしぶちょお/ひび夫妻も大絶賛疲労困憊中であり、全くこのコンセプトに同意してくれた。じゃあ、この日は長野の温泉で一泊ね、と決まったのが前日夜9時。この「何もしないで長野で一泊」のアイディアが採用されるまでは、「鉄道サイコロ2泊3日の旅」をやる寸前まで話が進んでおり、危なく「余暇を過ごしている間に過労死」するところだった。

信州そば祭りポスター

「何もしない」がコンセプトではあったが、そうはいっても宿のチェックイン時間は午後3時だ。それまでは自宅静養、チェックイン時間に現地集合というわけにもいくまい。じゃ、それまでは何かするのを許可しようじゃないか、という話になって、いろいろ調べてみた。すると、なにやら松本市街で、「信州・松本そば祭り」なるイベントが同日に開催されているというじゃないか。おっと、これは聞き捨てならないぞ。ぜひいかなくては。

そば処信州では、この時期いたるところでそば祭りが開かれている。しかし、おらが村の蕎麦を紹介する、地場産業盛り上げイベントが中心。今回、この松本そば祭りは、全国各地の蕎麦店が松本城公園内にブースを構え、腕を競い合うというスタイルをとっている点でちょっと珍しい。昨年、「金砂郷まつり」でこの手のスタイルのそば祭りに参加したが、そのいずれもが非常においしい蕎麦だった記憶がある。今回、このそば祭りも期待しちゃっていいのではないだろうか。何しろ、松本でそば祭りを開くっていうんだ、まずかろうはずがない・・・だろう。きっと。

松本城までてくてくと歩く

当日朝7時に新宿発の「スーパーあずさ1号」に乗って、一路松本へ。当日は現地で10時に仲間と待ち合わせの予定だ。朝9時半すぎに松本駅に到着し、松本城までてくてくと歩く。

大手門に通じる道である大名通りは、朝10時から歩行者天国になるということで既に準備が進められていた。車で訪れる人は、ちょっと郊外にある合同庁舎の駐車場に車を停め、無料送迎バスに乗ってここまでやってくるという「パーク&ライド」方式が採用されていた。第二回目の開催という割には、なかなかしっかりした運営スタイルだ。

松本城に向かう

松本城公園に到着。午前10時前だというのに、もうこの人だかり。さすがに、それなりの規模である松本市のど真ん中で開催するとなると、お客さんも相当な数になってしまう。

新そばの文字が躍る

公園敷地内にはいると、既に蕎麦屋は営業を開始していた。合流したメンバーも既に蕎麦を食らっており、「うん、この蕎麦は美味かった」と会場入り口すぐ傍の北海道の蕎麦ブースを推奨していた。

蕎麦打ち実演中

お城のお堀端にある緑地を会場としたため、ブースは散漫と散らばるように並んでいた。そのため、お店を「ウィンドーショッピング」しようとすると、犬の散歩でもするかのように掘をぐるりと1/3周ほど回らなければならない。また、緑地が場所によっては狭いところもあり、通行人と蕎麦屋の行列がぶつかりあうようなところもあった。あまり立地条件としてはよろしくない。

でも、これは仕方がないところ。カウントしてみたら、なんと19店舗が今回このそば祭りに出店していた。19店舗!よくもまぁ、ここまで集結したもんだ。日本最大級のそば祭りといって良いのではないか?

各店舗では、店先で蕎麦打ちを披露するなどして、パフォーマンスを競い合っていた。そういうのを見て回るだけでも、どんどん時間が過ぎていく。どのお店に入ろうか、目移りしてしまう。しかし、目移りしている間にも、どんどんお客さんの数が増えていく気配。いかん、お昼時のピークになる前に、お目当ての店の蕎麦は食べておかないと。

[Round#01 飯田女子高生のそばの店]

飯田女子高生

この手のそば祭りには、「金砂郷まつり」「大江戸めん祭り」の2回しか参加したことがないのだが、それでも今回の松本そば祭りには「おや?このお店、別のイベントでも見かけたことがあるぞ」というお店が何店舗か見受けられた。どうやら、そば祭りのシーズンになると、全国行脚をしているのだろう。

そんな中、ひときわ目を引くお店が、あった。店名が、他の18のお店と比べて圧倒している。

「飯田女子高生のそばの店」

な、なんじゃこりゃーっ。

いや、もう見たまんまなんだろうけど、蕎麦の世界まで「女子高生」という価値観が持ち込まれるとは夢にも見なかった。これは気になる。すっごく気になる。・・・しょせん女子高校生の料理好きが打った素人蕎麦であり、美味いとは思えないのだが・・・せっかく、そば祭りに来たのだから、このお店を食べるのは避けておきたいところ。

と、思ったら、同伴者のしぶちょおから

「気になるんだろ?だったら真っ先に行っておかないと。今食べないと、二度と食べる機会が無いかも知れないんだぞ」

と言われ、何だか飯田女子高生のそばを食べる流れになってしまった。

しかも、眼前には作務衣みたいなのを来た女子高生が、「飯田女子高生」とかかれたプラカードを持って場内をうろうろしているし。うむ、これは行くしかあるまい。

飯田女子高生のそばの店

ここが飯田女子高生のそばの店。

うーむ、「女子高生」であるということを最大限PRしたお店じゃのう。何だかここまで開き直られると、すごく楽しくなってくる。蕎麦って、もっと堅苦しいものかと思っていたんだけど、何だ、楽しいじゃん。

プラカードを持って客引きをやっている女子高生は、「ぴちぴちの女子高生が打った蕎麦デース」と、聞いている方が恥ずかしくなるような宣伝文句を使っていた。その割には、だぼっとしたジャージを着ているわけなんだが。

「ブルマ姿やスクール水着だったら、もっと客がくるぞ」

とアドバイスしたかったのだが、それはどう考えても変態なのでぐっと我慢だ。しかし、隣の江戸前蕎麦のお店のオッチャンが、「もっと大きな声をださないと!」「ぴちぴち、って言わないと!」と女子高生にいろいろアドバイスをしていたのがほほえましかった。

文化祭風

何だか、文化祭って感じだ。

奥の厨房には、ジャージ姿の女子高生たちがエプロン姿で、蕎麦をゆでている。飯田から松本まで遠路はるばるお疲れさまです。でも、きっとすごくいい思い出になるだろうし、やっていて楽しいだろうな。

お店は、いかにも女子高生的なセンスってやつなんだろう、ピンクのテーブルクロスだったり、テーブルに花が活けてあったり。なんともほんわかしているんである。

お手製の陶器

テーブルには、お手製の陶器が並んでいた。ハートマークや、「いいジョ(飯田女子高校の略か?)」と書かれているのがこれまたのどかだ。何のために使うのかはいまいちわからなかったが、そば湯を頂くために使えということだったのだろうか。

そば湯

そば湯は、ご家庭の冷蔵庫に冷やされている麦茶・・・的な容器に入れられて、各テーブルに配備されていた。これは結構斬新な光景で、「なるほど」と思った。

女子高生そば

さて、これがうわさの女子高生そば。500円だったかな。

非常にぼそぼそした感じがして、堅めの麺だ。ぼそぼそするのは、練りが甘かったからだろうか?ちょっと粉っぽさが気になる蕎麦だった。

麺の太さはまちまちで、最大3倍くらいの格差があったかな。女子高生、慣れない手つきで頑張ったな?うん、その頑張りが感じられて結構なことだ。・・・相手が女子高生だからって、ちょっと評価が甘いような気がするが。

つゆは、醤油っ辛さが強い仕上がり。醤油を薄めたといった感じで、あまりみりん系の甘みが感じられない。

つゆにしろ、麺にしろ、いずれも「女子高生」が作ったにしては丸みのない、きつい印象を受ける仕上がりだった。へぇー。

国宝松本城をバックに蕎麦

で、その蕎麦を、国宝松本城を見ながら頂くわけですよこれが。

何だかすごく不思議な気分。

ボクは今、お城を見上げながら、女子高生の蕎麦を食べてるよぅぅぅぅ。

で、写真に写っているのは人妻。

いや、人生いろいろですな。

[Round#02 南無庵]

南無庵

なにやら大きな書き初めのような垂れ幕がテントからつり下げられているお店を訪れた。「信州 高遠 十割 手打」と書かれている。うん、次は十割蕎麦を食べて新蕎麦じゃのぅ、というのを楽しむのもいいだろう。女子高生の後は、やっぱり本格的な蕎麦を手繰りたい。

・・・とはいっても、10月初旬だったらまだ長野は蕎麦の収穫が本格化していない気がするわけだが、まあいいか。

南無庵の紙

このお店は、高遠にある「遠照寺」というお寺が運営している蕎麦屋らしい。なるほど、だから「南無庵」という名前なのか。なんだかありがたい気持ちになってしまうぜ。お寺の庫裏で手打ち蕎麦、なんて書かれているが、蕎麦を1万食食べたら極楽浄土に行けるなんて言われたら、喜んで食べますぜあっしは。

十割でやっています

それにしても毎回この手のそば祭りに参加していて思うのだが、これだけのブースを構えようとすると相当な人数をどこで確保してるんだ?と。たとえ皿が使い捨てのプラスチックで皿洗い要員が不要だとしても、お会計をする人、ゆでる人、打つ人、盛りつける人、その他もろもろで10名規模でスタッフを張り付けないといけない。営業をしているお店よりも、非常に高い回転率でお客さんは来店するわけで、本店よりも多くの人が必要となる。追加でバイトを雇っているのだろうか。そもそも、このそば祭りの期間中、本店は営業ができているのだろうか?「そば祭り出店のため、臨時休業します」となっているのだろうか。気になる。

気になると言えば、こういう営業なんて脱税し放題じゃないですか、ということも気になるがまあいいや。サラリーマンのひがみだ。

食券を買い求めるカウンターには、「十割でやっています。」と誇らしげに張り紙がしてあった。

十割蕎麦、地物のきのこ付き

十割蕎麦、地物のきのこ付き。700円。

ちょっと値段は高め。地物のきのこが付く、というから一体どんなものなのかとドキドキしたが、おや、薬味程度にしか付いていないぞ。大げさな。てっきりこのきのこのせいで、値段が100円とか200円増しになっているのかと思ったが、この量を見る限りそういうわけではなさそうだ。やはり、十割ということでお高く設定されたということか。きのこ、一口で食べてしまった。・・・特にコメントなし。地物じゃなくても良かったんじゃないか、あれ。

十割蕎麦

十割のわりにはぼそぼそ感がなく、つるつるっと食べられて大変によろしかったのだけど、水切りが悪いのかな?と思ってしまうくらい、コシがない蕎麦だった。ぬめっとした感じがして、先ほどの「飯田女子高」が固かっただけに、非常に違和感を感じてしまった。蕎麦自体はおいしかったと思うんだけど、食感が悪かったので相当にマイナスイメージを抱いてしまったのは残念。

つゆは・・・まあ、悪くない。そば湯で割ると、ほっくり、ほこほこした感じになって、寒いときに飲むと結構幸せなんじゃないか、という気持ちにさせられた。

「で、飯田女子高を5点とすると、このお店は?」

え、評価をつけるんですか?んーと、じゃあ、7点。あくまでも、僕個人の好み、としてだけど。

厨房

えっさ、えっさと調理している厨房。

この松本そば祭り、どのお店も非常にオペレーションが悪かった。客数の割には、結構待たされる。金砂郷まつりの時はすいすいと食べることができたのに、この切れ味の悪さは一体どういうことだろう?

恐らく、どのお店も調理に時間を要していることから、ガスの火力であるとか、水道の関係があるのだろう。もともと公園であるところに、急場ごしらえで厨房を作っているので制約がいろいろあると思われる。でも、昼時になるとどのお店も待ち行列ができすぎ。第三回目の時は、もう少し主催者はインフラ周りを考えたほうがいいと思った。

[Round#03 小川の庄 おやきの村 縄文そば]

縄文そば

3軒目には、「縄文そば」というお店を訪問した。小川村とは一体どこだ、と思ったら、ちょうど長野から白馬に抜けるオリンピック道路の途中にある場所だった。美麻村、信州新町の隣。

では縄文そばとは何か?webで調べてみると、いろいろなところで「縄文そば」を名乗る蕎麦が存在するらしい。「近所で縄文土器が発掘されたから」というところもあるし、「縄文時代に思いを馳せ、蕎麦にどんぐりの粉を入れてみました」というところもある。このお店の「縄文そば」は、前者のほうらしい。

おしながき

おしながきは、冷/温のきのこそばと、ざるそば。

さすがに3軒目にもなってくるとそろそろギアチェンジしたくなってくる。ここは暖かいきのこそばをオーダーしてみることにした。

それにしてもワンコインで蕎麦が食べられるのだから幸せだねぇ。ざるそばときのこそばが同額というのも、サービス精神旺盛で大変に結構なことだ。多分、値付けした人も「ん・・・きのこそばは600円でいいかな?」と思ったに違いないが、おつりの管理が面倒なので「まあいいや、500円の均一値段で勝負!」って腹をくくったに違いない。

厨房

厨房。

独特の平打ち麺

さてここからは、ICレコーダーの音声をそのまま再現。

「色が赤いんですね。まあ、独特の平打ち麺で。やや堅めのゆで加減でしたけど、固すぎもせず、いい塩梅でしたよ。で、味は非常に蕎麦の香りが漂っていて、かみしめると奥歯のあたりにじわっと蕎麦の味がにじみ出てきて、とてもおいしかったと思います。」

暖かい蕎麦

「今回、暖かい蕎麦メインで、仲間内でシェアしながら冷たい蕎麦も両方食べてみたんですが、この蕎麦、暖かいつゆでも十分イケてました。風味が落ちないんですよ。で、最後に八幡屋の善光寺七味をひょひょひょいとかけて、つゆを飲むとこれがああ幸せだなと。暖かい蕎麦ならではの楽しみ方ですねえ」

うまい蕎麦でご満悦

「さりげなく、僕この蕎麦好きですよ、ええ、結構好きです。暖かいつゆでも蕎麦がまけないっていうのはそれほど多くないと思うんですが、ここのはまさにそれ。いい蕎麦食べさせてもらいました。冬になったら、ここの蕎麦を食べるってのが良いだろうね」

[Round#04 いばらき蕎麦の会]

いばらき蕎麦の会

4軒目は「いばらき蕎麦の会」を訪問。

名人が蕎麦を打つ

このお店は、「全日本素人そば生粉打ち名人大会」の第二代名人の仲山徹さんが蕎麦を打っているというのが売りだ。お店の看板よりもさらにデカく、仲山さんを大々的にアピールしていた。

「生粉打ち名人大会」ってのがあるのか!

素人蕎麦の世界も、細分化していくんだなあ。いずれは、「田舎そば名人大会」とか「そばがき名人大会」なんてのができるかもしれん。

このお店に限らず、他の出店ブースの多くはこの手の「蕎麦愛好会」によるものだった。さすがに、お店を持っているところがこうやってそば祭りに参加するのは難しいからだろう。「じゃ、結局素人が趣味で打ってる蕎麦じゃん。味は大したことないだろ」と思うが、実際はなかなかにおいしいから侮れない。逆に、蕎麦を職業としていない人たち故に、強いこだわりで蕎麦を提供している可能性がある。そういうこだわりを食べ歩いてみるのも、楽しいものだ。

食事券

食券の写真。

おう、もりそばをご賞味するぞ。わくわく。

厨房

厨房の様子。ざるが山積みだ。コンビニ弁当っぽい使い捨てプラ容器にすれば随分と手間が省けるはずだが、やっぱりざるに盛られて出てくるとお客としてはうれしい。だから、こうやって面倒でもざるを用意してくれているお店には感謝したい。

もりそば

またもや、ICレコーダーによる会話の採録。

「味としては・・・何て言うんだろうなあ・・・独特の弾力感があってね」
「うん、弾力感。」
「すごく、噛んでいて重い。それが、僕としてはちょっと好きではない毛色の蕎麦だったかな」
「あのねぇ、一歩間違えると・・・流水麺?」
「流水麺は言い過ぎの気がするが。なんかねぇ、もうちょっと気楽にね、するするっとすすって、ぱくぱくって食べたいんだけど、一口一口がずっしり、もってり」
「あのね、あったかい蕎麦にして食うんだったらあれでいいと思うんだよ」
「ああ、それ最高だと思う」
「最高だね」

蕎麦アップ

「でもねぇ、そば粉自体はイイもの使ってるというのがわかるんだよね、食べてて。キロ1,350円って言ってたっけ?」
「うん、キロ1,350円」
「高いねぇ。商売ベースで考えるとちょっと高すぎる気もするけど、そんなそば粉を使っちゃうあたりが愛好会のなせる技」
「香りはちょっと弱かったかな?」
「弱かった。でも、蕎麦の甘みはね」
「甘ーい」
「甘いんだよな。噛んでいて、口の奥から唾液がじわっと出てくる蕎麦だった。唾液腺も喜ぶいいお蕎麦」
「そんな蕎麦だぁね」
「つゆも良かった。そば湯を入れて飲むと、特にいい仕上がりだったと思う」
「で、評価は?」
「え、評価するの?・・・んー、そうだなあ、9点」
「おう、9点。9点になっちゃうかぁ」
「さっきの南無庵で8点出しちゃったからなぁ、それ以下にはできないと思うので、9点。10点満点が評価の上限ということを考えると、高配点しすぎな気もするけど、これまでの評価のバランスを取ってそんな感じ。スタンディングオベーション的な美味さってわけではないんだけどね」

敷地内は大混雑

このころ、12時過ぎということもあって敷地内は大混雑。

歩くのもやっと、というありさまだった。人が多すぎる!行列が長すぎる!

こうなると、「げっそり感」が強まってきて、胃袋のキャパシティ以前におなかがいっぱいになってくる。この行列を並んでまで食べたいとは思わないなあ、ってな感じで。

[Round#05 北海道そば研究会]

北海道そば研究会

とはいっても、会場の外れにやけに気になるブースを発見。北海道そば研究会のお店だ。

北海道の、蕎麦研究会なのか北海道蕎麦の研究会なのかがいまいちわかりかねるネーミングだが、恐らく前者なのだろう。

北海道の蕎麦が食べられる!という事はそれなりに結構な事ではあるが、「気になる」理由はさにあらず。

天ぷらも売られている

これ。

あ、天ぷらが売られているぞ!

かに、えび、カボチャの天ぷら盛り合わせで300円。ちょっと奥さん、安いんじゃありませんこと?

こうなると、その横に掲示されている「かけそば」「もりそば」なんて一気に色あせてしまう。たとえ、「こだわりの味」という宣伝文句で装飾されていたとしても、だ。

たとえ蕎麦好きであっても、ずっと蕎麦ばっかり食べていると飽きてくる。こういうサイドメニューがあると、がぜん食べたくなってしまうんである。

天ぷら祭り

それにしても、盛大に天ぷらを揚げているなあ。

「そば祭り」じゃなくて、天ぷら祭りになっているではないか。

でも、これを見てますます食欲がわいてくる。思わずにっこりと微笑んでしまう。ああ、天ぷら食べたい。500円だったら、お金を払う気はしないのだが、300円という価格設定が泣ける。これなら、「じゃあちょっとおまけで付けちゃおうか」という気になる。絶妙だ。

こういうのが店頭に陳列されているわけだが、道行く人が「おや」という感じで思わず天ぷらに視線が釘付けになるのが見ていてとても楽しい。

厨房

とはいっても、蕎麦あっての天ぷらだ。

ちゃんと厨房では、蕎麦の提供にいそしむ店員さんがいっぱいいた。いやぁ、このお店は繁盛してる。

大行列

だって、ほら。

食券を買い求める列だけで、このありさま。運悪くここは公園の幅が狭いところで、行列が道ゆく人の往来をふさぐ形になっていた。

これだけの行列ができても、まだ行列が途切れる事なく増え続けるのは・・・やっぱり天ぷらに惹かれて、なんだろうな。僕の前に並んでいたオッチャンは、天ぷらだけを注文していた。

プラスチックのコイン

食券を買い求めたところ。

どうやら、このプラスチックのコインは天ぷらを意味していて、もりそばとかけそばは箸の赤いインクで識別しているらしい。

「じゃあ、どこかで割り箸を大量調達してくれば、無尽蔵にお蕎麦が食べられるわけだね!?」

と思わずわくわくしてしまったが、それは犯罪だからやめれ。

一人天ぷら研究会

このお姉さんは、「そば研究会」の中で一人天ぷら研究会をやっていた。頑張れ。

厨房

これだけこのお店の写真が多いのは、単に行列が長くて、待っている間暇だからです。それ以上ではありません。

かけそば1
かけそば2

かけそば。つゆは醤油っからくて、ちょっと頂けない感じだった。蕎麦は、いろいろあったもんで麺が伸びてしまい、評価以前の問題。

もりそば

こちらはもりそば。

伸びていないもりそばを食べた人いわく、なかなか良かったそうだ。

天ぷら

しかしだ、このお店の最大のメリットであり、不幸なのは、蕎麦よりもむしろ天ぷらの方に目が向いてしまっているということだ。

きたぞ、天ぷら3品盛り。えび、かに入りで300円だからまあ、頑張っていると思う。

ふかし芋とかぼちゃ

それだけじゃない。着席してみて気づいたのだが、各テーブルにはサービスのふかし芋とかぼちゃが配膳されていたのであった。これは、無料で食べる事ができるという。

おい!このお店だけでおなかいっぱいになることだって可能ではないか!

それは冗談だとしても、何とも太っ腹な話だ。これはもう辛抱たまらん。

蕎麦ビール

というわけで、蕎麦ビールを別のブースから調達してまいりました。

これだけそろったら、飲まないわけにはいかんでしょう。

ぐびり、ぐびり。そして、ぱくり。

あー、いいねえ。

あっはっは、と高笑いしながら、天ぷらをつまみ、そしてビールを煽った。

いやー、楽しいね。何だか楽しくなってきたよ僕はぁ。

浅田は準備中

この後、もう一軒くらいは蕎麦屋巡りをしようとしたのだが、何しろ人が多すぎだ。ビールを飲んだせいもあって、これ以上行列に時間を割く気力が沸かなかった。

「だったら、会場外の蕎麦屋に行くか。浅田」
「おー、浅田か!」

急きょ予定を変更し、松本そば祭り番外編として、浅田までてくてく歩いていった。

15分ほどかけて歩いた先には・・・品切れのため「準備中」とされている札が。ああ、無情。

松本そば祭り、ちょっと来場者数が多すぎて、お店がその人数をさばくためにクオリティを落としてしまっているような気がしてならない。あと数回、開催していけばもっと手慣れてきて、おいしい蕎麦が食べられるかもしれない。今後に期待したい。

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