東京 グル麺(01)

2006年10月07日
【店舗数:211】【そば食:380】
東京都千代田区丸の内

かき揚げ天ぷら(玉子付)そば

友人の結婚式二次会のお誘いを受けたため、新幹線で広島に行くことになった。最近は飛行機を利用することが多く、新幹線に乗る機会が減った。新幹線=日常の延長線上、飛行機=なんだか非日常的な感じがするじゃん、という発想があるからだ。せっかく同じ移動をするなら、非日常的な飛行機の方がなんだかお得、というわけだ。ただ、この日は三連休初日ということもあって飛行機のチケット確保に失敗。やむなく新幹線に乗車と相成った。機動力の高さは新幹線に圧倒的に軍配が上がる。

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発車時刻まで少し余裕があったし、小腹が空いていたので、以前から気になっていた新幹線ホームにある立ち食いそば・うどん店の「グル麺」に行ってみることにした。何が気になるって、まずそのネーミングだ。なめとんのか。・・・いやまあ、別にナメてるわけではないと思うが、日本を代表するスーパーエクスプレスの発着駅に、ジャパニーズトラディショナルフードのファストフード店として堂々と居を構える店名が「グル麺」。駄しゃれじゃん。そのあんまりなネーミングに脱力感を禁じ得ないのである。

麺、伸びちゃってそう。

そんな感すら抱いてしまう、なんともチャレンジングなネーミングといえる。まだ、勘違い時代劇風に「大江戸麺食亭」とかそういう名前にした方が、と思う。でも、立ち食い蕎麦屋って殆ど店名は重視されていない特異な飲食店といえる。「あの駅のホームにある立ち食い蕎麦屋」で通じてしまう。あんまり名前に拘る必要なんて無いのかも知れない。・・・それで、「グル麺」。うーん。

いや、名前の話を延々と続けても不毛すぎる。そんなものはどうでも良く、さっさと蕎麦を食することにしよう。でも、その前にこのお店にたどり着く事が先決だ。もうちょっと良い立地条件が与えられてもよかろうに、というくらいこのお店はホームの端にある。途中、何軒も駅弁屋を通過し、「おい本当にこの先にあるのか?」と不安になって来る頃にようやくお店が登場する。位置としては、新幹線の13号車あたりだ。

「ひょっとしたら、先頭にある自由席の連中に食わせないための作戦か?」とうがった考え方をしてしまう。「ウチは指定席券すら買わないような貧乏人を相手にしてるんじゃないんだ、貧乏人は来るな!」という発想だったりして。でも売っているものは立ち食い蕎麦・うどんなわけであり、そういう選民思想があるんだとすればなんとも矛盾している。あと、金持ち相手にしたいならグリーン車の前に設置してはどうか、とも思う。

長いホーム歩きの間、そういうしょーもないことを考えつつ歩くのが楽しい。

グル麺お品書き

店先の値札をチェックしてみると、新幹線ホーム物価と言うべきか、普通の立ち食い蕎麦屋さんと比べるとやや強気の値段設定だ。かき揚げ天ぷら(玉子付)そばで500円。

あ、でも、そばうどんメニューの中ではこの天玉そば・うどんが一番の高級メニューに設定されているのか。お店によっては、えび天だの何だの、値段がさらに高くなるメニューがあるものだが、ここは麺メニューにおける最上級品がこの天玉そば・、ということになる。

となると、お店としても「最上級品」であるこやつを大々的にPRしたいところだろう。しかし、お品書きの並びは、律儀にも一番安いかけそば・うどん300円也から安い順に並んでいる。このあたりがダンディで大変によろしい。売りたい気持ちをこらえつつ、値段の高いメニューは後ろに記述。

さすが新幹線ホームの立ち食い蕎麦。

さすが、でもない気がするが、なんとなくそんな気がしたのでとりあえずほめとく。そんなムチャな。

狭いカウンター

改めて立ち食いカウンターを見ると、極限まで幅が狭い。「丼さえ置ければそれでいいでしょ?」という潔さが素晴らしい。

こういうのを見ると、「立ち食い蕎麦屋において、カウンター幅はどこまで狭くても許容できるだろうか?」というのを実験してみたくなってくる。

カウンターに小鉢やらなんやらを並べたり、お会計の紙が置かれるわけでもない。せいぜい、丼と冷水のコップが置かれるくらいだ。あとは、人によっては肘をカウンターについて食べる、くらいか。それに調味料置き場。

でも実際のところ、一度お客さんが丼を受け取ると、あとは水を途中で飲む場合を除くとずっと丼って手元にあるんだよな。いったんカウンターに丼を置く、ということはあまりしない。・・・人によって、そういう人もいるんだろうけど。

と、いうことは、だ。究極的にはカウンタはいらんのではないか、という仮説にいきつくわけだ。

厨房から麺の入った丼を受け取るときは、おばちゃんが炉端焼きで料理を出すときに使う巨大しゃもじみたいなやつで「はい、どうぞ」と渡す。もしくは手渡しだっていい。調味料は天井からひもでぶら下げておくといいんじゃないか。

どうしてもいったん丼を下に置きたい時があるじゃん、鼻かみたいし、手が疲れるし・・・という人のためには、図工の授業で使った画板を渡し、それを首からぶら下げてテーブル替わりにしてもらう。

あまりに素晴らしいカウンター面積削減案だ、と自画自賛してしまったが、ふと我に返ると、そこまでして僅かなカウンターの幅を狭めて一体何のメリットがお店側にあるのよ、ということに気が付いた。むむ、無意味だったか。

この妄想、やめ。早くかき揚げ天ぷら(玉子付)そばを食べよう。

かき揚げ天ぷら(玉子付)

「そうか今僕はこの店でとびきり高い料理を食っているんだなあ」とちょっとだけ優越感を抱きつつ、天玉そばをずずずぃとすする。ううむ、これぞグルメ。グル麺だ。ははは。

麺は比較的しっかりとした硬さのもので、僕好み。ダジャレ店名からイメージしていた「ぬるぬるのやわやわ麺」じゃなかったので、良い意味で裏切られた。つゆも、きりっとしていて悪くない。天ぷらは、150円するだけあって「玉ねぎ油お化け」ではないいろいろな具が入っていたが、一気に食べてしまったので詳細不明。立ち食い蕎麦屋さんで食すると、ついつい「一気に」食べてしまうので内容を覚えられない。

この蕎麦だったら、下手に1,000円近くする駅弁を買うより良いかもしれない、と思った。ま、単にお金の問題だけど。

蕎麦を食べ終わって、自分の指定席がある4号車まで延々と歩いて戻る。途中、グリーン車の横を通り過ぎた時、グリーン車の乗客の多くが駅弁を買い求めて食らいついているのに気が付いた。おお、金持ちは高い駅弁をも惜しげもなく買って食べるのだな、と感心したが、普通の指定席車両の人たちも同じく駅弁をぱくついていたので、別に「駅弁=金持ちの食い物」というわけではなさそうだ。

今回は「金持ちの食い物、普通の人の食い物」というテーマでこの10分少々を過ごしてきたわけだが、いまいち良いサンプルが得られずこの研究は終了。おっと新幹線出発のベルが鳴り出した、乗り遅れないように急げ。

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